ここで浮上するピーマンの肉詰め最強説
そこで浮かんだ選択肢が「お味噌汁」。いや、違う! 私の脳内は5秒と待たずにNOを突き付けました。そもそも私、“和食得意です女子”が大嫌いなんです(笑)。和食が得意=料理を極めて1周しました、感があるというか。 しかも彼の実家が白味噌派で私が赤だし派だった場合に、1ミリも効果を発揮しないですからね。
となるとオシャレ料理の代表格「パエリア」か……、となるわけです。でもパエリアって“タワーマンション”感すごくないですか? お高く止まってる系女子に見られそうだし。アクアパッツァも簡単って聞くんですけどね、でもオシャレすぎる。そんなの毎日作らないでしょ、って声が聞こえてきそう。カタカナ系オシャレ料理は危険です。
ここで浮上したのが“ピーマンの肉詰め最強説”。大切なところなのでゆっくり説明しますね。まず、ひき肉焼いただけじゃない、ピーマンだけじゃない、ちゃんと“詰める”というひと手間を加えた料理なわけです。いいですね~。そして、彼の健康を考えて野菜を使っているという点、男子が大好きなお肉感も忘れていないという点。さらに! 家庭料理のイメージはあるけど、そんなに頻繁に食べる料理でもないから「おいしいピーマンの肉詰め」の味覚を持っている人が少ない。ハードル低い! まだあります。ソースをかける料理であること。「このオーロラソースってケチャップとマヨネーズ混ぜてるだけなんだけどおいしいよねぇ」なんて言ってみたりして、アレンジが利く女もアピールできる。しかも女子の前で言っても「いやウソつけ! そんなん作らないでしょ普通」とはなりにくい。本当に完璧なんですよ、ピーマンの肉詰め(笑)。
でもこの前、そんな話をしてテレビ番組で藤森さんに作ったんですけど大失敗しちゃって……。ちゃんと練習しないとピーマンの肉詰めも危険っていうことが分かりました。ちゃんと予習してから言わないと。
ハッ! 重大なことに気が付きました。私の彼はピーマンが嫌いなのでした。
横澤夏子
よこさわ・なつこ 1990年生まれ、26歳。新潟県出身。高校卒業後、NSC東京校に入学。19歳でよしもと∞ホールで初舞台を踏む。2011年、2015年の「R-1ぐらんぷり」では準決勝進出。
Illustration/いいあい