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ExWHYZ mayuの「日々、ぼやき。」#23 おばけより人生の方が怖い

©Takuya Iioka/光文社

4人組ガールズグループExWHYZ(イクスワイズ)のメンバー・mayuさんのエッセイ連載の第23回。ラジオ番組での「リスナーお悩み相談」が核心を突きすぎる……と高いコメント力で話題の彼女が、JJ世代の一女性として等身大の“もやもや”を赤裸々に綴ります。不意に訪れる夏の終わりの夜の、お話。

先日、遠征先のホテルの1人部屋で少し怖い思いをしました。

わたしは霊感などは無いと思っている人間ですが(オカルトっぽい話は聞く分には楽しいですが、そこまで実感がないのでファンタジーだと思っているほうです)、まあ、そういう体験(?)が一切ないかと言われると嘘になります。

本当に何年かに1度「あらまあ」と思うことがあります。まあそれでも信じる信じないの話で言えば、信じないほうです。考えたり感じたりすることを増やしたくないからです。

その日はライブを終え、移動した先のホテルで何時間か空白の時間を過ごしました(疲れるとこれが起こります、何をしていたかと言われると本当に何もしてないです)。

翌日にライブも控えていたので、お風呂に入り寝支度を終え、部屋の電気も全て消し、ベッドに横になりました。

「眠れるかなぁ……」と思っていたら、ベッドの下からなにやら気配を感じました。

だいたいそういう時は気のせいだということにするのですが、なんというか、何回も自分以外の何かの動きを感じるんです。

ひょ、ひょえ~~~。

でもここ最近、神経が過敏になってる感覚があったので多分そういうことだろうな(感じすぎている)と思い、自分以外の何かの存在に対する恐怖より、なんとなく「思いつくことをやったらきっと気が済んで落ち着くだろう、自分の感覚の問題だろう」と思いました。

なので、とりあえず寝ている状態で「わたしの睡眠を邪魔するな」という意思を込めて足をベッドに強く叩きつけてみました。

そうしたら、一時的に動きが静まったような気がしました。

なので、改めて眠ろうと思い、気持ちを整えて眠ろうとしたところ、

視界の右斜め上を何か(バレーボールくらいのサイズ感のような気がした)が通過していくような感覚がありました。

その他にもベッドから少し起き上がった時の目線の左斜め前、3m先くらいに何か浮遊しているような気がしたりもしました。

気がしただけね。

さすがに嫌な気持ちになってきて、他のメンバーの部屋に行こうと思いました。

ですが、時間もかなり遅かったしライブ後で疲れているし時間的にも寝ているはず、というか寝ていてほしい。

このタイミングで電話に出て、事情を理解して受け入れて一緒にベッドで寝るのはきっとストレスになるだろうし。

なので一番ストレスにならなそうな人に電話をかけよう、と思いました。

mikinaちゃんはすごい気を遣ってくれて優しくしてくれて睡眠時間を削ってしまいそうだし
yu-ki
は怖がらせてしまいそう、彼女も過敏で繊細な部分があるので、明日に響かせてしまいそうだし
maho
ちゃんは色々把握した上で関係なく横でぐーぐー寝てくれそう!と思い(メンバーの中で今まで1番同じベッドで寝たことが多いし)、mahoちゃんに電話をかけることにした。
期待はしてません。時間帯が悪すぎる。

結果、出ませんでした!!!

そりゃそう。出なくてよかったよ。

そんなわけで、腹を括る事を決意したわたしは、全ての電気をつけ「もう気にせず寝ますからね!!!!!!」という気持ちを込めて部屋中をとにかく睨みつけました。

そして無事に入眠に成功しました☆

そんなことがあったわけだけど、以前のわたしと比べたら誰かに頼ることが選択肢に入っていることに成長を感じました。

一連の流れを見ているとほとんどビビってない自分がいるけど、本当は泣いてしまいそうなくらい不安だったし、誰かに上手く頼れない自分がいて、だから基本自分で立ち向かうしかない!ってなることに気が付きました。

人に甘えたりするのが苦手だから、強気に見せたり、強くならなきゃいけない部分もあったなあと思いました。

でも、翌日のライブのMCでメンバーにその事を話したら「いつでも電話してきていいよ」って言ってくれたし、

ここ最近少しナーバスになっていて、常に涙を堪えるのに必死で(泣いたり、落ち込んでる自分を見せたら士気が下がるよなと思い)少しでも自分の心が振れたら涙が出てしまいそうだから全てのことへの反応が鈍くなったり、人が何人もいる場所にいられなくて外に出てしまったり、そういう自分が周りに申し訳なく思ったりして、

で、それを言わずにその振る舞いをしているのは勘違いを生むかもしれないと思い、楽屋で「もう今は涙を堪えるのに精一杯でみんなと同じようにできなくてごめんね」と言ったら、心が振れちゃうから案の定涙が出てきてしまいました。色々優しく声かけてくれた。

要するに「まあ今のままで大丈夫だし、うちらのことは気にすんな」ってかんじだった。

ありがとうね。

頼るのってこれで合ってるのかな?

わかんねぇ、むずかしいよー。

わがままや甘えたこと言わない自分じゃないと人から容認されないような気がしていたけど!!!

日々練習です。

元来、自分は弱い人間であるということを忘れたくないというか、それもちゃんと大切にしたいと思いました。

©mayu/WACK、光文社

profile/mayu (ExWHYZ)

「EMPiRE」の結成メンバーとして活動をスタート。同グループは2022年6月に突如解散し、同じメンバーで「ExWHYZ(イクスワイズ)」を結成。2023年5月には、所属事務所・WACKのグループとしては初となる日本武道館ワンマンライブを開催し、成功させる。作詞や振り付け、チームのまとめ役を担い、また個人としても、冠ラジオ番組にコンビニご飯のコラム執筆など、マルチに活躍。
7月30日に1stシングル「iD」をリリース、8月2日にLINE CUBE SHIBUYAでおこなったExWHYZ活動3周年記念ワンマン公演「ExWHYZ 3rd Anniversary Special Live ‘Our Step→Future’」のチケットは即日完売! 9月20日より全国15都市を巡る「ExWHYZ TOUR 2025 ‘Wide Open’」を開催する。
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photo/Takuya Iioka
styling/Erika Abe
hair & maku-up/Yuri Ikeda[éclat] 

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