初対面の人と会うとき、誰だってドキドキしますよね。
きっと彼のママもあなたと同じ。「あなたに会うことが楽しみな気持ち」と「緊張して少し心配な気持ち」があるはず。彼のママは敵でもなく面接官でもなく、もしかしたら将来、家族になるかもしれない大切な人。
だからこそ、一緒に楽しい時間を過ごそうとする、自分から歩み寄ろうという勇気が一番大切です。そのために重要になってくるのが“言葉の選び方”。
今回は、国際基準マナー講師の筆者が彼ママと会話するときのポイントをご説明いたします。
(1)共通点を見つけながら話を聴く
世代が違う彼ママとは「会話が盛り上がるかな?」と心配になるかもしれません。
そんなときは、“なにを話そうか”と自分のことを考えるだけではなく、相手の話をよく聴き、自分との共通点を見つけることを意識してみましょう。
たとえば「私も〇〇が好きです」「私も昔〇〇を習っていました」と、本当に些細な共通点でOK。自分との共通点を見つければ、それが会話のきっかけになり話も盛り上がりやすいですし、相手への親近感が一気にわきます。
また、相手が熱を込めて話しているところは、自身が得意な領域だったり、相手に一番伝えたいことだったりします。そこを見逃さずに質問したりしてみましょう。きっと話題が盛り上がるはずですよ。
(2)褒め言葉をさりげなく添える
現在、筆者はアメリカと日本を行き来しながら仕事をしています。
アメリカには世界中から多くの人々が集まっていて、筆者を含め、英語を母国語としない人達がたくさんいます。
そんな言葉の壁をつないでくれるのが“褒め言葉”。
近所で買い物をしていると、毎日のように知らない人が、「とてもエレガントね」「あなたのバッグ可愛いわね」と挨拶と一緒に、ひとこと、誉め言葉を添えてくれます。
初対面の人とは、会話の垣根も高いもの……。そんなときにハードルをささげてくれるのがこの“褒め言葉”なのです。
これは彼ママにだって有効。
髪型や服装、出された料理や飲み物、自宅のインテリアなど、自分が「すてきだな」と思ったことは積極的に口に出してみて。
いざというときのためにも“褒め言葉集”をストックしておくのもよさそうです。
(3)尊重する気持ちを忘れない
普段、筆者が講演や授業で話している国際基準マナーの心得のひとつに“お相手の国の文化を尊重しましょう”というものがあります。
日本のことわざの「郷に入れば郷に従え」のようなもの。
たとえば、日本にはチップの習慣はありませんが、欧米などチップの習慣がある国へ行ったときには、日本人もそれに合わせてチップを支払います。
自分と合わないなと思うところがあったとき、無理に合わせないといけないというわけではありません。
たとえ「え!?」と思うようなことがあっても、否定したり反論したりするのではなく、「〇〇さん(彼)のご家族には、そういう習慣があるんですね」「〇〇さん(彼)のお母様はそのようなお考えなのですね」 と、相手を尊重する気持ちを忘れないようにしましょう。
どんなに大好きな彼やそのご両親でも、今まで育ってきた場所や環境が違えば、習慣や目線は違うもの。
大人のレディには、“そういうもの”として違いを受け止める寛容な姿勢も必要になってきますよ。
それでも、話すのがニガテ、会話が続かなかったら……と心配になるかもしれませんが大丈夫。
後日、お礼の手紙を書いたりメールをしたり、プレゼントを贈ったりという、アフタフォローをする方法がいくらでもあります。
彼ママと会うのはこの日が一度きりではなく、また何度でもチャンスがあるはず。
この日があなたにとって、新しいすてきなスタートの日になりますように。
文/大網 理紗(おおあみ りさ)
リサ・コミュニケーションズ代表。一般社団法人100年先のこどもたちへ代表理事。
世界の王室・皇室・政府要人といったVIP接遇とアナウンス業務に従事。その経験を活かし、話し方、マナーの指導にあたる。主な著書に『世界で通じる至高の作法』『人生を変えるエレガントな話し方』など。
画像/PIXTA(ピクスタ)(kou、polkadot、IYO)