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ExWHYZ mayuの「日々、ぼやき。」#27 死ぬまでにあと何回生まれ変わるんだろうか

©Takuya Iioka/光文社

4人組ガールズグループExWHYZ(イクスワイズ)のメンバー・mayuさんのエッセイ連載の第27回。ラジオ番組での「リスナーお悩み相談」が核心を突きすぎる……と高いコメント力で話題の彼女が、JJ世代の一女性として等身大の“もやもや”を赤裸々に綴ります。ぜひ、書き出してみてください。

最近、価値観がずいぶんと変わってしまいました。しまいました、というと「惜しい」みたいな表現になるけど、自分的には「ラクになった」というかんじです。

でも、自分が「ラクになった」と感じることは、周囲の人間にとっては「迷惑」なのではないか? という思いのクセが今はまだ抜けないので、不本意なのですが……という顔をしておこうと思いしまいましたと書きました。ここまで書いているんだから、もうその顔しなくていいんだけど。

突然、ガラリと変わったわけではないです。多分2年前くらいから変化は始まってたような気がします。迷って混乱して不安定な日々でした。

相反する衝動がずっと自分の中に強く強く存在していて、その2つに引き裂かれるような感覚の中で生きていたから、多分こんなに疲れてる。元々弱い部分をさらに拗らせて病気も悪くした。だけど、その疲れともやっとおさらばできそうな気がしている最近です。

なので、

・今までの自分の中にあった価値観
・その中で生まれた感覚
・価値観と感覚が合わないことの問題点
・それらを統一させていくにあたってしたこと
・価値観と感覚が統一されて感じたこと

について書き記してみようかと思います。

 

今まで自分の中にあった価値観

①常に一生懸命(一定で)やらなければ怒られる
 これに関しては、これで得られる信頼もあると思う。しかしそれで得た信頼関係においては、常にこの姿勢であることを求められるため非常に疲れるし、そもそもこうなる理由が「恐れ」からくるものであるからものすごく削られる。そしてこれを周りに強要してしまう瞬間もある。

②常に正確でなければならない
 わからない顔が出来ない。生まれてからずっとわからない顔が苦手だった。なぜかはわからない。だからいつも周りの状態を確認し、滞りは無いか、質問されたらすぐに答えられるか、いつもアンテナを張り続けなければいけない。ただ、普通に信頼されることもある。

NOと言ったら関わりを断たれる
 自分から線を引くことが出来ないので、苦しくてもあらゆることを自分がボロボロになる・倒れるまでやるしかなくなる。自分の気持ちで決断ができない。

④一度言ったことを曲げてはいけない
 自分の一挙手一投足に対して、筋が通っているかどうかを監視し、批判する自分が存在するようになり、一つ一つの行動のカロリーがめちゃくちゃ高くなる。規則も厳しくなっていく。

これらの価値観でいることがダメ、なんじゃなくて、このままでは自分の人生に自分自身が責任を持つことが出来なくなるんじゃないか? と思い始めた。責任を持てないと自由にはなれないと思う。


その中で生まれた感覚

・「わたしだけなんでこんなに動いているんだろう」「いつもわたしばかりじゃないか」という被害者意識を持ってしまう時があること(そんなものを持っても良いことなんてないし、自分だけなわけないとわかっているので、これを思う自分に対しても批判的になってしまって苦しい。こう思ってしまうのは疲れる動き方をしているからだから、ただ動き方を変えればいいんだけど。)

・調子の波

・やりたくないと思う気持ち

・ただただ削られていく感覚

・とてつもない疲労感

・怒り

・恐怖心(気を抜いたら自分が間違えるんじゃないかといつも怯える)

・身体と心がバラバラになっていく感覚

実際、こう感じることがあったとしてもやらなければいけないという思いが強いのでこれらの感情に対して「こんな風に思ってしまう自分は情けない、弱い人間である」と思ってしまって苦しかった。そしてそれを自覚しないために感覚に蓋をし続けていくと感覚がどんどん鈍っていって、常に自分の身体が世界から切り離されている感覚になっていった。


価値観と感覚が合わないことの問題点

・相違しているどちらの自分も運用していくために、使う気力と思考が2倍になって疲れる

・そもそもその状態がめちゃくちゃ不快

・言うことを聞かない自分を批判するようになってストレスが増える

頭で考えた答え(価値観)と、実際自分の心と身体が出す答え(感覚)が違うので常にどちらをとるべきかを考えなければならず、やるべきことが増えてキャパオーバーになっていった。


それらを統一させていくにあたってしたこと

【価値観に対して】

・自分が強く思うことや頭の中で出来上がる理論を紙に書き出して、社会的な自分が、何をポリシーにしているのかを可視化させるようにした

・嫌悪感を覚えたことについても書き記した(上と同じで自分が嫌だと思うこと=自分のポリシーに反していること だと思ったから)

・価値観が変わったときに変わる行動、それによって失うこと、そしてそれが本当に恐ろしいことなのか考えた

コミュニティーに属している自分の目線や軸がどこにあるのかを明確にしたかった。

【感覚に対して】

・自分が本当にしたいこと、自分にとっての幸せとは何かを感じ取る(わたしは感覚を後回しにしがちだったので、まずは見逃さないことから意識した)

・情けない、恥ずかしい、消したい、と思う感情や感覚ほど忘れないために紙に書いた(いつか認めたい部分だと思ったから)

・不健康な方に進んでいるときに「それは不健康な方に進んでるよ」ということを伝えてくれるけど、否定せずに話を聞いてくれる人に自分の気持ちを話すようにした(安全な環境。カウンセラーさんだったり、仲の良い人)

一人の人間としての自分の目線を尊重して、どこであっても安心して自分の気持ちを出せるようになりたかった。

2つの自分の輪郭を把握して、どっちも大切にした上で、今の自分にとって心地良い選択をすれば良いと思った。本当に何をどうしたって良いのだ。

それをする中で、自分が人と人の間で自分を確立させるためにつくりあげた価値観は、今まで生きるために必要なものだった(幼少期は特に)けど、今の自分にはマッチしなくなってきたんだと思った。


価値観と感覚が統一されて感じたこと

・空が綺麗だと思った
 ちょっとしたことにホッとできるようになった。

・安心して眠れるようになった
「ま、今日のわたしはこの辺までか」と切り替えられるようになってきた(これはまだ練習中だけど)。

・他人のことがあまり気にならなくなった
 自分が何かをすることで他人がどう思うのか、過剰に気にしなくても大丈夫と思えるようになってきた。余裕があるときに気を遣えばいいだけ。

・オンオフが切り替えられるようになった
 今までのわたしは仕事での自分が24時間365日稼働していたのですが、仕事での自分と家での自分をどっちも大切に思えるようになった(それで良いと思えるようになった)。どっちもないと、どっちも中途半端になるって思った。

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なんかまあこんな感じで色々試したり繰り返しながら、自分と他人の境界線がどこにあるのかを探りました。だいたいのことはどう見るか、どう捉えるか、で心の持ちようも次の動きも変わると思うので、今自分に見えてることと感じてることは、誰の?どこの?と問う日々でした。

その中で幸せになって、ラクになっても良いんだよって自分に許可を出しながら、それでどれを選ぶ? って考えてました。

わたしは今まで、自分ではない誰かの目線を優先させることが多かったように思うので、自分自身がどうしたいと思ってるのかを把握するのも、それを育てていくのもまだ練習中です。今はきっかけが掴めたくらいの段階です。

考え方のクセって本当に強固なもので、囚われることが悪!とは思わないのですが(それによって律することのできる自分もいるから)、苦しい考え方で生きることがしんどくなるくらいなら手放しても良いんだよと思います。手放さないことも自由だけど。

どっちが良いかな?って考えたときに、やっぱり結局死なないことが一番だって思うだけでした。

 

本当になんでも良いんだよ。自分のことを誰がどのように評価して、求められたとしても。

©mayu/WACK、光文社

profile/mayu (ExWHYZ)

EMPiRE結成メンバーとして活動をスタートし、2022年にExWHYZ(イクスワイズ)を結成。2023年5月には所属事務所WACKのグループ初となる日本武道館ワンマンライブを開催、成功させる。作詞や振り付け、チームの精神的支柱を担う。2025年8月にLINE CUBE SHIBUYAで開催したExWHYZ活動3周年記念ワンマン公演「ExWHYZ 3rd Anniversary Special Live ‘Our Step→Future’」のチケットは即日完売。現在、全国15都市を巡る「ExWHYZ TOUR 2025 ‘Wide Open’」を開催中。
12月10日にDONGROSSO提供楽曲を収録した2nd シングル「DON’T CRY」をリリースしたばかり。12月27日にはKanadevia Hall (旧TOKYO DOME CITY HALL)にて、3周年ファイナルおよび “2025年大忘年会” の打ち出しでスペシャルライブ『ExWHYZ Special Live ‘Ⅰ’ -3rd Anniversary Final & Year End Party-』を開催。開設したてのTikTok個人アカウントも日々更新中。

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photo/Takuya Iioka
styling/Erika Abe
hair & maku-up/Yuri Ikeda[éclat] 

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