幼少期から高校生までをカナダで過ごしていた怜子さん。よく間違われるそうだが、彼女は純日本人。大学進学のタイミングで、日本という国をもっと知るためにカナダから帰国し、国際基督教大学へ進学。在学中にはモデル活動もスタートさせます。海外での生活を経て辿り着いた母国での暮らし。しかし、ある日を境にこの国の「働き方」「働くことについての考え方」に違和感を抱えるようになったと言います。

「実はみんなと同じタイミングで就活をしていた期間があるんです。周りが大企業への就職を目指したり、それを叶えていくのを目の当たりにしながら、ふと、私はなにがしたいんだろう…と考えるタイミングがありました」

「みんなで同じようなリクルートスーツを着て、同じようなメイクをして、周りと同質化したうえで自分を判断してもらうっていうのが私の性格には合わないなって思ったんです。かといってその時点で“これがやりたい!”という明確ななにかがあったわけでもなく、ハッキリとしたものはありませんでした」

そんな進路に迷う時期を過ごすなかで、自然と辿り着いたのが“ファッション”で何かをすること

「モデル活動をしていたこともあり、ファッション業界に精通している方々にたくさん相談に乗ってもらいました。そもそもブランドを持つことが夢だったわけでもないのですが、就活や働くことを考えるタイミングで、ブランドを始める決断に至りました」

起業をするにあたって、アパレルについても会社経営についても知識がまったくない状態からスタートさせたAMATERAS

「専門学校に行っていたわけでもないし、洋服の作り方から配送の仕方まで、すべてにおいて0からのスタートでした。ブランドを立ち上げようと思って、まずはググってみたものの答えはどこにも載ってなくて…」

右も左もわからないひとりの大学生が、同世代なら一度は耳にしたことがある有名ブランドを作り上げられたのは、彼女が地道に日々の努力を怠らなかったから。起業を決意してからの1年間は、ヘアメイク、編集者、投資家など、さまざまな立場の計100人に会って社会の仕組みや仕事の内容をひたすらヒアリングし、世の中の「普通」がどう作り上げられているのかを自分の足で学んだといいます。

意識が高く、行動力も人一倍のように感じる彼女の原動力は、一体どこにあるのでしょう。

「自分自身、モチベーションがすごく高い人だと思っていないんです。ただ、ここまで頑張ってこられたのは目標があるから。目標を達成するたびにやりがいを感じられるから、もっと上へ上へって思えるんです。正直これで結果がついて来なかったら挫折したいたと思うので、とにかく日々努力あるのみだと思って頑張っています」

これだけ成功しても、今なお日々奮闘中。SNSにアップされる華やかな生活からは想像できないけれど、起業準備中や会社の立ち上げ当初は辛いこともたくさんあったと話してくれた怜子さん。

「一緒にやっている友人と立ち上げの準備をしていたのですが、わからないことだらけなのに目標が大きすぎて、現実と夢のギャップが大きく挫折しそうになったこともありました(笑)。だけど、私たちが作った商品が売れているのを目の当たりにしたり、POP UPをするたびにお客さんの数が増えたり、目に見える成功体験をするとその大変さを忘れて、やってよかったなっていつも思うんです」

目標を設定するたびに行動と努力を惜しまない姿勢があるからこそ、その先に訪れる成功体験。それが、これからさらに飛躍していく彼女の原動力となっていくに違いありません。



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ワンピース¥32,890(Estella.K)ピアス各¥25,000リング¥108,000バングル¥41,000<すべてe.m.> バイカラーリング¥56,000ウェーブリング¥29,000 <ともにlittle emblem>(すべてe.m. 表参道店)

Photography_Daisuke Sasaki<SIGNO>
Stylist_Erika Abe<FUKUSHIMA>
Hair Make-up_KATO<TRON>
Text_Aiko Ishizu
Design_Yoshitatsu Yamaya<Ma-hgra>
Composition_Dai Iwaya

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