「韓国で芸能活動をすることになったのは、当時流行っていた『K-POP STAR』というオーディションを姉と受けたのがきっかけです。小さい頃から歌うことが好きで、表現者になりたいという憧れがあったんですよね。でもそのオーディションに合格できたわけではなくて…(笑)。オーディション会場のトイレに行った時に、スカウトされたのが本当のきっかけ。

まだ若かったのもあって事務所について詳しいわけではなく、家族みんなも『大丈夫なのかな…』という不安があったと思います。だけど、せっかく得たチャンスだったのでビデオ審査にエントリーすると無事に合格。思い切って渡韓することを決意しました。当時は日本の高校にも通っていたので通信で通いつつ、15歳から韓国で暮らすことを決めました」

幼い頃から「やりたい」と思ったことは実行に移してきた行動派。自分で応募したオーディションを主催していた事務所とは別の事務所に所属することになったものの、異国の地で夢だった表現者としての道を歩むことになった。

「たくさんの不安を抱えて韓国に行ったけれど、いざ行ってみるとホームシックは1日目だけでした。ワンワン泣いたけど、次の日からはケロッとしていたのを覚えています。韓国で一番辛かったのは練習生時代のダイエット。当時は今よりももっとビジュアル重視だったから、今までにないくらい過酷だなと思いました。運動はもちろんのこと、食事制限も。本当に痩せることができなくて日本に帰されたこともありましたね…。

痩せるために母も一緒になってダイエットを手伝ってくれて、1人だったらできないことも、家族がいたから頑張れました。日本で普通に高校生活を送っていたらできない、そういう経験をしたからこそ、強くなっていったんだと思っています。多少のことではへこたれないメンタルを手に入れることができたので良い経験です」

他の人が経験し得ない辛い思いもたくさんしてきたからこそ、今、強くいられると語るりほさん。撮影中も我々の要望に嫌な顔ひとつせず、一緒に真摯に向き合ってくれました。

「韓国で一番印象に残っているのはドラマの撮影です。日本人である私が韓国のドラマに出演するということは普通じゃあり得なかったことですし、周りからは賛否両論、たくさんの意見が耳に入ってきました。特に人気のあるドラマだったので注目度も高く、正直すごくプレッシャーもありました。そんな声に悔しくて1人で撮影終わりに泣いた日もありましたが、人の何倍も韓国語を勉強して、セリフも覚えて、何度も練習して、とにかく必死に仕事と向き合う日々。

ただ、そうやって演じたドラマが放送されてからはポジティブな評価をいただくことも増えて、いまだにそのドラマがきっかけで私のことを知ってくださった方も多く、その時は実感できてなかったけど『努力は裏切らない』ということを今、身をもって感じています」

日本と韓国、言語も違うし文化も違う。高校生という、まだ周囲は横並びの環境にいるタイミングで親元を離れ、ひとり努力してきた彼女。韓国に行ってよかったと思いますか? という質問には、「本当によかったです!」と即答。そんな彼女にこれからのことも聞いてみました。

「ありがたいことに、今はいろんな種類のお仕事をさせていただいています。YouTubeを始めてから特にお仕事は増えました。Instagramのイメージと全く逆で、素が出せるYouTubeは結構評判も良くてとても楽しいのですが、最初は嫌だったんですよ(笑)」と意外なエピソードも。

「うまく喋れるかな…、とか、表に出るのは好きですが実は結構考え込んでしまう性格。毎回撮影が終わると今日は大丈夫だったかな、と不安になって、反省会を自分ですることも多いです。現場では自分の意見をしっかり伝えることは大切にしているのですが、言いすぎたかな…なんて思う時も」

撮影当日も同行されていたマネージャーさんは、「自分の意見を持っていて、軸がブレないところがりほの良いところです。ただ単に頑固なだけだと大変ですが、人の意見も聞き入れて柔軟に対応できるのは身近に接していても素敵だなと思います」と、南さんの人柄を語ってくれました。

「今はまだリリースできていないこともたくさんありますが、本当に周りの方々のおかげで楽しくお仕事ができています。スキンケアも大好きだから、今後はコスメのプロデュースもしたいですし、表現者としてもっとスキルを磨いていきたいと思っています。そのために最近ダンスレッスンも復活。また違った南りほを皆さんにお見せしたいですね」

一見強くみられがちな南りほさん。今回のインタビューでは、その強さの源にある経験や、強いだけではなく、しなやかで柔軟な一面も聞くことができました。来週更新の第2回目は、りほさんの美容について、詳しくお話を伺っていこうと思います。

ジャケット¥15,400ベスト¥9,900ショートパンツ¥11,000(すべてlouren)キャミソール¥6,490(AKTE)サンダル¥23,000(SOL SANA/ジャック・オブ・オール トレーズ プレスルーム) イヤカフ¥19,800ブレスレット¥17,600(ともにgray/ハルミ ショールーム)

Photography_Daisuke Sasaki<SIGNO>
Stylist_Erika Abe
Hair Make-up_KATO<TRON>
Text_Aiko Ishizu
Design_Yoshitatsu Yamaya<Ma-hgra>
Composition_Dai Iwaya

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