昨年のデビューを皮切りに、日本のみならずグローバルアーティストとして活動するJO1。オーディション番組『PRODUCE101 JAPAN』に参加する2年前までは、歌もダンスもまったくの未経験で、ごく普通の大学生だった河野さん。この1年を、彼はどんな風に過ごしてきたのだろう。
「アーティストという立場になって、約1年。音楽が大好きで、アーティストという職業に憧れを抱いてきた僕にとって、音楽を生業として生活できている現実が未だに信じられません。アーティストは音楽を通じて、聞いてくださる方の感情に訴えかける仕事だと思っています。最近ある映画を観たのですが、ストーリーが素晴らしいのはもちろんのこと、劇中に流れた挿入歌が本当に素敵で。音楽がストーリーを引き立てていて、こんなにも感情に訴えかけることのできる表現って他にはないんじゃないかと思いました。僕自身、歌が大好きでグループ内でもボーカルを担当しているのですが、改めて“歌”の力に気付かされましたし、僕たちの歌で元気になってくれたり、聞いてくれた人の感情を揺さぶることのできる、そんなアーティストになりたいと思いました」
デビュー1年目にして、アジア最大級の音楽授賞式「2020 MAMA」では「Best New Asian Artist」を受賞し、その名を世界に知らしめたJO1。昨年1年間、アーティストという職業と向き合うなかで葛藤はなかったのだろうか。
「もちろん迷いも、葛藤もありました。なによりも大きかったのは、音楽には正解がないということ。『今のJO1の音楽には何が必要なのか』、『もっと多くの方にJO1を知ってもらうためには、どんなパフォーマンスをすればいいのか』、『そもそも今のパフォーマンスで満足させられているのか』ということを考え続けた1年間でした。どんなに考えても答えは出なくて堂々巡り。メンバーと何度話し合っても、『これが正解!』という分かりやすい答えは出ず、正解は僕たちが決めるのではなく、聞いてくださる方に委ねようと考えるようになりました。僕たちは全力でパフォーマンスをすることしかできない。そうやって地道に結果を積み上げていくことで、ファンの方と一緒にJO1の音楽の正解を見つけることができたらいいなと、今は思います」
グローバルアーティストとして、2021年も更なる飛躍が期待されているJO1。デビュー2年目を迎えた今、これから挑戦してみたいことを聞くと、未来を見据えて楽しそうに語ってくれる。
「個人的には、JAMの前でピアノやギターの弾き語りをしてみたいです。ファンの皆さんに直接、音楽の素晴らしさを伝えたい。広いコンサート会場でピアノやギターの音色を響かせることで、必ず心に刺さるなにかが生まれると思うんですよね。グループとしては、自分たちのコンテンツを通じて成長を絶えず見せ続けられたらいいなと思います。例えば、最近YouTubeで発信した「JO1 ATELIER」。11人でどんなことをしたらJAMに喜んでもらえるか? というのを話し合って、ダンス・ボーカル・ラップのユニットに分かれて、新たなコンテンツを制作して公開しました。韓国語で歌唱したメンバーもいて、今後はボーカルメンバーがラップに挑戦するなど配置交換もしていけたらいいね、とメンバーと話しているところです。全員が全てのポジションをこなせるようになると、これから先、JO1はすごいグループになっていけると思うんですよね」
育ってきた環境や経歴、性格も異なるメンバー11人で構成されている、JO1。一緒に暮らし、四六時中時間を共にしているメンバーは家族のような存在。そのなかで、特に仕事への姿勢を尊敬するメンバーがいると言う。
「豆(豆原くん)ですね。彼はあまり多くを語らない性格で『自分は頑張っている』とか絶対に言わないし、その素振りも見せないけれど、いざ本番になると確実に成果や結果を残せる人。本当にプロだと思うし、そのうえ人柄まで良い。最年少メンバーで年下だけど、本当に心から尊敬しています」
デビューイヤーは嵐のように過ぎ去っていったとインタビューで語った、河野さん。5年後、10年後は、どんなアーティストになっていたいのだろう。
「JO1はまだ成長過程にあるグループ。今はまだ初めてのことも多くて、どっしり構えられないというか、チャレンジすることへの期待と同時に、不安を感じることも多々あるんです。だけど5年後、10年後は、もっと成長して自分たちも楽しめる余裕を持っていたい。例えば今回センターを任せてもらえると知った時も、「僕で大丈夫かな…」と常にプレッシャーを感じているし、押しつぶされそうになることも多かった。だからこそ5年後には、メンバーそれぞれが力をつけて、どんなことにも対応できる、そんなアーティストになっていたいです。そして、国内外のドーム規模の大きな会場で、コンスタントにコンサートができるような存在になれるように頑張っていきます!」
ジャケット(参考商品)ベスト¥19800シャツ¥34100パンツ¥49500(すべてヴィクター&ロルフ/シフォン)サングラス¥46200(リュネット コレクション/ブリンク外苑前)その他スタイリスト私物
Photography_Yuhki Yamamoto
Stylist_Masaaki Ida
Hair Make-up_Yuko Tamura
Text_Yuki Otsuka
Design_Yoshitatsu Yamaya<Ma-hgra>
Composition_Dai Iwaya