日々働いていると、思わぬアクシデントに見舞われる日もありますよね。
「大事な案件で出張予定だったのに、電車の遅延で間に合わない……」
「午前から商談予定だったのに、昨晩から熱が出てしまった……」
こんなときはどうしても焦ってしまい、誰に何をどう連絡したらよいのか、判断に迷ってしまうもの。
そんなときでも落ち着いて適切な引き継ぎや緊急の対応ができるよう、あらためて遅刻・欠勤にまつわるマナーをご説明いたします。
どんな状況であっても、社会人として適切な対応ができるよう、しっかり押さえておきましょう。
■遅刻もしくは、欠勤してしまいそうな場合
「大事な案件で出張予定だったのに、交通機関の遅延で間に合わない……」「大切なプレゼンがあるのに、高熱が出てしまった……」
事前準備をしていたにもかかわらず、予期せぬアクシデントに見舞われてしまうことはどうしてもあります。
慌ててしまう気持ちを落ち着かせ、以下の点を考え、適切な対応を取るようにしましょう。
1.緊急性はあるのか
今日中に対応しないといけない案件なのか、それとも別の日に変更してもらったほうがよいのか。その際、引き継ぎの必要性はあるのか。自己判断に任せず、まずは上司やメンバーに相談のうえ、関係各所に連絡するようにしましょう。
2.最低限、今の自分にできることは何か
先方に会議で渡す予定だったデータをメールで送る、資料だけでもバイク便で相手先に届けるなど、“今の自分にせめてでもできることはないのか”と考え、ベストな対応を取るようにしましょう。
■引き継ぎは「5W1H」を意識
では、実際に引き継ぎをする際、どのような点に気を付ければよいのでしょうか。
代役への引き継ぎの仕方が悪かったために、後日また初めから会議の仕切り直し……。こんな最悪の事態を避けるため、適切かつ簡潔に引き継ぎ内容を伝えることが重要です。
5W1Hを意識して伝えると、抜け・漏れがないのでおすすめ。
以下の例を参考にしながら、基本的なクライアントの情報、会議内容、資料の有無などもあわせて伝えるようにしましょう。
・When「いつ?」・・・・・・「〇月△日の××時~」
・Where「どこで?」・・・・・・「A社の本社オフィスにて」
・Who「誰が?」・・・・・・「A社と自社チームが」
・What「何を?何について?」・・・・・・「来期からの新規事業内容について」
・Why「なぜ?」・・・・・・「責任担当者が変わり、事業方針にも変更があった」
・How「どうやって?」・・・・・・「30分のプレゼンテーションで(資料データあり)」
■自分の体調や現状を伝えておくことも大切
引き継ぎをするだけでなく、自分の体調や現状を伝えておくことも大切です。
電話ならすぐに連絡が取れる、メールでならフォローできる、30分遅れで会議に途中参加できそうなど、相手が判断に迷ったときに、あなたが“何ならできる状態なのか”をあらかじめ伝えておくようにしましょう。
そうではないと、“あなたと連絡が取れず、会議が進まない”という状況にもなりかねません。
また、あわせて引き継ぎ案件のゴールも伝えておくと◎。
クライアントと話し合った後、引き継いだメンバーが最終結論を出してしまってよいのか、最終決断は保留にしてもち帰ってきてほしいのかなど、スムーズに進行してもらうためにも最終ゴールを伝えておくとよいですね。
■日頃から万が一のために準備をしておく
緊急事態への対応はもちろん、以下の例のように、日頃から万が一のために準備しておくことも忘れないようにしましょうね。
・天候にあわせて服装を選ぶように、天気にあわせた交通手段をいくつか調べておく
・社内、チーム内で緊急時の対応フローについて共有しておく
・メールで“緊急時連絡フォーマット”を作成し、すぐに連絡ができるようにしておく
・電話やメール、業務ツールなど、複数の連絡手段を把握しておく
日々の仕事において、想定外はつきもの。状況を好転させられるかどうかは、あなたの対応次第です。
思わぬ事態にも焦らず、適切な対応をして、素敵なビジネスパーソンを目指しましょう。
文/大網 理紗(おおあみ りさ)
リサ・コミュニケーションズ代表。一般社団法人100年先のこどもたちへ代表理事。
世界の王室・皇室・政府要人といったVIP接遇とアナウンス業務に従事。その経験を活かし、話し方、マナーの指導にあたる。
画像/PIXTA(ピクスタ)(IYO、kikuo、Fast&Slow、Pangaea、JIRI、8×10、tomos) 参考文献/大網 理紗『人生を変えるエレガントな話し方』講談社