漢字を書くとき、「この言葉の漢字、どっちだったっけ……?」とふたつの漢字で迷った経験はありませんか? そしてそんなとき、みなさんは正しい漢字を調べていますか?
調べていないという方は、今現在も勘違いして覚えたままで、誤字になっているかもしれません。
そこで今回は、書き間違いの多い漢字を5つご紹介。
間違いやすいふたつの漢字を挙げたクイズ形式なので、間違って覚えていないか、あなたの漢字力を試してみてくださいね。
(1)向き不向きは「適正?」「適性?」
就職や転職の際などに、自分の向き不向きを検査する「てきせい検査」。
ここでの「てきせい」は「適正」と「適性」、どちらか分かりますか?
正解は……
「適性」です。
「適正」は、適当で正当という意味。
覚えていないと変換ミスも増えますので、この機会にしっかり頭に入れておきましょう。
(2)混乱を収めるのは「収集?」「収拾?」
何かによって混乱が起きた場合、それを収めるときなどに使う「しゅうしゅう」。
この「しゅうしゅう」は「収集」と「収拾」、どちらでしょうか?
正解は……
「収拾」です。
「収拾」はビシネスシーンでもよく使う漢字。
漢字を間違うと、余計に事態の収拾がつかなくなりそうなので、書き間違いにはご注意を。
(3)あっさりした話し方は「平淡?」「平坦?」
「あの人って、おだやかであっさりとした、“へいたん”な語り口だよね」
このように話し方を表す際に使われる「へいたん」。さて「平淡」と「平坦」あなたはどちらが正解だと思いますか?
正解は……
「平淡」です。
「平坦」は、土地や道が平らなことを指す言葉。言葉を表すのは「平淡」がふさわしいのです。
(4)物事が上手く進まないのは「難航?」「難行?」
「作業がなんこうする」「話し合いがなんこうする」のように使われる「なんこう」。
障害が多く、物事が順調に進まないことを意味する漢字です。
そんな「なんこう」を書くとき、「難航」と「難行」で間違う方が多いようですが、どちらが正しい漢字なのでしょうか。
正解は……
「難航」です。
「難行」の読み方は、実は「なんこう」ではなく「なんぎょう」。つらい修行のことを指す漢字なんですよ。
(5)気持ちや考えの疎通は「意志?」「意思?」
ビジネスシーンでもプライベートでも必ず行う気持ちや考えの疎通。さて、これは「意思の疎通」なのか「意志の疎通」なのか分かりますか?
どちらも同じ意味のような気がしてどっちが正解か難しいですよね。
正解は……
「意思」です。
どちらが正しいのか分からなくなったときは、“気持ちや考えという意味の場合は「意思」を使う”と覚えておくと良いですよ。
書き間違いが多い5つの漢字、みさんは正しく理解できていましたか?
手書きであっても、変換機能のあるパソコンやスマホであっても、しっかり覚えていないと間違ってしまいがち。「この漢字はこの字でいいのかな?」と疑問を感じたら、調べることを忘れずに。
正しい漢字の書ける、大人レディを目指しましょう!
文/桜井美穂子 画像/PIXTA(ピクスタ)(YAMATO、xiangtao、kikuo、ふじよ、cba、metamorworks) 参考文献/大人の漢字力研究会『読めそうで読めない漢字 書けそうで書けない漢字』(光文社)