元AKB48総監督、高橋みなみさんが読者のみなさんの悩みに答える連載。今回は、歳の離れた上司との人間関係に悩む読者さんからの相談をピックアップ。10代の頃から多くの大人と接してきた、たかみなさんが思う「年上の人との上手な付き合い方」とは?
※この記事はJJ2017年2月号を再掲載したものです。年齢などはすべて当時のものとなります。
◆たかみなさんがAKB48時代に悩んだこととは…
今月のお悩み
上司や年上の仕事相手に好かれるコツを教えてください! 私は広告代理店に勤めており、仕事はお客様とのお付き合いが大事。上司と一緒に接待に行くことも。おじさん上司やクライアントが多く、今まで歳の離れた方とあまり接したことがない私は、共通の話題も見つからなくて困っています…。仕事はやりがいがあって楽しいので、クライアントさんに「また一緒に仕事をしたい」と思っていただきたいのですが、どうしたらいいでしょうか? (広告代理店勤務 H.Y 24歳)
若さを武器にたくさん質問して知識を得ることを楽しもう!
私は10代の頃から年上の方と接するのが好きなんです。AKB48の総監督時代を含めて、年上の方と会議や打ち合わせをする機会が多いのですが、知識が豊富で話すとおもしろくて! ためになる話が多いんです。だから、自分が知らないことを吸収しよう! と考えるのはどうでしょう?
「せっかくだからこれも聞いてみよう!」とか、「年上の方でも興味を持ってもらえる話を準備していこう!」とか。私たちの年齢だからこそ、恐がらないで聞けることもあるはず。
大人って教えるのが好きな人が多い気がするんです。私は自分から話しかけるほうなので、「これはどういうことですか?」などといろんな話を持ち掛けます。仕事の会話だけではなく、ちょっとした悩み事を打ち明ければ、それが信頼につながることも。おもしろい会話のキャッチボールや、関係を築くために、会話が上手な人から何かヒントを得るのもいいと思います。
何よりも信頼関係を築くことが第一。最初は難しいかもしれないけれど、年上の方でも友達みたいな距離感を築くことが理想です。自分自身のプライベートを出しながら、相手の反応を探って…。ちょっとずつでも距離を縮められれば、これからに期待できると思います。これも私自身が経験から学んだことですが、女性に対しては適度な距離を保って、きちんとコミュニケーションをとるようにしています。女性の感じ方や捉え方は、同性なだけに複雑。人によりますが、「この話は合わないな」と察したら、触れないほうが良さそう。意外とポイントです。
それから「私が、私が」と自分の話ばかりしないことも重要。相手の年齢性別関係なく、会話が冷めてしまうから。周りとのコミュニケーションがきちんととれたら、仕事はぐっとやりやすくなると思います。最初はお互い壁を感じていても、まずは同じラインに立つ努力をして、リスペクトし合えることを目標にしてみてください。
また一緒に仕事がしたいと思ってもらうには…、やっぱり一生懸命努力するのが一番! 頑張りや意気込みを見せられたら、たとえ空回りしていたとしても、その一生懸命な姿は絶対に誰かが気づいてくれるもの。私もこれまでのお仕事で、たくさんの試練と向き合いました。「負けないぞ」っていう姿勢はずっと忘れずにいたからこそ、ここまで来られたと思っています。周りがプロばかりでついていけない、と思うこともありました。100点を出せる人なんていない。その現状を打破して「楽しい!」って心から思えるまで、真剣に頑張ってみることが一番だと思います!
イラスト/よこみねさやか 撮影/玉井俊行 ヘア・メーク/Chisa〈ROI〉 スタイリスト/黒田菜菜子 取材/角田枝里香