仕事をしていると、社内外で挨拶をする機会はたくさんありますよね。
社内外どちらにおいても、挨拶は“誰に対してかける言葉なのか”を考えないと、慣れ慣れしい印象を与え、失礼になる可能性もあります。
そこで今回は、うっかり間違えがちな挨拶敬語をご紹介。親密度や関係性によってどの言葉を使うのかが異なりますので、しっかり使い分けれるようにしましょう。
(1)「お久しぶりです」「ご無沙汰しております」
しばらくぶりに会った方に対してかける挨拶敬語として「お久しぶりです」や「ご無沙汰しております」がありますが、あなたはどちらを使っていますか?
基本的な使い分けは以下の通りです。
「お久しぶりです」・・・友人・親しい先輩・プライベートで親交のあった知人(自分の立場に近い関係の人)に使う挨拶の言葉です。「ご無沙汰しております」よりも親しみがあり、気軽でカジュアルな印象を与えます。
「ご無沙汰しております」・・・ビジネス上でお付き合いのあった上司・先輩・取引先・お客様・あまり親密ではない相手に対して使う挨拶の言葉です。
“沙汰”は「便り・知らせ・音信」という意味があり、相手を敬って、長らく訪ねなかったり、便りをしないままでいたりすることを詫びる言葉。
そのため、「ご無沙汰しております」は「お久しぶりです」よりも丁寧な印象を与えます。
仕事を通して仲良くなった相手に対しても、仕事でお付き合いがある以上は礼儀を大切に「ご無沙汰しております」を使うのが正解です。
(2)「ご苦労さまです」「お疲れさまです」
お互いが気持ちよく仕事をするために上司・先輩・後輩とのコミュニケーションはとても大切ですよね。
「ご苦労さまです」は、目上の人が目下の人にかける“ねぎらいの言葉”ですので、上司に使うのはNG。
上司へのねぎらいの言葉としては、「お疲れさまです」が正解。これは、上司、部下と立場関係なく使える言葉です。
あなたがベテランになっても、部下へかけるねぎらいの言葉としては、少し威圧的に感じてしまう「ご苦労さま」よりも「お疲れさま」のほうがおすすめです。
(3)相手を選ばずに使える!「ご自愛くださいませ」
「ご自愛くださいませ」は、相手の体を気遣うときによく使う締めの挨拶の言葉で、相手を選ばずに目上の方にも使えます。
ここでよく間違えるのが、「お体ご自愛くださいませ」と、「体」を付けてしまうこと。
“自愛”は、自分を大切にすること。
体をいたわるという意味が既に含まれているので、“お体”を付けると二重の意味になりNG!
「どうぞご自愛くださいませ」が正解です。
「季節柄ご自愛くださいませ」「まだまだ暑い日が続くようですので、くれぐれもご自愛くださいませ」などと、季節に合わせてアレンジをすると自然です。
いかがでしたか? 挨拶敬語は使う機会が多いので、間違いがないようにしっかり覚えておきましょう。やり取りの最後に気遣いの言葉があると“心”が伝わり、なおよいですね。
文/西谷依里子 画像/PIXTA(ピクスタ)(kou、xiangtao)