コラム

「とんでもございません」は間違い?言いがちだけど実はNGな言葉遣い4つ

敬語を使うときに「間違いのないようにしなくては」と肩に力が入って奇妙な言葉遣いになってしまったことはありませんか?

普段から敬語を使い慣れていないと、いざというときに戸惑ってしまいますよね。

加えて、なんとなく「これで正しいのかな?」と使っている敬語が実は失礼な言い方だったら大変。

そこで今回はマナー講師の筆者が、ビジネス敬語で言いがちだけど実はNGな言葉遣いについてご紹介します。

 

NG1:「いたしますか?」

来客があり、お客さんにコーヒーと紅茶のどちらがいいかを確認するときに「コーヒーと紅茶、どちらにいたしますか?」と言ってしまったら……おそらく、失笑されてしまうでしょう。

「いたす」は「する」の謙譲語なので、相手に使うのは実はNGなんです。

このような場面では「コーヒーと紅茶、どちらになさいますか?」が正解です。

NG2:「とんでもございません」

取引先や上司から褒められたときはどう答えるべきでしょうか。

よく耳にする言いがちだけど実はNGな言葉遣いが「とんでもございません」でしょう。

この「とんでもない」は「かたじけない」などと同様に、その6文字でひとかたまりの言葉になっています。「ない」の部分だけ切り離して丁寧語に言い換えることはできません。

「とんでもないです」は「とんでもない」に「です、ます」をつけた丁寧語なのでこちらが正解。

ちなみに、年配の方に使う場合は「とんでもないことでございます」と言ったほうがよいでしょう。

NG3:「こちらにおすわりになってください」

相手へ椅子をすすめる場合などはどのような言葉遣いが正解でしょうか?

つい言ってしまうのが「こちらにおすわりになってください」という奇妙な言葉遣い……。

「お座りになる」は「座る」の尊敬語ですので一見正しいように思えますが、これは「あちらにおすわりになっている方が〇〇様です」のように使うのが正解です。

犬などペットに対する「お座り!」に通じてしまうので相手へ依頼する場合は使いません。

社会人ならば正しい「おかけになってください」を使いましょうね。

NG4:「〇〇様がお見えになられます」

「〇〇様がお見えになられます」

「〇〇様がお見えになります」

上司に来客を伝える場合はどちらが正解だと思いますか?

「お見えになられます」はとても丁寧な言い回しのようで勘違いしてしまいますが、「来る」の尊敬語の「見える」と「なられます」が続くと“二重敬語”になってしまうので、実は間違い。

正しくは「お見えになります」となります。

 

丁寧な言葉遣いで、つい正しいような勘違いをしてしまう敬語も、実はNGだった……というパターンが意外と多いものです。

よく確認したうえで、相手に失礼のないように使いましょう。

 

文/前濱瞳 画像/PIXTA(ピクスタ)(Graphs、よっし、maroke、Ushico) 参考文献/『できる女性のビジネスマナー』(西出博子) / ナツメ社

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