コラム

【JJドラマ部】オタクが選んだ絶対面白い2026年春ドラマBEST5

『銀河の一票』(関西テレビ・フジテレビ系)公式ホームページより

2026年春ドラマ、いよいよ開幕! 今クールも話題作がひしめく中、無類のドラマ好きのコラムニスト小林久乃と元JJ編集長イマイズミが、オタク目線で「これは来る!」と厳選した作品をご紹介します。

【コラムニスト小林が選ぶ5本】
『銀河の一票』(月曜22時/関西テレビ・フジテレビ系)4月20日スタート
『田鎖ブラザーズ』(金曜22時/TBS系)4月17日スタート
『時すでにおスシ!?』(火曜22時/TBS系)
『サバ缶、宇宙へ行く』(月曜21時/フジテレビ系)4月13日スタート
『今夜、秘密のキッチンで』(木曜22時/フジテレビ系)4月9日スタート

【元JJ編集長イマイズミが選ぶ5本】
『銀河の一票』
『田鎖ブラザーズ』
『時すでにおスシ!?』
『GIFT』(日曜21時/TBS系)4月12日スタート
『るなしぃ』(木24時30分/テレ東系)

今クールは名プロデューサーが制作するドラマが話題です!

元JJ編集長イマイズミ(以下、イマ):2026年春ドラマで注目作をそれぞれ5本ずつ挙げましたが、そのうち3本がかぶりましたね。

コラムニスト小林久乃(以下、小林):まずは、黒木 華主演の『銀河の一票』。とある出来事をきっかけに政界を追われた元政治家秘書・星野茉莉(黒木 華)が、偶然出会った“政治素人のスナックのママ”月岡あかり(野呂佳代)とタッグを組み、都知事選に挑む50日間を描いた物語です。

イマ:制作陣の顔ぶれがいいですよね。脚本は『舟を編む ~私、辞書を作ります~』(2024年/NHK総合)の蛭田直美さん、演出は『ひらやすみ』(2025年/NHK総合)の松本佳奈さん、そしてなんといってもプロデューサーが佐野亜裕美さん!

小林:『大豆田とわ子と三人の元夫』(2021年)や『エルピス -希望、あるいは災い-』(2022年/ともに関西テレビ・フジテレビ系)を手掛けたヒットメーカーですから、今回も期待値はかなり高いです。

イマ:政治がテーマで、しかも女性が主人公のドラマって珍しいですよね。

小林:思い出すのは、篠原涼子主演の『民衆の敵〜世の中、おかしくないですか!?〜』(2017年/フジテレビ系)ですが、それ以来かも。最近、出版界の大先輩方と飲んだときに政治の話になって、「あ、こういう会話を自然にできるっていいな」と感じたんですよ。

イマ:私たちの世代は「飲みの席で政治と宗教の話はするな」と言われてきましたよね。でも、世界では戦争が続き、日本経済の先行きも不透明な今、自分たちの生活に直結する政治の話題を避けるほうが不自然な気もします。

小林:このドラマが、気負わずに政治を語るきっかけになってくれたらいいですよね。

イマ:もうひとつ注目したいのが、“政治素人のスナックのママ”を演じる野呂佳代です。

小林:『ホットスポット』(2025年/日本テレビ)から『リブート』(2026年/TBS系)まで、途切れることなくドラマ出演が続いています。

イマ:さすが、2025年ブレイク俳優ランキング(女性編)1位を取っただけありますね。今回は脇ではなく、黒木 華のバディ役としての2番手。

小林:ナース役もハマっていましたが、スナックのママも間違いなく似合う! 今回の役どころは彼女の魅力が一番生きる気がします。

イマ:この作品が、野呂佳代の代表作になる可能性は十分ありそうですね。そして、このクールは『銀河の一票』と同じく“プロデューサー買い”のドラマがもう一本あります。

小林『田鎖ブラザーズ』ですね。『アンナチュラル』(2018年)、『MIU404』(2020年)、『最愛』(2021年/すべてTBS系)など、数々のクライムサスペンスの傑作を手掛けた新井順子さんがプロデュース。この時点で面白いドラマになることが約束されたようなものです。

イマ:2010年4月10日に殺人罪の時効は廃止になったにも関わらず、わずか2日の差で両親殺害事件が時効になってしまった田鎖真(岡田将生)と稔(染谷将太)の“田鎖ブラザーズ”が、自分たちで真犯人を追うために警察官になった——というストーリー。主演の2人がいいですよね。

小林:執念深く暴走しがちな刑事に岡田将生と、冷静沈着でシゴデキだけど人付き合いが苦手な検視官に染谷将太というマッチングがいい!

イマ:見た目は全然違うのに、演技力が高い二人だから、予告ムービーを観ただけでなんだか兄弟に見えてきました(笑)。新井順子プロデュースの作品は、サスペンスといっても、ただの謎解きに終わらない人間ドラマが魅力ですよね。

小林:両親殺害事件の1995年と時代をまたぐ設定も、ストーリーに奥行きが生まれそう。

イマ:そして、このドラマの前日譚として『D-day~罪が消える日~』というショートドラマを、BUMPで配信するようです。

小林:最近は、TVerでサイドストーリーをやったり、『ばけばけ』(2026年/NHK総合)みたいに放送終了後にスピンオフをやったり、作るほうも大変ですよね…。そして、イマイズミさんとかぶった3つめの作品は『時すでにおスシ!?』。子育てを終えた待山みなと(永作博美)が、久しぶりに訪れた“自分の時間”に戸惑いながらも、鮨アカデミーに通い始め、第二の人生を切り開いていくストーリーです。

イマ:『リブート』(2026年/TBS系)でケーキ職人を演じた松山ケンイチが、本作ではアカデミーの堅物講師・大江戸海弥として鮨職人に。鮨監修には「銀座おのでら」が入っていて、かなり本格的。相当練習を重ねたみたいですよ。

小林:彼、今年が「大厄」なんですよね。役を落とすことに繋がるから、俳優は厄払いをせずにいろんな役を演じた方がいいっていうジンクスもありますが、それを実践しているのかも。

イマ:今回も『リブート』のときのように、松ケンのX投稿が話題になりそうですね。ところで、小林さんはこのドラマのどこに注目していますか?

小林:やはり50代女性がヒロインという点ですね。『続・続・最後から二番目の恋』(2025年/フジテレビ系)の吉野千明(小泉今日子)や、『ディアマイベイビー~私があなたを支配するまで~』(2025年/テレ東系)の吉川恵子(松下由樹)など、この世代の女性を主人公にしたドラマは、確実に需要が高まっていると思います。

イマ:TBS「火10」枠は、『西園寺さんは家事をしない』(2024年)や『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』(2025年)など、恋愛だけでなく“女性の生き方”を描くのが得意ですもんね。

小林:永作博美が民放連ドラで主演するのは14年ぶり。今年で55歳とは思えない若々しさで、「ribbon」時代からほとんど見た目が変わっていない気がする…。

イマ:そのグループ名を覚えてる人、今や相当少ないと思いますよ(笑)。キャッチコピーが「笑いあり!ロマンスあり!おスシあり!の人生応援ドラマ」となっていますが、みなとと大江戸のラブラインもあるんでしょうか。

小林:相関図には「昔会ったことがある…?」という意味深な矢印がありますし、まさかの展開があるかもしれません!

今までと違う「月9」と王道の「日曜劇場」に注目!

イマ:さて、ここからはお互いに別の作品を選びましたが、小林さんが挙げた『サバ缶、宇宙へ行く』は月9では珍しい学園ドラマですね。

小林:月9の学園ものとしては『大切なことはすべて君が教えてくれた』(2011年)以来、15年ぶりだそう。福井県の水産高校を舞台に、生徒たちが世代を超えて“宇宙食開発”という壮大な夢に挑むという実話をもとにしたオリジナルストーリーです。主演は、教師役に初挑戦する北村匠海(朝野峻一役)。

イマ:設定だけ聞くと“日曜劇場”っぽいですね。JAXAの宇宙食開発担当には神木隆之介(木島真役)、そして生徒役には若手実力派の出口夏希(菅原奈未役)と黒崎煌代(寺尾創亮役)、脇も荒川良々(黒瀬正樹役)、八嶋智人(田所明正役)、三宅弘城(浜中道夫役)と演技派でガッチリ固めてます。

小林:キャストの厚みもまさに日曜劇場並みですね。中でも、黒崎くんはNetflix配信の『九条の大罪』でも素晴らしい演技だったので期待が膨らみます。

イマ:最近観た、映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』に出ていた出口夏希ちゃんもよかったー。いま一番勢いのある若手2人を押さえているのは強いですね。

小林:ところで、相関図に「第一期」って書いてあるのが気になるんですよね。

イマ:実話だと、サバ缶がJAXAに「宇宙日本食」として認証されるのに12年かかっているので、生徒たちが世代交代する構成かもしれません。そうなると、単なる学園ドラマでは終わらなそう。

小林:前クールの月9がかなり厳しい評価だったので、ここはひとつ、北村匠海の力で流れを変えてほしいところです。

イマ:そして、私が推すのは堤 真一主演の日曜劇場『GIFT』

小林:出た(笑)。イマイズミさん、日曜劇場ははずさないですよね。

イマ:ひょんなことからパラスポーツである“車椅子ラグビー”に出合った、天才だけど変人の宇宙物理学者・伍鉄文人(堤 真一)が、弱小チーム「ブレイズブルズ」に立ちはだかる難問を解きながら、本気で心と体をぶつけ合い、仲間や家族の大切さを知っていくという物語です。

小林:過去に『パーフェクトワールド』(2019年/フジテレビ系)という車椅子バスケを扱った作品はありましたが、車椅子ラグビーを正面から描くドラマは初めてかも。

イマ:2024年のパラリンピックで日本代表が初の金メダルを獲得して、いま一気に注目度が上がっている競技です。弱小チームの“輝きを失ったエース”宮下涼を演じるのが山田裕貴。このキャスティング、最高です!

小林:日本アカデミー賞で佐藤二朗が最優秀助演男優賞を受賞したときに号泣している山田くんを見て、「この人、絶対いい人だな」って日本中が思いましたよね。私も取材したことありますが、まさにその印象のままでした。

イマ:そして、そのライバルチームのエース・谷口聡太を演じるのが細田佳央太。最近、観に行った舞台『岸辺のアルバム』に出演してたんですが、演技が抜群に良かった。

小林:朝ドラ『あんぱん』(2025年/NHK総合)の原豪役でも印象的でしたよね。あと、『波うららかに、めおと日和』(2025年/フジテレビ系)でブレイクした本田響矢(朝谷佳二郎役)も人気急上昇中の俳優です。

イマ:日曜劇場にしては珍しく、若手の顔ぶれがかなり華やか。どう絡むのかはまだ見えませんが、キスマイの玉森裕太(坂本昊役)も作曲家のマネージャー役で出演します。

小林:『バナナマンのせっかくグルメ!!』に番宣で誰が出るのかも気になります。山田くんは確定として、できれば本田くんとのペアが見たい!

イマ:え、主演の堤 真一を差し置いて?

小林:いや、若い2人がモグモグしてるほうが、やっぱり絵的に強いでしょ(笑)。

年下男子とのラブストーリーとダークな内容の深夜ドラマをピックアップ

イマ:今クールも来ましたね、小林さんの大好物“年下男子もの”。

小林『今夜、秘密のキッチンで』はもちろんチェック済みです。誰もがうらやむ結婚生活を送っているはずだった主婦・坪倉あゆみ(木南晴夏)が、モラハラ夫・渉(中村俊介)から追い詰められる日々の中、突如現れた“秘密を抱えた”イタリアンシェフ・kei(高杉真宙)と、夜のキッチンという特別な空間で惹かれ合っていくラブストーリーです。

イマ:「夜のキッチン」って、どこなんですかね?

小林:番組HPを見ても一切明かされていないんですよ。

イマ:この作品は、WEBコミックと連動して展開するという珍しい試み。漫画は『にぶんのいち夫婦』で累計500万部を突破した黒沢明世さんが手がけています。

小林:かなりチャレンジングな企画ですよね。それに、高杉くんは昨年12月に結婚したばかりなのに、もう“不倫もの”に挑むというのもなかなかチャレンジング(笑)。

イマ:モラハラ夫に加えて、過干渉な義母・京子(筒井真理子)、さらに懐いてくれない先妻の子・陽菜(吉田萌果)も登場。完全に四面楚歌の状況で、あんなイケメンシェフが現れたら……そりゃ揺れますよね。

小林:木南晴夏は『セクシー田中さん』(2023年/日本テレビ系)以来の主演。これまではコミカルな役の印象が強いですが、今回は王道のラブストーリー。新しい一面が見られそうで楽しみです。

イマ:そして、最後に私が推したいのは『るなしい』。原作はマンガ好きの間では以前から話題になっていた作品で、2022年上半期「週刊文春エンタ 漫画賞!」の最高賞にも選ばれています。

小林:どんなストーリーなんですか?

イマ:「火神の子」として育てられた女子高生・郷田るな(原菜乃華)は、鍼灸を使った信者ビジネスを行っていて、学校では孤立した存在。そんな彼女が、いじめから救ってくれたケンショー(窪塚愛流)に恋をするものの、あっさり振られてしまう。るなは“もてあそばれた”という思いから、彼を自らの信者ビジネスに取り込んで復讐しようとする——というストーリーです。

小林:『るなしい』というタイトルからは想像できないダークな内容ですね。

イマ:朝ドラ『あんぱん』(2025年/NHK総合)や『ちはやふる-めぐり-』(2025年/日本テレビ系)で明るく朗らかな役が続いた原菜乃華が、こんなエグい深夜ドラマを選ぶとは驚きです。

小林:このまま、すんなり朝ドラヒロインになるのかと思ってたのに(笑)。さて、今回は選外ですが、『10DANCE』や『九条の大罪』(ともにNetflix)で勢いに乗っている町田啓太主演の『タツキ先生は甘すぎる!』(土曜21時)、そして志尊 淳が韓国財閥の養子という設定の『10回切って倒れない木はない』(日曜22時30分/ともに日本テレビ系)も気になっています。

イマ:私は、映画『爆弾』の印象が強烈だった佐藤二朗主演の『夫婦別姓刑事』(火曜21時/フジテレビ系)と、『るなしい』くらいエグい内容の漫画をドラマ化した『惡の華』(木曜24時/テレ東系)にも注目しています。

小林:毎年この時期は、チェックする本数が多いので睡眠不足になりがちですね。

イマ:小林さんは、とりあえずTVerの旧作ウォッチは控えめにしてください(笑)。

小林久乃(こばやし・ひさの)コラムニスト、編集者。正々堂々の独身。中学生から地上波ドラマを愛して30年以上、筋金入りのオタク。好きが高じてついには『ベスト・オブ・平成ドラマ!』(青春出版社刊)を上梓した。ラブストーリーが好きで、特に禁断の恋がテーマとなると視聴熱が俄然、盛り上がる。公式HPはhttps://hisano-kobayashi.themedia.jp

元JJ編集長イマイズミ 女性誌『CLASSY.』『JJ』の編集長を歴任。1クールの地上波ドラマを全録画するようになったのは、編集長になった13年ほど前から。「仕事で新しい俳優、タレントさんを覚えるため」というのが理由だったけど、見事に大ハマり。ホームドラマとラブコメ好き。韓国ドラマもやや中毒。

イラスト/lala nitta

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