家庭に恵まれなかった里里は、シングルマザーとなって娘と暮らす。
過去に囚われる晴美は、女性の自立を援助する団体の代表を務める。
母親から棄てられた朋子は、かたくなに家族を否定しながら生きる。
戦地から戻った夫とすれ違う加寿は、大切なものを信じて家を出る。
すべては彼女が必死に生きてくれたおかげなのだ。
あたしもまた、誰かにつながるような生き方をしたい。
女がひとり、必死に生きてきたその証
その家に遺されていたのは、日々の暮らしが記された家計簿。
そこには「男と駆け落ちして心中した女」の秘密が隠されていた。
「母親ウエスタン」で注目の作家が放つ、世代を超えた女たちの物語
定価(本体1,500円+税)