元TBSアナウンサーで、絵本作家の伊東 楓さんが、atmos千駄ヶ谷にて5月1日〜9日まで、個展『変化の兆し』を開催。2021年2月にTBSを退社後、フリーに転身。同年3月に、詩集『唯一の月』を光文社から出版し、ダイナミックなイラストレーションと力強いフレーズが反響を呼んだ。今回の個展では、新たに描き下ろした15点の原画と、atmosとのオリジナルコラボTシャツが販売される。また、伊東さんオリジナルのペイントが施されたエアジョーダンも展示予定。
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タイトル『変化の兆し』に込められた想い
3月に詩集『唯一の月』を上梓し、それに伴って開催された原画展では、販売した原画が完売するなど大きな反響を呼んだ伊東 楓さん。今回、atomos千駄ヶ谷店で開催される『変化の兆し』に向けて、自らのイラストがプリントされたオリジナルのTシャツを2パターン制作した。
ひとつはatmosに合わせてスニーカーのイラストがバックプリントになったもの。もうひとつは、Tシャツのフロントに『唯一の月』から抜粋されたイラストがプリントされたもので、遠くを見つめる少女と、寄り添うように描かれた2頭の狼が描かれている。なぜこのイラストを選んだのか聞いてみると、
「TBSを退社してからの2カ月、後ろを振り返らず、がむしゃらに前進してきました。会社という後ろ盾がなくなり、一人でどこまで突っ走れるのだろう? と自分はどこまで出来るんだろう? と思いながら活動してきましたが、今は周りで支えてくれる人達のありがたみを改めて感じているんです。そんな今の心境を一番表しているのがこのイラストな気がして、この絵を選びました」と語ってくれた。
この2カ月、「やりたいことが溢れてきて、なにから手をつけようか…。そんな嬉しい悩みを抱えながら過ごしています」という伊東さん。描いている作品には、なにか変化はあるのだろうか。
「初期の作品に比べると、全体的に明るい雰囲気になっていると思います。一番の変化は色ですね。華やかなパステルトーンの色を使うようになったりとか…。最近描いた作品を改めて見て、『今、自分は幸せなんだろうな』と気が付きました」
そう言って笑顔を見せてくれた伊東さんに、もう1枚のTシャツに描かれた手とスニーカーの絵の意味についても聞いてみた。
「単純なんですが…、atmosはスニーカーのセレクトショップなので、スニーカーを描いてみました。今回このTシャツに描いたイラストは、私にとって初めてのクライアントワークだったんです。これまでは好きなものを好きなように描いてきたけれど、このイラストは初めてお題に対して『どんな絵が描けるだろう』と挑戦したもの。個人的に、詩集にも登場する“手のモチーフ”が好きなので、スニーカーを手でちょこっと引っ掛けてた感じにして、『素足で砂浜を歩いてるのかな? 』とか、着てくださる人の空想が広がるといいな〜と思いながら描きました」
また、展示予定のエアジョーダンに直接ペイントするイラストについて聞くと、「アクリル絵具を使うのが初めてなので、実はかなり手こずっています(笑)」と苦笑しつつ、その右腕には水色の絵具が。
「真っ白なジョーダンのスニーカーを見たとき、ビビッと『青に染めなきゃ! 』と思ったんです。この腕の絵具は昨日の夜かな? 今朝も描いてたから今朝かな? 下書きができない一発勝負なので大変なのですが、やっと光が見えてきました」
とホットしたような表情を見せてくれた。
TBSを退社してからこれまで、常に新しい挑戦を続けてきた伊東さん。今回の展示を通して、今いる場所から一歩踏み出した先に広がる世界の素晴らしさを伝えたいと語ってくれた。
「『何もかも捨てて飛び出した伊東 楓がこんなに伸び伸びしてるなら、きっと私だって大丈夫』と、迷ってる誰かを勇気づけられたらと思うんです。この原画展に足を運んでもらったことをきっかけに、沢山の人がご自身の『変化の兆し』を感じ取ってくれたらいいなと願っています」
原画展は5月1日〜9日まで、atmos千駄ヶ谷にて開催。ぜひ足を運んでみてほしい。
【イベント概要】
会場:atmos千駄ヶ谷
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-16-9
会期:5月1日〜5月9日 11:00〜19:00
お問い合わせ先:
アトモス カスタマー
☎︎03-6629-5075
http://www.atmos-tokyo.com
撮影/望月宏樹 取材/可児令奈 編集/岩谷 大