賛否両論ある、「イエベ・ブルべ」。私たちの結論は、“とにかく素敵な先生を探そう!”でした。スタイリストさんと同じで、素敵な人がおすすめしていることが知りたい。JJ読者の憧れのキャリアを歩んでいる、三輪先生を訪ねました。
三輪詩織先生
(株)Style Works代表。年間2,000 名以上が来訪するパーソナルカ ラー・骨格診断サロンを東京&名古屋で展開する、敏腕経営者兼カラーアナリスト。大阪にも新しいサロンをこの春オープンしたば かり。2019年のヴィセのカラー監修を担当、手がけた「マイヌーデ ィアイズ」は大ヒット。1987年生 まれ。3 歳と1 歳の2 人の男の子 のママ。@style_works_
パーソナルカラーは 服のサイズ感と似ています
編集O(以下、O):まずそもそも、どうしてパーソナルカラー診断を始めようと思ったんですか?
三輪さん(以下、三):実は、姉がもともとパーソナルカラーアナリストとして仕事をしていて。最初は「何がそんなにすごいのかな?」なんて思っていたんです。
O:最初は半信半疑だったんですか?
三:そうですね。「あなたはイエベ春だからこういう色を着た方がいい!」とか「結婚式のドレスも絶対これが似合うはず!」など、事あるごとに姉に言われたときに、「なんなの、パーソナルカラーばっかり主張してうるさいな」って(笑)。
O:そこからどうやって考えが変わったんですか?
三:姉の仕事現場を実際に見に行った時、お客様がパーソナルカラーを身につけた時のその変化に衝撃を受け「なるほど! これはすごい!」と。ただ、もっとこの価値を広めるためにはわかりやすい伝え方が必要だなと思いました。
O:伝え方って重要ですよね。
三:約3年前に私が勉強を始めたときは、ドレープを当てるなどの診断時の様子の事例はよく見かけましたが、結局〝お客様がどう素敵に変わったか〟という事例がまだまだ少なくて。パーソナルカラーを身につけることでの変化が具体的に示せれば、メークやファッションに悩む人にもっと支持されるはず、と考えました。
O:もともと、ファッションやメークが好きだったのでしょうか?
三:実はおしゃれやコスメが大好き!というわけではないんです(笑)。ただ、女性ってライフスタイルの変化が大きいですよね。仕事もそうだし、結婚や出産も。私も今、小さい子供が2人いるので、20代の頃に比べるとお店に行ってゆっくり選ぶ時間がかなり少なくなりました。
でもやっぱりキレイでいたいし、そのために役立つおしゃれの指標やヒントが欲しい。私と同じように、ファッションやメークがそこまで得意ではないけど、興味はある。そんな方たちにパーソナルカラーを伝えていけたらと思いました。
O:三輪さんってお子さん2人もいらっしゃるんですね…!JJ世代の20代の頃はもともとどういうお仕事をされていたんですか?
三:新卒で大手広告会社に入社し丸3年、法人営業に従事していました。毎日がむしゃらでしたが、新人賞や全社表彰を頂くなどそれなりに結果を残せたので、その後サイバーエージェントのグループ会社に転職し、広報職を2年。27歳で結婚して、その後産休・育休を挟んで、関連会社の取締役として働いていました。ただ、「30歳になる前に独立する」と決めていたので、退職を決意し2017年7月に起業しました。
O:“ 30歳までに独立”っていうのはなぜですか?
三:親が自営業だったので、小さいときから起業の思いがありました。でも何をしたいかはわからなくて…。なので、20代はまず自分のできることをひたすら頑張って力をつけ、30歳までにやりたいことを見つけようと。パーソナルカラーに出会った時、「これなら今まで自分がやってきた、『営業でサービスを売る』『広報でコトを広める』というスキルが生かせる気がする」とピンときたんです。実際に今、多くの企業とお仕事をさせて頂いている中でも、当時の経験が役立っていると感じます。
O:全然ジャンルの違うことでも今までの経験が生かせるなんて素敵です! 始めた当初はどうでしたか?
三:周りの協力や、色々と試行錯誤した甲斐もあり、ありがたいことに順調なスタートでした。「パーソナルカラーでこれだけ印象が変わる」というメーク事例をSNSで紹介していったら、問い合わせがどんどん増えていき、応募開始時には数秒で300人くらい応募が殺到して、泣く泣くお断りする時期が続いたことも…。
O:確かに、Style Worksのインスタ(@style_works_)って、わかりやすくBefore・Afterが見られますよね。どんなお客様が多いですか?
三:年齢は10代から60代と幅広いですが、特に20代〜30代の女性を中心に、おしゃれに悩みがあったり色選びに迷っていたりする方が多いです。あとは、婚活や新生活などで印象を変えたい方や、ブライダルのために似合うものを知りたいという方もいらっしゃいます。
O:ちょうどJJ世代のお客様が多いんですね。自分に“似合う”の定義って、とっても難しいと思うのですが、三輪さんの “似合う”の定義ってなんですか?
三:〝似合う=調和して馴染んでいる〟ということだと考えています。第三者から見て違和感のない状態、その人らしさや雰囲気に合い自然に魅力が引き立っていること、かなと。
O:実際に“似合う”を見つけたお客様はどんな風に変わっていくんですか?
三:自分に〝似合う〞を知ることで、おしゃれをする楽しさを覚え、自信が生まれ、どんどんきれいになるお客様をこれまでたくさん拝見してきました。また最近では、自分のタイプ以外のものを楽しむためのテクニックを知りたいと言う方も増えてきている印象です。
O:パーソナルカラーが一つのきっかけになるんですね。
三:「センスがある=おしゃれのマスト要素」というイメージが個人的にもあるのですが、それをカバーしてくれるのも、パーソナルカラーや骨格診断だと考えています。理論的に〝似合う〞のコツを押さえておくことは、自分らしい装いを作るための心強いヒントともなります。
O:ご自身が過去にお姉さんから「イエベ春だから」と言われてわずらわしく思っていたときと比べて、今はどうですか?
三:「あなたの言う通りでした、すみません」って感じでしょうか(笑)。思い返すと、当時は大人っぽく見られたくて、メークは濃いブラウンやパープルを使い、洋服も黒が多く、いわゆるコンサバに寄っていた時期もありました。なぜか「キツそう」「派手」なんて言われることもあって。ただ、今はその理由も解決法も理解しています。
O:ご自身も実際に経験されて「イエベ・ブルベ」、今はどう思っていますか?
三:知っていて損はない考え方だと思います。自分らしいスタイルを作るために役立つ指針や軸の一つ。
トレンドは第三者が作るおしゃれのルール、でもパーソナルカラーや骨格は自分のルールです。〝トレンド〟と〝似合うメソッド〟を組み合わせることで、どんな時代にも自分らしい装いを楽しめます。例えるなら、「服のサイズ感」と似たようなものだと考えています。
O:「服のサイズ感」?
三:基本的に自分に合うサイズを軸として、素直にぴったりなものを着てもいいし、たまには大きいサイズを選んでオーバーサイズでハズしてもいい。でも、基本を知ることでおしゃれの幅って広がる。色を制限せず楽しんでいただくためにも、そんな感覚で捉えて頂けたら嬉しいです。
O:おしゃれを縛るものではなく、可能性を広げるためのものなんですね。なんだかちょっとモヤモヤが晴れました!
(掲載の情報はJJ7月号のものです)
撮影/杉本大希(Zecca) ヘア・メーク/Ryo(ROI) マンガ/ミツコ