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フジ新人アナ・小山内鈴奈が内定を掴むまで「青森から夜行バスで面接に」

今春フジテレビに入社した3名の新人女性アナウンサーに、就活について深堀りしてインタビューしていくこの企画。初回は、選考ごとに青森から深夜バスに8時間揺られて上京していたという、小山内鈴奈アナウンサーが登場。アナウンサーを志望するみなさんの気になる情報が盛り沢山です。

インターン不参加でも内定を獲得!

Q. 小山内アナウンサーは青森県出身で、地元の大学に通っていましたよね。都心の大学に通う学生よりもインターンや面接に参加するハードルは高かったと思うのですが、どのように就活をスタートさせたのですか?

アナウンサーという職業に関心を持ったのは、大学3年生の6月頃でした。仙台で行われた、企業合同のインターンシップ説明会で、テレビ局の説明会にまずは参加したんです。そのときは新人アナウンサーの方が2人いらっしゃっていて、企業の全体説明が終わったあとに、個別でアナウンサーの職業や入社試験についてお話を伺いました。

説明会後、お二人にアナウンサー職へのエントリーを考えていることを伝えると、「本当に素敵な職業だから頑張って」と前向きな言葉をかけていただいて、そこでアナウンサーを受ける決意ができました。

アナウンサーを目指すのであれば夢は大きく、キー局を! と意気込んでみたものの、既にキー局のインターンシップは募集を終了していて…。そこで、青森や仙台、宮城など地方局のインターンシップに参加しました。

アナウンサーを目指したのは母の助言がきっかけ

Q. そもそもアナウンサーを志したきっかけはなんだったのでしょうか?

大学3年生の4月に、母からアナウンサーを勧められたのがきっかけです。先ほどお話ししたインターンシップの合同説明会も、「テレビ局が出展しているから見てきたら」という母からの情報で参加したものでした。説明会に参加して実際にアナウンサーの方々とお話しをさせていただき、本気でアナウンサーを目指すことを決意しました。

小中高と放送委員会や放送部に所属していて、今思えばマイクに自分の声が乗ることに憧れがあったのかもしれません。アナウンサーを志望する以前は、理系の学部だったこともあって、医療従事者や医療系の研究職に就きたいと考えていました。

地元の話で大盛り上がり! “地方出身”が強みに

Q. アナウンサー就活時の自己PRの内容を教えてください

エントリーシートの自己PRには、理系出身であることやゲームが好きだということを書いていました。例えば、「私はゲームをするなかで、どうしたら効率的にレベルアップできるか、どういうスキルを使えば敵を倒せるかについて考え抜く力があります」という感じです。そんなふうに、日常のエピソードを使ってPRできることを見つけるようにしていました。

自己PRってどうしてもスケールの大きい話をしがちだと思うのですが、そのエピソードを通じて普段の自分が透けて見えるような、背伸びしないリアル感を大切にしていました。

フジテレビの面接では、青森から夜行バスで試験に通っている話など、青森に関する話題で盛り上がりすぎて、準備していた自己PRを披露するに至らなかったのですが…(笑)。夜行バスに8時間揺られて面接に通っていることや、夜行バスが早朝に東京に到着したあとは時間を潰すために漫画喫茶にいたことを話して盛り上がりました。

面接は初めのつかみが大切だと思っていたので、自己紹介に青森弁を織り交ぜて、「青森出身の子」という印象だけでも残せるようにしていていました。例えば、「青森から来ました、小山内鈴奈です。(←青森弁)今日は一生懸命頑張ります、よろしくお願いいたします(←標準語)」という感じです(笑)。カメラテストや面接で自己紹介に割ける時間はそんなに長くはないと思うので、一言目にインパクトがないと少し弱いかなと思い、行き着いたのが“方言での自己紹介”でした。面接では、必ずひと笑い取れたらいいなぁと思っていました。

ES写真は家族や友人に撮ってもらった方が盛れるかも!?

Q. エントリーシートと共に提出した、証明写真を見せてください

東京にはアナウンサー就活専用コースを用意している写真館などもありますが、残念ながら私の地元、青森には存在せず…。ありのままの私を見て欲しいと思い、母に撮影してもらった写真を提出しました。爽やかに見えるかと思い選んだ、白のブラウスと水色のワンピースを着て、図書館脇の緑の多いなんてことない場所で撮影したものです。アナウンサー就活の写真は、メイクや服装、撮影場所などの指定がないからこそ悩みました。たくさん写真を撮って家族や友人に意見をもらい、最終的に提出する1枚を決めたのですが、母に撮影してもらったからこそ、より自然な表情の自分を見せられたのかもしれません。

Q. ご自身のなかで、採用につながった理由などを考えたことはありますか?

キー局のアナウンサーになれるのは有名私大のミスコン出身者というイメージが強くて、毎回「私が通るわけない」と思いながら試験に臨んでいました。今でも答えは出ていなくて、「なぜ私はここにいるのだろう」と正直思っています(笑)。私は特段話が上手いわけでも、コミュニケーション能力が高いというわけでもないので、面接官には聞く力を見ていただけたのかな…と。これまでの人生で友達といても聞き役になることが圧倒的に多く、人の話を聞いて、深掘りしていく作業が好きでした。アナウンサーの素養に通ずるものとすれば、聞く姿勢でしょうか。

軽部アナから「僕のこと、知っていますか?」と聞かれて顔面蒼白(笑)

Q. 地域によっては放送されている番組が違うと思うのですが、そのあたりが採用に影響したり、不利になったことはありませんでしたか?

青森県では『めざましテレビ』が放送されていないので、友人に数日間分の放送を録画してもらい、番組の魅力を面接で語ったことがありました。そこで軽部さんから、「僕のこと、知っていますか?」と聞かれたときは「本当にどうしよう…、この方も『めざましテレビ』に出演していたんだ!」と背筋が凍りつきました(笑)。「実は僕も出演しているんですよ」と軽部さんに言われたときは、「すみません、永島優美アナウンサーしか見ていなかったです」と苦しい謝罪をしました(笑)。

実際に地方だと放送されていない番組もあるので不利に思える場面もありますが、逆に「友人に頼んでDVDに録画してもらいました」という話をして、その番組を観るための努力、会社への想いを伝えることもできるので、マイナス面ばかりでもないと思います。

Q. 夢だったアナウンサーに実際になってみて、どうですか? 今後、どんなアナウンサーになっていきたいでしょうか

面接では、人の話を聞くことが好きなので、インタビューなどで色々な話を聞いて、そこで知ったことを世界に発信できるアナウンサーになりたい、と話していました。実際アナウンサーになってみると、聞くことの難しさを改めて実感しています。先日、インタビューの研修があったのですが、タメになる情報を引き出す質問を考えるのは想像以上に難しくて…。知識のないカテゴリーでも勉強して、それをわかりやすく伝えられるアナウンサーになりたいです。

Q. 最後に、アナウンサーを目指している就活生の皆さんにアドバイスをお願いします!

終始準備不足で内定をいただけたこと自体が奇跡だと思っている私ですが、自分と向き合い、自分だけが持っている武器を知ることが大切です。

その武器は、私のようにゲームが好き、ということでもいいですし、自分はこういう人だということを見つけることが大切だと思います。自分では普通だと思っていたことが、実は周りの人から見ると特別なことだったりするので、積極的にコミュニケーションを取るのもひとつの手かもしれません。

私の場合、地方出身ということも大きな武器になったので「自分の地元について勉強しておくこと」をオススメします。就活中は周りと比べて自信を失くしたり、結果に一喜一憂することも多いと思いますが、程よく自分で自分を甘やかしながら就活を乗り越えてください。私もアナウンサーとして一人前になれるように頑張ります!

次回は竹俣 紅アナウンサーのインタビューを公開します。お楽しみに!

撮影/佐々木大輔<SIGNO> ヘアメイク/RYO<ROI> 取材/大塚悠貴 編集/岩谷 大

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