しもにゃん

最近友達が「膀胱炎」になったらしくて、 とにかくトイレに行っても行っても、おしっこが漏れそうな感じがしちゃって大変だったみたいにゃ!そもそも膀胱炎って何かにゃ?

伊藤先生

いろいろな細菌が膀胱に入ることで起こる病気ですが、その一番多い原因の細菌が大腸菌になります。「尿道の痛み」、「残尿感」、「頻尿」が膀胱炎のサイン。もともと防衛機能のある膀胱だけれど、風邪を引いたり、生理中など免疫力が下がっているタイミングでなりやすい傾向があります。

しもにゃん

大腸菌が主な原因なんだにゃ!ミーは膀胱炎という言葉を、今回友達から聞いて初めて知ったにゃ。

伊藤先生

膀胱炎は圧倒的に女性の方がなりやすいのですが、それは女性のカラダの構造も関係しています。肛門、腟、尿道が近く、さらに女性の尿道は3〜4cmと男性に比べて短いので、膀胱に菌が入りやすいんです。

しもにゃん

にゃんと…!!! 膀胱炎は女性に多い病気なのか!

伊藤先生

そうなんです。逆に男性は尿道が長いので、膀胱炎になることは滅多にありません。よく若い子の方が膀胱炎になりやすいんですか?と質問をいただくんですが、年齢は特に関係なく、女性全体で発症しやすい病気です。

しもにゃん

にゃるほど。ミーも膀胱炎になる可能性大なんだにゃ。

伊藤先生

しもにゃんもトイレの後でもまだおしっこが残っている感じがしたり、いつもよりトイレが近く感じたら膀胱炎を疑ってみて!
知識がないと、初めて膀胱炎になった場合「なんなんだろう⁉  」って慌ててしまうと思うから膀胱炎という病気があるということを頭の片隅に置いてくれたらいいな。

しもにゃん

「尿道の痛み」、「残尿感」、「頻尿」の3つのポイントを意識していれば、早く膀胱炎に気づけるんだにゃ。

伊藤先生

場合によっては、粘膜が炎症を起こして、膀胱の壁から血が出て血尿が出る可能性もあるから要注意!
あと尿が白濁したり、尿の状態も普段と変わってくるはずなので、あれ⁉ って思うことがあったら膀胱炎を疑ってみて。

しもにゃん

血尿…!!! そんな怖いことにならないよう気をつけるにゃ。

しもにゃん

女性は尿道が短いから膀胱に菌が入りやすいってことだけど、菌が入らないようにするにはどうしたらいいかにゃ?

伊藤先生

普段からデリケートゾーンを清潔に保っておくことが大事です。まずはトイレットペーパーでの拭き方。排便の後に肛門から前に向かって拭くのは避けましょう。膀胱炎の原因となる大腸菌を膀胱に誘導してしまいます。
また生理中はナプキンをこまめに変えて。あとはSEX後の排尿も大切です。

しもにゃん

SEXも膀胱炎に関係があるにゃ…!! ミーは終わった後シャワーはしてるけど、おしっこまでは(汗)

伊藤先生

実はSEXをした後に膀胱炎になる人が多くいるんです。体の摩擦がきっかけで膀胱に菌が入ってしまうことがあって。それで排尿をしないと膀胱に菌が充満してしまうことに。
菌の増殖を防ぐには尿を出すことだけなのでSEX後は必ずおしっこを忘れずに!

しもにゃん

これから絶対に意識するにゃ! ちなみにSEX前後のシャワーも関係があるのかにゃ?

伊藤先生

お風呂で清潔にすることは大切ですが、膀胱炎には明確な関係がないので排尿をできていれば大丈夫ですよ。膀胱炎が若い子に多いという説も、SEXをしている回数の多さが原因かもと思ったりしています。

しもにゃん

膀胱炎になってしまったら病院に行くのが間違いないのだろうけど、自力で対応もできるのかにゃ?ミーの友達は少し時間が経ったら落ち着くことが多いからって、病院に行かないこともあるらしいにゃ。

伊藤先生

膀胱炎を確実に治すために病院は必須です。水分をよくとっておしっこすることで一時的に症状が落ち着くこともあると思いますが、確実に治っているわけではないので繰り返し悩むことに繋がったりするんですよ。

しもにゃん

薬局で膀胱炎の市販薬を見たことがあるけれど、それじゃダメかにゃ?

伊藤先生

膀胱炎用の市販薬は利尿作用を促して膀胱炎の炎症を一時的に抑えるものがほとんどなんです。初期段階であれば対応できるかもしれないのですが、抗生物質が入っていないので膀胱炎に対して間接的なアプローチしかできないのが現実なんですよ。

しもにゃん

にゃるほど。病院に行くとしたら泌尿器科に行くのがいいのかにゃ?

伊藤先生

内科、婦人科でも診察はできますが、泌尿器科ならより詳しく膀胱炎を調べられます。尿検査から膀胱炎になった原因や、白血球の有無など精密に調べられるので安心です。
詳しい結果が出るまでに2週間ほどかかりますが、薬はその日に処方されるので、基本的に1〜2日で不快な症状は治ります。

しもにゃん

膀胱炎は抗生物質の入った薬を飲むだけで治るのかにゃ?

伊藤先生

そうですね、薬での対応になります。泌尿器科はじめ内科、婦人科で抗生物質を出してもらえますよ。2日くらい飲んで症状がなくなると、次になったとき用のお守り代わりで薬を残している人もいますが、もらった抗生物質は飲み切るのが基本です。
特別に強い薬を処方しているわけではないので、しっかり殺菌するためにも全部飲んでくださいね!

しもにゃん

どんな病気でも必ずもらった薬は飲み切るのが大事なんだにゃ。ちなみに膀胱炎は放っておいたら何か他の病気になるのかにゃ?

伊藤先生

膀胱炎が重症化すると腎盂腎炎(じんうじんえん)になる可能性が高まります。菌が膀胱からさらに腎臓まで達して39度前後の高熱が2〜3日続きます。膀胱炎のうちは熱が出ないので、熱が出始めたら腎盂腎炎を疑ってみてください。
腎盂腎炎の場合は薬だけで対応ができず、通院しながら治療か、入院になるので早めに医師の診察を受けることが大事です。

しもにゃん

そもそも膀胱炎にならないためには、普段どんなことに気をつけたらいいにゃ?トイレに定期的に行けばいいにゃ?

伊藤先生

そうですね。水分をたくさん取って1日に1,500〜2,000mlの尿を出すことが大事です。

しもにゃん

1,500〜2,000ml…!! すごい量に思えるけれど、そんなに水分を取らなきゃいけないのかにゃ?

伊藤先生

循環させるには同じ分だけ水分も取ることが大切です。ただ飲み物だけじゃなく、ご飯にも水分は入っているので意外と難しくないはず。気づいたら意外と水分を出していたという感覚です。

しもにゃん

そっかー、それなら大丈夫そうだにゃ。

伊藤先生

それからトイレも1日5〜7回を目安に行ってほしいです。尿が溜まり続けると、菌が増殖しやすい環境になってしまうので。また十分な睡眠、食事、運動をして健康的な生活を心がけることがポイント。免疫機能が下がっている時に起こりやすいので、栄養が足りていなかったり、疲れが溜まってと発症しやすくなります。

しもにゃん

免疫力を高めることを意識して過ごすとよいんだにゃ。

伊藤先生

そうですね。秋冬は体が冷えると、血流が下がって免疫力が下がってしまうこともあるので要注意。特にお尻周りが冷えると、膀胱炎に繋がる可能性もあるので、普段からカイロを使ったり、毛糸のパンツを履いたりして温めることを意識しましょう。

しもにゃん

ここまでをまとめると、膀胱炎にならないためには「デリケートゾーンを清潔にする」「健康的な生活を送る」「水分をよく取って尿を出す」「体を冷やさない」の4つがキーワードになるのかにゃ?

伊藤先生

そうですね、しもにゃん完璧!

しもにゃん

膀胱炎のこと全然知らなかったけど、身近ながらも恐ろしい病気なことがよく分かったにゃ。ミーも気をつけないと!

伊藤先生

あとは泌尿器科関連の病気でいうと女性で出産後の尿漏れに悩み人がいるのも確か。JJ世代には少し先の話かもしれませんが、骨盤底筋を鍛えておくと、将来の膀胱脱や子宮脱といった臓器が、尿道や膣から出てしまう病気の予防にも繋がります。
膣トレやスクワットなどのエクササイズがおすすめです!

しもにゃん

膣トレ、今度取材しますにゃ!

伊藤先生

それはいいですね!膀胱炎から、将来の話までなってしまったけれど、予防が大切。健康的な生活を送って、普段から免疫力アップを心がけてね!

Special Thanks_ITO YURIKA
Photography_Kozue Okada(Interview)
Illustration_Takuji Kuribayashi
Text_Yuri Tokoro 
Design_Fuka Okamura<Ma-hGra>
Composition_Sonoko Kuraishi

 

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