ジェンダーに囚われないファッションやメイクを発信し、注目を浴び続ける板垣さんですが、ご自身の中で自分を自由に表現していこうと思ったきっかけはありますか?

板垣さん
ここまでメイクを楽しめるようになったのはここ1、2年なんですが、自分を自由に表現するようになったきっかけはドラァグクイーンの方たちの動画を見たこと。SNSでたまたま流れてきたメイク動画やメッセージ動画を見て、自分の好きなように自分を彩っていく姿に惹かれました。すごくエネルギッシュで、強さを感じるんです。その強い姿がとても美しくて、自分も自由に自己表現していきたいなと。人生は限られているし、消極的になっていたらもったいないと思うようになりました。

JJ編集部
板垣さんも自由に表現を楽しんでいる時、強くなった気分になりますか?

板垣さん
なりますね。強いファッションやメイクをしている時は特に。ある意味武装なので、戦いに行くような気分になります(笑)。

JJ編集部
自由=自分らしさにも繋がってくると思いますが、ありのままにファッションやメイクを楽しむ秘訣はありますか?

板垣さん
僕の中での自由は本能のままに、自分の勘だけを頼ってファッションやメイクに向き合っていくことだと思っているんですが、自由って単純な二文字ですけどすごく難しいことで。自分が置かれている環境、悩みは人それぞれだと思うので、自由に楽しむにはこれをすればいい!みたいな正解はないです。ただ身近な人の理解や信頼を得ることは一つの手ですかね。外ですれ違う人はもう一生会うこともないでしょうけど、両親や友達は当たり前のように付き合っていくし、一人理解してくれる人がいるだけで外に出ていく勇気が持てる。僕の場合は両親がそうでした。一番身近で一番難しい存在だとも思いますが、自分にとって近い存在の人とどう向き合っていくかは自分らしく楽しむカギになる気がします。

JJ編集部
自分を受け入れてくれる人が一人いるだけで、世界が明るくなりそうですね。

板垣さん
ただ自分が「自由でいいんだよ」という発信をする中で、自由じゃなきゃいけないみたいな発想には行きついてほしくないと思っていて。周りを気にせず自由に楽しみたいって思うのも一つの生き方ですし、周りを気にしながら生きていくのも一つの素敵な生き方で。自分が苦しまない生き方を選択できればいいのかなと思います。

JJ編集部
周りというキーワードが出ましたが、板垣さん自身は周りからの意見とどう向き合うことが多いですか?

板垣さん
どんなことにも肯定と否定の意見があると思うので僕自身はどちらも受け入れますが、好きでいてくれる人たちの愛を大事に受け取りたいなと思っています。僕の場合「自分が好きなことをやってます!どうぞついてきてください!」みたいなスタンスなので、そこについてきてくれる人の存在がすごく有り難いんです。ただ否定派を排除しようとする動きは多様性じゃないと思うので、嫌いなら嫌いで全然いいですし、その人たちが自分の大事なものを奪うことはできないなと思っています。

19歳とは思えないほど落ち着きのある板垣さん。壁にぶつかった時はどのように乗り越えようとしますか?

板垣さん
なるべく壁の低いところを探すというか…超えられそうな壁を見つけたり、壁にぶつからずに別ルートを探して回避しようとしますね。それでも悩んだときは、自分の中である程度考えた上で誰かに聞くことが多いです。自分の意見も提案しながら、第三者として客観的に見たらどう思うかを聞きます。

JJ編集部
切り替えがすごく早いということは、悩みもあまり溜めないタイプですか?

板垣さん
そうですね、自分に関する悩みはあまり長引かないですけど、服をどうしようかは毎日ずっと悩んでますね(笑)。買っちゃおうかな、どうしようかなって。

板垣さん=“美”というイメージも浸透しつつあると思いますが、ご自身の「美しいセンサー」はどんな時に働きますか?

板垣さん
美しい=トキメキを感じるかどうかなんですが、モノで言うと「ロマンティックな服」はすごく好きですね。布が多く重なってる洋服とか、職人の方が一つずつ縫い付けて作るようなドレスとか。僕、絶対前世のどこかにヨーロッパ系の貴族がいると思うんです。あの時代は男性でもハイヒールを履いていたり、メイクにも抵抗がなかったので。その名残が今に繋がっている気がします(笑)。

JJ編集部
私服を買うときも決め手となるのはやはりトキメキですか?

板垣さん
トキメキはもちろんなんですけど、ロマンと面白さを合わせて全部で3つの条件をクリアできたら考えます。持っている服との組み合わせも考えますが、まずはそこを吟味してからですね。

JJ編集部
板垣さんご自身も「美しい」と言われることが多くあると思いますが、言われて特に嬉しい言葉は何ですか?

板垣さん
「綺麗」って言っていただけると嬉しいですね。可愛い、かっこいいに比べるとどこか曖昧な気もしますが、そこに魅力を感じます。

今年は10代最後の年ですが、これまでを振り返ってどんな10代でしたか?

板垣さん
やることはやったなという充実感でいっぱいです。特にここ1、2年でやり尽くしたというか、もっと先になるだろうと思っていたことが叶ったりしたので、想像以上のことが多かった気がします。

JJ編集部
想像以上のこととは、具体的にどんなお仕事ですか?

板垣さん
まずは雑誌の表紙ですね。ファンの方はもちろん、色々なお仕事の場でご一緒するスタッフの方が表紙のお話をしてくれて。すごく自分にとって大きかったですし、嬉しかったです。あとは演技でも主役を務めるのはもっと先の話だと思ってました。4月からのドラマでW主演を務めますが、これも20代になってできたらいいなと思っていたことの一つだったので嬉しい限りです。

JJ編集部
それでは来年20代を迎えて、実現したいなと思うことはありますか?

板垣さん
自分のイラストで本やグッズを作って、イベントで自ら販売できたら良いですね。こういう状況で去年はイベントも軒並み中止になってしまったので、様子も見ながらまた再開していったらいいなと思います。あとは20歳って人生の中でも大きなタイミングだと思うので、自分にしか出来ないような表現ができたらいいなと思ってます。完全にまだ思いつきの段階なんですが、何かしら準備したいです。

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読売テレビ・日本テレビ系ドラマ「カラフラブル〜ジェンダーレス男子に愛されています。〜」
2021年4月1日よる11時59分〜スタート、相馬周役。
日々一生懸命働くあまり自分自身には手を抜きがちな新米漫画編集者「わこ」が、メイクもネイルも完璧な“美しすぎる男”「めぐる」に出会ってすぐに告白される!“姉妹”と間違われてしまうような異色のカップルが、どうやって異性として惹かれ合っていくのか。すべてがカワイく“眼福”カップルの超フレッシュなラブストーリーをお届け。

Twitter:@itagaki_rihito
Instagram:itagakirihito_official

<衣装>
コート¥440,000ブラウス¥160,000パンツ¥130,000ロングブーツ¥192,000スカーフ¥56,000リング[右手]¥58,000リング[左手]各34,000(すべてGUCCI/GUCCI JAPAN)

 

次回3/12(金)の配信では、JJのInstagramにて募集した質問に答えていただきました。1000件を余裕で超えたたくさんの質問の中から厳選してお届けします。お楽しみに!

Photography_Genki Ito(symphonic)
Hair&Make-up_ NAYA
Stylist_Erika Abe
Text_Yuri Tokoro
Design_Yuko Shiga(Ma-hgra)
Composition_Aya Takahashi

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