仕事でも私生活でも、周囲に左右されない価値観を持つNiki。気になるのはやはり、「恋愛」との向き合い方。JJの人気連載「恋愛Nikiペディア」でもその哲学を遺憾無く発揮し、「JJで最もモテるモデル」の呼び声も高い。プライベートの友人からも、恋愛相談をされることが多いと言う。

「恋愛相談されたら、ポジティブに解決案を出していく方。『どうしてそうなったのか、言ってみて?』と聞いて、一緒に考えていく感じ。私に相談してくる子って、一緒に落ち込みたいわけじゃないんですよね。だからできるだけ、状況をプラスに持っていけるようにします。でも大事なのは、その子が相手のことをどれくらい好きか。『その人どうなの〜』って言いたくなることもあるけど(笑)、好きだったら、その気持ちに寄り添って考えます。最終的には、その子が自分で決めるしかないんですけどね」

自分自身が誰かに恋愛相談をすることはほとんどない。「恋愛体質」ではない方だと思う。

「恋愛の優先順位が本当に低い。友達にはすごく優しくするし、なんでもやってあげたいスタンスなんだけど、恋人には全然そういうのが少ない。『やってもらいたい』が強すぎちゃう。自分が男だったら私みたいな子とは付き合いたくないかも(笑)。大変な気がする(笑)」

恋愛について語ったり自身が恋愛を楽しむ上で、Nikiがいつも大切にしてるのは「男女平等」。男・女と人間を区別していないのもあるし、友人と比べて交際相手を特別扱いすることも少ない。

「恋人と一緒にいても、友達から誘われたら『行っていい?』と聞いて遊びに行っちゃうので、怒られたこともありました(笑)。そもそも、好きだなって思った相手でも、友達でいいじゃんって感じることは多い。友達の方が一生もので、恋人は、始まりがある分、終わりが来ちゃうと思ってる」

誰に聞いても「Nikiはモテる」と言われる彼女だからこそ、なのだろうか、友達でいる方がお互いにとっていいだろうと思った時は、気づかないふりをすることも多い。逆に言えば、交際に至るのは、そうしたNikiの「恋愛体質じゃなさ」を物ともせず、乗り越えてくるタイプだ。

「友達に誘われて知り合った異性って、最初は男友達で、その後もみんなで一緒に会っていると、そのまま友達に固定されちゃう。でも、たまに初対面で『2人でご飯行かない?』って誘ってくれる人がいる。恋人になるのはそういう、私のガードを切り崩してくれる人です。一発目でそれ言うのってなかなか勇気要るから、自然と、自分に自信がある人になりますね。ナルシストとも言えるかもしれない(笑)」

モデルを始めて7年、上京してからもしばらく経つ。「引きずっている過去はない?」と聞くと、「ひとつもない」と即答する。

「消したい過去はないんですよね。一度付き合った人たちのことは嫌いにならないから。別れると、異性としての『好き』から、人間としての『好き』に戻るだけ。別れるときも、揉めたり拗れたりってことは少ない。どっちかの気持ちの方が大きくなっちゃって、その偏りにお互い気づいて…という流れが多いかな。多少の後悔が残ることはありますが、それも無駄じゃないと思ってます。次に生かせるから」

交際中に喧嘩をすることも、ほとんどない。感情を出して話し合っても物事がうまくいかないのがわかり切っているからだ。

「感情的になって物事が解決することってないなって気がついたから、損だなって思っちゃう。何か気にかかることがあっても、ちょっと考えたらうまくいく場合が多い。考えた上で、冷静に話します」

異性に合わせすぎないバランス感覚を持つNikiだが、「相手の趣味を知るのは好き!」と話す。

「相手の好きなご飯屋さんや好きな音楽とかが、自分のライフスタイルに自然に入り込んで、世界が広がるのは楽しいですよね。自分の何かが減るんじゃなくて、元々あるものに足されていくイメージ。自分はこれが好きだけど、ああ、そっちもいいねって感覚で、お互いの生き方を共有できる人と、一緒にいたくなります」

20代半ばになると、「結婚」の二文字に悩む女子は多い。今付き合っている人が結婚相手としても向いているのか、それとも他の人を探した方がいいのか…。「Nikiも悩むことある?」と聞くと、力強くうなずく。

「恋愛と結婚は全然別ですよね。恋愛のときめきって、結局ハラハラ感でもある。それを何十年も持続させるのは難しいし、ハラハラする相手と結婚するのが良いかというと…。異性としてではなく、人間としての“好き”を落ち着いて感じられる相手の方が、長く一緒にいられるだろうなとは思います。私はそもそも恋愛体質じゃないのもあるし、結婚するならきっとそういう人を選ぶ気がします」

それでも、お互いしか見えていないような、恋愛体質のカップルに憧れる気持ちもある。

「花火みたいに盛り上がってるカップルには、羨ましさはありますね。私、本当に恋愛でワ〜!ってならないから(笑)」

連載「恋愛Nikiペディア」には、『彼氏がほしい』という悩みも多く寄せられていた。今交際相手を探している読者に、何かアドバイスはあるだろうか?

「自分が本当に求めてることが何か、はちゃんと考えた方がいいと思います。“彼氏”って肩書きの人を隣に置いておきたいってことか、“好きな人”がほしいってことか。それによってアクションも全然違ってきますよね」

どんな話題も、臆することなく答えてくれたNiki。そこには、人生のあらゆることをフラットに見ることで広い世界を知っていきたいという、ひそやかで力強い情熱が感じられた。仕事でも恋愛でも、これから経験していく出来事たちが「Nikiらしさ」をさらに磨き上げていくに違いない。

ワンピース¥56,000キャミワンピース¥38,000(ともにANNA SUI/ANNA SUI JAPAN)その他はスタイリスト私物

Photography_Hana Yoshino
Hair&Make-up_KATO<TRON>
Stylist_Erika Abe
Text_Hirarisa
cooperation_Rena Kani
Design_Yoshitatsu Yamaya(Ma-hgra)
Composition_Dai Iwaya

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