社会人の必須ツールといえばパソコンを使ったメール機能ですよね。
日頃からある程度のメールのマナーを守りつつ利用しているかと思いますが、実はメールを利用する際の敬語にもマナーがあることはご存知でしょうか?
「普段は大丈夫だと思い使っていた敬語が、実はNG敬語だった……」なんてことは、なるべく避けたいところ。
そこで、今回はマナー講師でもある筆者が、ついつい使いがちなNG敬語をご紹介します。
(1)「お世話になります」
メールの本文への導入部分や件名に「お世話になります」と書いていませんか?
正しくは「お世話になっております」です。
「お世話になります」はよく使われがちな一文ですが、これではまるで挨拶文。メールの場合には、適切ではありません。
また、継続して付き合いがある場合には「いつもお世話になっております」などと使い分けてみると、より相手からの印象もよくなるでしょう。
(2)「○○して下さい」
メールでなにかをお願いするときに「〇〇して下さい」と「ください」の部分を漢字表記で送信していませんか? 実はこちらもNG敬語。
正しくは、ひらがな表記で「〇〇してください」です。
「漢字だとダメなの?」と不思議に感じた方も多いかと思いますが、漢字での「下さい」は、“物”がほしいときに使われる表記にあたります。そのため、このような場合にはひらがな表記にするようにしましょう。
(3)「よろしくお願い致します」
こちらも「〇〇して下さい」と同じように、注意すべき点は「致します」という漢字の部分。
正しくは、ひらがな表記で「よろしくお願いいたします」です。
漢字表記での“致す”はなにかを届けたり、引き寄せたりする意味の言葉になるため、メールではふさわしくありません。
一方、ひらがなの“いたす”は“する”の謙譲語にあたるため、メールで利用する場合にはひらがな表記と覚えておきましょう。
(4)「各位様」
まれに宛名である各位という言葉に敬称である“様”を付ける方がいますが、実はNG敬語になるんです。
正しくは、「ご担当者各位」です。
そもそも“各位”は“皆様”という意味になりますので、“様”を付けた場合には敬称が重複してしまうので要注意!
いかがでしたか? メールの場合、自動変換機能を用い、無意識のうちに誤った敬語を送信していた……なんてこともあるのではないでしょうか。
不安な方は、あらかじめ間違えやすい敬語を入力機能に登録しておくなどして、誤用を防ぐようにしましょう。
文/前濱瞳 画像/PIXTA(ピクスタ)(YUJI 、Fast&Slow、プラナ、A_Team、kikuo) 参考文献/本郷陽二『大人の語彙力 敬語トレーニング100』日本経済新聞出版社