「周りを見て羨ましいなって思うことが結構あるし、人と比べてしまうこともたくさんあります。私はプレッシャーに弱くて、緊張しいだから、振り付けも自分が納得いくまで練習して自信をつけないと本番を迎えられないタイプ。こんな風にやってみて、と言われて、パンっと表現できる人やアドリブに強い人はカッコいいなって思います」
「つい、完璧を求めてしまう」という完璧主義な面も。自分をストイックに追い込みすぎて、空回りしてしまうこともあるそう。
「自分の中でイメージを固めすぎて、リハーサルや本番で空回りすることもあるんです(笑)。力の入れどころと抜きどころのバランスが難しい。特に仕事においては完璧主義なところもあるから、上手くできない自分を許せるようにもなりたいです」
櫻坂46の1stシングル「Nobody’s fault」では選抜メンバー14名の1人に選ばれたが、デビューからこれまで、選ばれる側に立ち続けてきた過程では、努力と結果が必ずしも比例しないという現実も味わってきた。
「昔はネガティブだったから、自分のポジションに囚われて、リリースの度に一喜一憂していました。でも今はどの位置にも意味があると捉えています。「Nobody’s fault」の私のポジションは3列目の端ですが、その場所って全体を見渡せる位置なんです。だからこそ、どう動いたらグループがカッコよく見えるかを常に意識しています。表題曲を歌うメンバーに入れなかったり、理想とするポジションにつけなくても、それ自体を失敗とは思っていなくて。むしろそこからどう這い上がるのかを見られていると思うので、どの場所にいても、自分ができることを追求していきたいです」
与えられた場所で最大限できることをする。そうポジティブに向き合う一方で、「いつまでもこの場所でいいわけじゃない」という野心もある。
「グループで活動している以上は、よりいい位置を目指していきたいという気持ちはあります。応援してくれる方はもっと前に出て欲しいって言ってくれるし、ファンのためにも自分のためにもがんばりたい。チャンスは誰にでも訪れると信じているから、チャンスをモノにできるように、今は自分を磨く時間を大事にしています」
音楽番組やライブ映像を見返して、よりよいパフォーマンスを研究するのも日課。オンラインライブが増えた今は、画面越しでも熱意が伝わるパフォーマンスを模索している。
「映像を見返すと、思うように体が動いていなかったり、もっといい見せ方があったなって落ち込むこともあるんです。でも成長するためには受け入れなきゃいけないなって。グループで活動をしているけれど、自分のことは自分でしか管理できない。メンバーやスタッフさんに頼るんじゃなくて、自ら自分を変えるつもりでいないと置いていかれると思うから」
「他のメンバーにここだけは負けない! という部分は?」と聞くと、少し考えて「イケメンな振る舞い!」と答えてくれた。グループ内でも「彼氏にしたいメンバーNo.1」として支持を集めている。
「『その髪可愛いね』とか『今日の服、似合ってるね』みたいに、自分が言われてうれしいことは周りにもしてあげたい。相手を褒める言葉は自分も言っていて気持ちがいいし、その人のためにもなればいいなと思っています」
今年24歳を迎える土生ちゃん。グループの中では年長組で後輩も増えてきた。
「後輩から先輩に話しかけるのって勇気がいると思うから、自分から積極的に話しかけたり、プライベートでも連絡も取るようにしています。お仕事以外で話す時間があるって大事だと思うんです。自分と似たようなことで悩んでいたら、実体験を元にアドバイスもします。同じことは繰り返して欲しくないから、自分にできることがあるならしてあげたい」
2020年10月からは櫻坂46に改名し、新たなスタートを切った。グループとしての目標を「自分たちらしさを見つけて幅を広げ、海外でも通用するグループに成長したい」と語る。土生瑞穂としては、自分の洋服をプロデュースするという夢もあるが、「まだまだ努力が必要」と自分を客観視する。
「自分の名前で洋服関係のお仕事をするのは夢ですけど、今の段階では自信もないし知名度も足りないからまだまだ努力が必要。自分の好きなファッションやこの身長を生かせるスタイリングを積極的に発信して、モデルとして知名度を上げるのも課題です。私は器用なタイプじゃないから、思うように進まないし、時間がかかると思う。でも現状に満足したらそこで終わり。向上心を持ってなりたい自分に近づいていきたいです」
今の自分を俯瞰で捉え、できること、できないことを受け入れながら、夢に向かって着実にステップアップしている彼女。なりたい自分になるための方法を探し、ひとつずつ実践している姿も印象的だった。インタビュー中「ひとつひとつの現場が成長に繋がってる感じ。土生は止まらない!」と笑顔を見せた土生ちゃん。アイドルとして、モデルとして、進化していくこれからを楽しみにしたい。
ワンピース¥34,000(muller of yoshiokubo)ピアス¥3,500(ラピュイ/キャセリーニ)サンダル¥4,500(mite)
Photography_Hana Yoshino
Hair&Make-up_KATO<TRON>
Stylist_Erika Abe
Text_Yuka Sakamoto
Design_Yoshitatsu Yamaya<Ma-hgra>
Composition_Dai Iwaya