コラム

【JJドラマ部】最終回まで観たい! 2026年冬ドラマベスト5【ネタバレあり】

「リブート」(TBS)公式ホームページより

冬ドラマもいよいよ折り返し。40本近い作品の中から「最後まで見届けたい!」と思える作品はどれ? ドラマオタクのコラムニスト小林久乃と元JJ編集長イマイズミがそれぞれ選んだ激推しの5本を語り尽くします。

【コラムニスト小林久乃のベスト5】
①『冬のなんかさ、春のなんかね』(水曜22時/日本テレビ系)
②『テミスの不確かな法廷』(火曜 22時/NHK総合)
③『京都人の密かな愉しみ Rouge 継承』(日曜22時/NHK BS)
④『ラムネモンキー』(水曜22時/フジテレビ系)
⑤『パンチドランク・ウーマン -脱獄まであと××日-』(日曜22時30分/日本テレビ系)

【元JJ編集長イマイズミのベスト5】
①『テミスの不確かな法廷』
②『リブート』(日曜21時/TBS系)
③『再会〜Silent Truth〜』
④『冬のなんかさ、春のなんかね』
⑤『探偵さん、リュック開いてますよ』(金曜23時15分/テレビ朝日系)

年の差22歳のラブサスペンスと超脱力系探偵ドラマがランクイン

元JJ編集長イマイズミ(以下、イマ)前回の対談で「面白い」と予想した作品の顔ぶれ、私はほぼ変わらなかったんですが、小林さんはだいぶランキングが動きましたね。

コラムニスト小林久乃(以下、小林):5位に入れた『パンチドランク・ウーマン -脱獄まであと××日-』は完全にノーマークでした。真面目に生きてきた女性刑務官・冬木こずえ(篠原涼子)が、父親殺害の容疑で拘置所に移送されてきた日下怜治(ジェシー)と出会ったことで人生を狂わせていくラブサスペンスです。

イマ:初回は、ふたりが脱獄してオープンカーで逃走する場面から始まりましたね。実話に着想を得ているというドラマで、『ジェイルブレイク:愛の逃避行』(2024年/Netflix)としてドキュメンタリー化もされています。

小林:年下男子とどうにかなるドラマに弱い私ですが、篠原涼子はこのジャンルの代表格。30代では『anego』(2005年/日本テレビ系)、『ラスト♡シンデレラ』(2013年/フジテレビ系)、40代では『金魚妻』(2022年/Netflix)ときて、今回は22歳年下との恋。

イマ:ほぼ親子差! でも篠原涼子が若いのか、ジェシーが落ち着いているのか、そこまで年齢差を感じさせませんね。

小林:しかも今回のジェシーは本当に色気があります。刑務所内でバックハグとかしちゃうんですよ。

イマ:刑務所でそんなことできるチャンスあります?(笑)

小林:これから脱獄に向けて緊張感が高まっていきますが、私はあくまで“ラブサスペンス”の「ラブ」に注目しています。

イマ:実話では女性刑務官が命を落とす結末ですが、ドラマではどう描くのか楽しみですね。

小林:そして、イマイズミさんは『探偵さん、リュック開いてますよ』を5位に挙げましたね。

イマ:回を重ねるごとに、どんどんゆるくなっていって、もはや無法地帯です。一ノ瀬洋輔(松田龍平)のもとに舞い込む依頼は、どれも解決したのかしていないのか曖昧なままだし、やたらと人が死ぬのに全体のトーンは軽いし。

小林:このドラマのテーマって何なんでしょう? 同じ、松田龍平×沖田修一監督の『0.5の男』(2023年/WOWOW)では、引きこもりの男性が社会と関わることで少しずつ変化していく物語でしたが。

イマ:テーマですか…。あえて言うなら、“松田龍平を愛でるためのドラマ”じゃないでしょうか(笑)。

小林:地底人にFBI、さらには真田十勇士まで出てきて、まるで中二男子の妄想ノートみたいですよね。男性は好きそう。

イマ:いい大人たちが全力で悪ふざけしている感じが、観ていて楽しいんですよ。

小林:ところで、舞台になっている温泉地はどこなんですか?

イマ:メインは長野県の別所温泉ですが、温泉のシーンは神奈川県の湯河原で撮影しているようです。

小林:あの脱力感なのに、ロケは意外と手間がかかってる!

観終わるたびに恋バナがしたくなる、杉咲花×今泉力哉監督のラブストーリー

イマ:私は4位に入れましたが、小林さんは1位に選んだのが『冬のなんかさ、春のなんかね』

小林:このタイトル、みんなちゃんと言えてないですよね。「さ」と「ね」が逆になったりして(笑)。

イマ:このドラマは観終わった後に語りたくなる要素が満載。まず、このテイストを地上波のプライムタイムにやる勇気がすごい!

小林:カット割も驚くほど少ないし、セリフも聞き取れるかどうかギリギリの声量。そして、これといって大した事件も起こらない。

イマ:演技力が確かな俳優じゃないと間が持たないですよね。あとは古着を上手に使ったファッションも話題です。

小林:スタイリストの杉本学子さん、さすがですよね。文菜(杉咲花)が着ていたL.L.Beanのフリースジャケットがフリマアプリで高額で取引されるという反響も。

イマ:そして、一番盛り上がるのは文菜のことをどう思うか。正直、私はめちゃくちゃ苦手です。彼氏がいるのにそれ以外の男と都合よく会う感じとか、機嫌が悪くなるとぷいっと席を立っちゃうところとか、「なんて身勝手な!」って思っちゃいます。

小林:あー、なるほど。私は逆に「こんな女の子になりたかった!」って思います。

イマ:ええええ!?

小林:私が若い頃なんて、どうやって男性に気に入られるかばかり考えてましたけど(笑)、文菜はその時会いたい男に会うし、甘えたり怒ったりと感情を素直に出すし、とにかく自分らしさを崩さない。

イマ:これ、杉咲花が演じてなければ離脱してましたよ…。ドラマの公式HPには、台本を読み終えた成田凌(佐伯ゆきお役)が「文菜はみなさんに愛されますかね?」って今泉監督に聞いたところ「なんの心配もない。大丈夫」って答えたって書いてありましたが、私は半信半疑です。

小林:このドラマは「そもそも人を好きになるってどういうことだっけ?」がテーマですが、最終回を迎えても答えは出ない気がします。

イマ:それがまさに答えなんですかね。文菜だけはやめとけって思うけど、小太郎(岡山天音)には幸せになって欲しい…。

バラエティ豊かなラインナップで次週が楽しみになる3本

イマ:小林さんは4位に『ラムネモンキー』を入れていますね。

小林:最初のほうは「?」でしたけど、だんだん面白くなってきました。中学時代の教師・マチルダこと宮下未散(木竜麻生)の失踪の真相を、吉井雄太(反町隆史)、藤巻肇(大森南朋)、菊原紀介(津田健次郎)の同級生3人が探っていくストーリー。回を追うごとに3人の記憶違いが少しずつ修正されていく展開は、さすが古沢良太脚本だなと。

イマ:現在と過去を行き来する構成もわかりやすいですよね。中学時代を演じる子役3人も好演してます。

小林:80年代ネタの入れ方も自然だし、3人の日常のちょっとしたやり取りも微笑ましい。特に大森南朋の軽妙な芝居が効いています。

イマ:これ、最後はマチルダが登場する流れですかね? 彼女を誰が演じるのかも気になります。

小林:失踪の真相を明かすと同時に、おじさん3人が人生を再スタートするラストでしょうね。それにしても、反町隆史は落ちぶれた役でもやっぱりカッコいい…。

イマ:前回の対談で小林さんは、情けない役での新境地に期待していましたよね。

小林:もうカッコいい反町でいいです(笑)。竹野内豊もずっとカッコいいままだし、いっそ『ビーチボーイズ2026』をやってほしい!

イマ:それは『GTOリバイバル』(2024年/関西テレビ・フジテレビ系)より観たいかも。そして、小林さんが3位に入れた『京都人の密かな愉しみ Rouge 継承』ってBS作品ですよね? 全然知らなかった。

小林:実はもう第3シリーズなんですよ。舞台は京都屈指の老舗和菓子屋・久楽屋晴信。常盤貴子が演じる“京都人の中の京都人“沢藤三八子がパリに去ってから8年、新たなヒロインの三上洛(穂志もえか)がある大きな使命を果たすためにパリから京都にやってくる、というストーリー。

イマ:京都か…修学旅行と仕事以外でほぼ縁がなくて。

小林:えー、もったいない! つい最近も行きましたが、中国からの観光客が減っているので、今は比較的ゆったり巡れますよ。

イマ:京都って、詳しい人と一緒じゃないと楽しめなさそうなイメージがあります。

小林:このドラマは、美しい町並みや風景はもちろん、伝統やしきたり、そして一筋縄ではいかない京都人たちのプライドまで、たっぷり味わえます。

イマ:うう、なんか面倒くさそう。『京都ぎらい』(井上章一/朝日新書)を読んでから、京都コワイ…ってなってしまって。

小林:そういうのもひっくるめて楽しむのが京都です(笑)。

イマ:私は3位に『再会〜Silent Truth〜』を入れましたが、原作も読んだはずなのに全然覚えてなくて、誰が犯人なのか毎回ハラハラしながら観ています。

小林:南良理香子を演じる江口のりこがいいスパイスになっていますね。フジテレビ版『再会』(2012年)では、南良は男性刑事〈南良涼(北村有起哉)〉だったんですよね。これはナイス改変!

イマ:私は断然、竹内涼真推し。『じゃあ、あんたが作ってみろよ』(2025年/TBS系)以降、役者として確変した気がします。万季子(井上真央)に対して抱くほのかな恋心や、同級生への信頼と疑念の間で揺れる感情など、繊細な演技が光っています。

小林:『10DANCE』(2025年/Netflix)では見事なダンスを披露していましたし、4月からミュージカル『奇跡を呼ぶ男』で主演を務めます。なんでもできる子…!

イマ:本来、2時間ドラマでおさまる話なのに連続ドラマにしてもまったくダレないし、むしろ登場人物の心情を丁寧に描いていて、ぐいぐい引き込まれます。結末が気になりすぎて原作を読み返してしまいそう!

大ヒット中の日曜劇場とNHKならではのリーガルドラマに注目

小林:イマイズミさんは『リブート』を2位に入れていましたが、私は毎回「誰が誰を騙してるの?」って疑いながら観るのに、正直ちょっと疲れちゃいました…。

イマ:いやいや、考察系のドラマってそういうものでしょう(笑)。

小林:リブート前の早瀬陸を誰が演じるのか謎でしたが、まさかの松山ケンイチでした。

イマ:同じクールで『テミスの不確かな法廷』の主演も務めているだけにインパクト抜群したね。第1話放送終了後、自身のXで「ゴリラ亮平」っていじったら、鈴木亮平(儀堂歩役)が「誰がゴリラや!」と即レスするやり取りが最高でした。

小林:松ケンといえば、『虎と翼』(2025年/NHK総合)の最終回後に一気見しながら実況していましたよね。Xの使い方が本当に上手い。

イマ:今も『テミス』の宣伝をしながら【リブート犯人はお前だアンケート】も取ってて、とても忙しそう(笑)。でも、このドラマの見どころはやはり鈴木亮平の演技。もともとの悪徳刑事・儀堂と、早瀬がリブートしたあとの儀堂をきっちり演じ分けている。

小林:最近、『娘の命を奪ったヤツを殺すのは罪ですか?』(2025年/関西テレビ・フジテレビ系)や『レプリカ 元妻の復讐』(2025年/テレビ東京系)など、整形して別人になりすますドラマが増えている気がします。

イマ:美容整形の技術が上がっているから、昔より設定にリアリティがあるのかも。早瀬の妻・夏海(山口紗弥加)のリブート後が一香(戸田恵梨香)なんじゃないか疑惑や、誰かが殺されるたびに変わる人物相関図、など考察が止まらない仕掛けが多くて飽きません。

小林:私がいいなと思ったのは、裏社会のダークさや凄みを体現している永瀬廉(冬橋航役)。『おかえりモネ』(2021年/NHK総合)の頃と比べても、着実に演技力が上がっている印象です。

イマ:選挙でちょうど放送が空いたので、流れを整理する意味でも、もう一度見返してみようと思います。

小林:そして、私が2位、イマイズミさんが1位に選んだ『テミスの不確かな法廷』は、スカッと解決するというよりも、せつなさが残るリーガルドラマですね。

イマ:善悪がはっきり対立する構図ではなく、より良い解決を目指して裁判官、検察、弁護士がそれぞれの立場から協力し合う。その描き方が新鮮でした。その中心にいるのが安堂清春(松山ケンイチ)です。

小林:ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)と診断された過去を隠しながら裁判官を務める安堂を、松山ケンイチが見事に演じていますよね。視線の揺れや落ち着かない所作など、細部までリアルです。

イマ:第3話で共演した神経発達症のある俳優たちも「特性の表現がリアルだった」と語っていました。専門家への取材を重ね、セリフや演出にも細心の注意を払っているところが作品の説得力につながっていると思います。

小林:「分からないことを分かっていないと、分からないことは分かりません」という安堂のセリフも強く印象に残っています。

イマ:細かいことにこだわってしまう特性を表すと同時に、裁判官としての姿勢を端的に示した名言ですよね。

小林:もし自分が裁判に立つことになったら、こういう裁判官に担当してほしいなぁ…。

イマ:ちょ、何を言い出すんですか(笑)。これから物語はクライマックスへ。安堂の父であり、最高検察庁次長検事の結城英俊(小木茂光)が絡む元死刑囚の再審請求が焦点になります。

小林:父の前では萎縮してしまう安堂が、裁判官としてどんな判断を下すのか、じっくり見守りたいですね。とはいえ、こちらもオリンピックの影響で放送が2週間空いています。

イマ:放送のあいだに、「テミス×オリンピックスペシャルコラボ」とか「がんばれ小野崎!喜怒哀楽全盛集」など、さまざまな動画コンテンツを公式XやHPで公開してるので、それを観ながら待ちたいと思います!

小林久乃(こばやし・ひさの)コラムニスト、編集者。正々堂々の独身。中学生から地上波ドラマを愛して30年以上、筋金入りのオタク。好きが高じてついには『ベスト・オブ・平成ドラマ!』(青春出版社刊)を上梓した。ラブストーリーが好きで、特に禁断の恋がテーマとなると視聴熱が俄然、盛り上がる。公式HPはhttps://hisano-kobayashi.themedia.jp

元JJ編集長イマイズミ 女性誌『CLASSY.』『JJ』の編集長を歴任。1クールの地上波ドラマを全録画するようになったのは、編集長になった13年ほど前から。「仕事で新しい俳優、タレントさんを覚えるため」というのが理由だったけど、見事に大ハマり。ホームドラマとラブコメ好き。韓国ドラマもやや中毒。

イラスト/lala nitta

 

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