世界最高峰のアクションスポーツの国際竸技会「X Games」(エックスゲームズ)が今年も千葉「ZOZOマリンスタジアム」で開催決定! 5月12日(金)、13日(土)、14日(日)の3日間にわたっておこなわれる大会では、日本はもとより、全世界から集まったスケートボード、BMX、Moto Xの選りすぐりのアスリートたちの圧巻のパフォーマンスを間近に見ることができます。
3月2日におこなわれた記者会見には、東京オリンピックのスケートボード女子パークの金メダリストである四十住さくらをはじめ、西矢椛、中村輪夢、佐々木元、白井空良、芝田モトら、出場決定の6選手が登場し、大会に向けた意気込みを語りました。
「X Games」とは?
1995年にアメリカで始まった世界最大のアクションスポーツの国際竸技会で、これまでに世界13カ国で累計600万人以上を熱狂させてきました。夏季はスケートボード、BMX、Moto X。冬季はスキーとスノーボードのトップアスリートたちが世界最高のテクニックを競います。
競技のポイントと出場6選手のコメント
中村輪夢(なかむらりむ)選手(BMXパーク)
そもそもBMXとは、1970年代初頭にアメリカ西海岸を中心に始まったとされている自転車スポーツ。子供たちがオートバイのモトクロススターに憧れ、20インチの自転車を乗り回したことが原点になっているそうです。パークの魅力は、さまざまなサイズのジャンプ台を使い、縦回転のバックフリップ、横回転の360、自転車だけを回転させるテールウィップ、ハンドルを回すバースピンなどの技を組み合わせて、高難度の技を繰り出していきます。東京オリンピックから正式種目として実施されたことも記憶に残っている人は多いでしょう。
中村輪夢選手は、元BMXライダーの父親の影響で、2歳からBMXを始めたというアスリート。「輪夢」という名前は、自転車の車輪の部品「リム」から名付けられたと言います。東京五輪では5位入賞。2022年におこなわれた全日本選手権では優勝をするなど、日本のBMXパークを牽引する選手です。
技のオリジナリティにも注目してほしい(中村選手)
まずはXGamesが日本でやるというのが嬉しいです。昨年のX Games Chibaでは1本目ドロップインでミスるという世界で初めての奇跡を起こしたので、今年こそという気持ちです(笑)。プレッシャーを抱えないようにリラックスして頑張りたいと思います。世界的に技の難易度はどんどん上がっていると思うのですが、技のオリジナリティも出していけるように頑張りたいと思います。
佐々木元(ささきもと)選手(BMXフラットランド)
同じBMXでもフラットランドは、平らな場所で自転車とともに回転したり、タイヤの上でバランスをとったりというトリックの芸術性を競う競技です。フラットランドで使用される自転車には、前後輪の両側に、足を載せるペグというパーツがつけられていたり、後輪がペダルと連動しないようになっているなど特別仕様になっています。
佐々木元選手は、全日本選手権最多16勝を誇り、2010年、11年にはBMX界でもっとも権威のあるアワード“NORA CUP”をアジア人初の2年連続で受賞した日本のフラットランド第一人者です。昨年のX Games Chibaでも3位に輝くなど、今大会での活躍が期待されています。
「人生かけて戦っているぞ」という気持ちになれる舞台(佐々木選手)
昨年のX Games ChibaでBMXフラットランドは19年ぶりの復活。ずっと夢見ていた舞台にようやく立てました。自分は地元が千葉なので、「人生かけて戦っているぞ」という気持ちになれる舞台でしたね。競技を始めて20年。世界大会に行っているなかで、地元開催の大会ということで気合いの入り方が違いました。ふだんは応援に来られない家族、子供にも初めて見せられたのが嬉しかったし、いつもはネットで見ているファンの方々にも生で見てもらえる機会でしたし。20年の中でもいちばん練習したのが去年のX Gamesでした。昨年果たせなかったこと(優勝)に向けて、今年再チャレンジできるのが嬉しいですね。
白井空良(しらいそら)選手(男子スケートボードストリート)
スケートボードは、1940年代ごろにアメリカで誕生。ファッションや音楽と結びついて、人気を世界的に拡大していきました。ストリートは、街の風景を再現したコースでおこなわれる競技で、階段や手すり、スロープなどがコース内に設けられています。手すりにデッキ(ボードの板部分)を直接当てながら滑るスライドや、デッキと車輪をつなぐ金属部分を当てながら滑るグラインドなど、華麗なトリックが見どころになっています。
白井空良選手は、段差をまたぐようにボードを180度回転させた後、前方の車軸で滑る「空良グラインド」というオリジナルの大技を披露し、2019年11月の国際大会で初優勝。一躍、トップスケートボーダーとして注目されました。2020年に左ひざ前十字じん帯を断裂する怪我をしましたが、手術やリハビリを経て復活。東京五輪にも出場しました。昨年のX Games Chibaでは3位に輝いた折り紙つきの実力を持つ注目選手です。
今回は優勝できたらいいなって思います(白井選手)
X Gamesは世界のトップの人たちが集まる大会ということで、小さいころからの夢の舞台。昨年はそれが千葉開催。それだけでもすごいことなのに、そこに自分も呼んでもらえるなんて本当に嬉しかった。その上、メダルも取れたので、自分の中でも特別な時間でしたね。今年もまた呼んでもらえて嬉しいですし、前回は3位だったので、今回は優勝できたらいいなって思います。
芝田モト(しばたもと)選手(男子スケートボードバート)
スケートボード競技のバートとは、「バーチカル(垂直)」に近いランプ(スノーボードでいうハーフパイプのようなセクション)を往復しながらトリックを競う競技です。高く空中に飛び出して回転をするなどの派手なトリックが見どころになっています。
芝田モト選手は、13歳でプロになり、2009年から数々の世界大会で活躍。2016年にアメリカで開催されたX Gamesで2位となり日本人で初のメダルを獲得、翌年には優勝を果たすなど、バートのトップ選手として活躍をしています。昨年のX Games Chibaでは2位になり銀メダルを獲得しました。地元大阪では家族でスケートショップを経営しており、地元のスケートボードシーンを支える存在でもあります。
現場で滑るのが待ちきれないって感じです(芝田選手)
昨年、日本でX Gamesができたことはホンマにすごかったし、影響力をすごく感じました。今年は、昨年より近くで試合を見られるようになるので、間違いなく盛り上がるんじゃないかなと期待しています。昨年の千葉大会は、母国ならではの温かい応援があって、僕自身モチベーションが上がったりとか、特別な感じでしたね。完成度がいい感じに上がって来ていますし、今年の千葉ではもっとカッコよく見せられるんじゃないかなと思っています。現場で滑るのが待ちきれないって感じですね。
西矢椛(にしやもみじ)選手(女子スケートボードストリート)
西矢椛選手は、東京五輪の初代金メダリストであり、女子スケートボードストリートを日本中に広めた選手と言えます。「13歳、真夏の大冒険!」という実況は記憶に新しいでしょう。昨年のX Games Chibaには体調不良で出場できなかったものの、同年のX games Southern Californiaには出場し、優勝を果たすなど、調子は上々。今大会でも優勝が期待されています。
昨年出られなかった分、思いっきり滑りたい(西矢選手)
昨年は体調不良で出られなかったので、会場で見学していたのですが、見ているとやっぱり出たいなと思いました。今年のコースはまだ発表されていないんですけど、どんなことをやろうかというのは考えています。(X Gamesは採点方式にベストトリックが入らないが)ベストトリックよりランの方が好きなので楽しみたい。昨年出られなかった分、今年は思いっきり滑りたいと思います。
四十住さくら(よそずみさくら)選手(女子スケートボードパーク)
スケートボードパークは、地面を大きくくり抜いたようなデコボコした坂や曲面などで構成されたコースでおこなわれます。スピードをつけて坂を滑り上がり、空に飛び立つような「エア・トリック」が見どころ。デッキを掴んだり、空中で回転したりと繰り出される技の難易度が勝敗を左右します。
四十住さくら選手は、東京五輪女子パークの初代金メダリスト。和歌山県出身で、いまも地元を拠点に活躍しています。昨年のX Games Chibaでは優勝を果たし、今大会では2連覇をかけて大技に挑みます。
540を本番でメイクして、2連覇したい(四十住選手)
昨年はすごく練習を頑張ってきたので、優勝できて、みんなに恩返しができたかなと思いました。大会の日がお母さんの誕生日だったので、本当に金メダルを取ることができてよかったです。会場のスクリーンにお母さんが映っていたようなんですけど、全然わからなかったです(笑)。お母さんからはおめでとうという言葉をもらいました。今年は苦手な540を本番でメイクして、2連覇できたらいいなと思います。
東京五輪以来、国内のアーバンスポーツへの関心は高まるばかり! 全国各地にスケートボードができる施設が増えるなど、身近な競技になりつつあります。こうしたトレンドの最先端であるX Gamesを国内で見られるのは、貴重な機会です。大迫力のパフォーマンスを是非、その目でご覧になってみてはいかがでしょうか?
開催概要
『X Games Chiba 2023』
日程
5月12日(金)予選日(一般へのチケット販売はなし)
5月13日(土)開場 11:00/閉場 21:00 ※予定
5月14日(日)開場 10:00/閉場 17:00 ※予定
場所:ZOZO マリンスタジアム(千葉県)
チケットはイープラス、ローソンチケット、チケットぴあ、日テレゼロチケで発売中