小さい頃から母親がいろいろな格好をさせてくれたおかげで、物心つく前からファッションへの意識はあったものの、自覚的にファッションを好きになっていったのはアパレル店員という仕事をし始めてから。高校生の頃はまだ自分が何を好きなのかが分からず、いろんな服を着て楽しんでいたそう。

「高校を卒業してから自分のお金で買えるものが増えた時に、『あ、自分ってめちゃくちゃこだわりが強いんだ』って気が付きました!」当然高校を卒業すれば私服を着る機会も増え、どんどん好みが確立されていく。

「お仕事を通していろいろな人と会ったり、お話ししたりしながらファッションの勉強をしていくうちに、“とても深いな”と感じることがたくさんあったんですよね。気がついたら自分自身の発信もファッションの内容が多くなって、段々とファッションに関わる仕事が増えていきました」

知れば知るほど興味が湧き、ファッションの魅力に吸い寄せられていった伊原さん、気づけば同世代のアイコン的な存在になるほど、人気のアパレル店員になっていた。

実は伊原さんが心掛けているファッションのルールは2つ。それは、“自分を中心に考えること”、“その時の自分を表現する”こと。この2つのみ。 「身長もそんなに高くないけど身長は変えられないので、あまり他人と比べず、自分を見るようにしています。それと、ファッションって楽しい気持ちになるものだと思っているので、その日の気分をその日のコーディネートで表現するというのは自分のルールかなって思います」

伊原 葵っぽいスタイルとは一体なんなのか、言語化するのは難しい。彼女がコーデ作りで参考にするのは、日々受ける刺激や、自分の中で膨らませたイメージ。

「今日は一番私らしいスタイリングにしました。女性らしさを意識してアクセはゴールドに。シンプルなコーデには小物を多めにつけて華やかさをプラスして、デニムをキレイめカジュアルに着こなすのが私のマスト。さらにブラウンのバッグで少し抜け感を出してみました」

「等身大の目標みたいな人はいないけど、日々街中やSNSなどを通じてインスピレーションは受けています。その情報もただキャッチするだけではなくて、『じゃあこれは自分だったらどう着るかな?』とか『なにと合わせるかな?』など常に自分ごとに変換するようにしています

ではそのインスピレーションをどのようにして自分らしく仕上げるのか、伊原葵っぽさとはどんなものなのか…。どうしても知りたくて追及してみると、少し溜めてから、

「うーん、なんだろう。でもやっぱり身長があまり高くないのでバランス感は大切。あとは女性らしさの中にもナチュラル感とかヘルシーさを取り入れることが自分っぽいスタイルだと思います」

本人ですら自分のファッションを一言で表現するのは難しい。けれど、確かに伊原葵の日々のコーディネートにはカジュアルでもどこか大人っぽい女性らしさもある。それでいて、シンプルだからどんな人でも真似がしやすく、取り入れやすい。そんな点も、ファンから支持されているうちのひとつ。

伊原さんにとってのファッションは生活の一部。日々自分自身と向き合い、ファッションでより自分を高める方法を彼女は知っている。真似もしやすく親しみのある存在だけれど、しっかりと伊原葵が確立されている。そんな姿が多くの人々を刺激しているに違いない。

TOPS:CABaN
BOTTOM:YANUK
BAG:GUCCI
SHOES :NEBULONIE
ACCESSORIES:blanciris/ARTIDA OUD/Anthem for the senses

Photography_Daisuke Sasaki<SIGNO>
Hair Make-up_KATO<TRON>
Text_Aiko Ishizu
Design_Yoshitatsu Yamaya<Ma-hgra>
Composition_Dai Iwaya

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