仕事をしていると、自社のサービスや商品についてお客様から意見をいただくこともありますよね。
意見をいただいたときの初期対応を間違えると、さらに相手を怒らせてしまい、取り返しのつかないことになる可能性も……。
顧客離れや会社の信用を失うことにならないように、また、今後もお客様とよりよいお付き合いをしていくためにも、誠実で丁寧な初期対応が重要になります。
そこで 今回は、意見をいただいたときに使ってはいけないNGな言葉と行動についてご紹介します。
■話を遮る・否定をする・言葉をかぶせる
まずは何があったのか、相手の話をしっかり聞くことからはじめます。必ずあいづちを入れながら、話を聞くことも忘れずに。
相手が話している途中で、「ちょっと待ってください」「そんなこと言っておりません」「ですが~」「でも~」と話を遮ることや、言葉をかぶせる行為、否定は絶対にNG!
「この人は自分の話ばかりで、全然私の話を聞いてくれない」と、不満が募っていく一方です。
まずは相手の話をしっかりと傾聴し、不安(不快)な気持ちにさせてしまったことに対してきちんと謝罪をするようにしましょう。
■「ルール(規則)ですので」の一点張り
日頃、会社の方針に則って業務を遂行しなければいけない部分もありますね。上司に聞いても結果は変わらないとわかっている場合、“とにかく自分がお客様を説得しなければ!”と頑張った結果、ハードクレームになってしまうケースも少なくありません。
お客様への対応で大切なことは、説得することではなく、納得いただくこと。相手の気持ちになって誠意のある対応を心がけましょう。
言葉遣いも非常に重要です。言いにくいことを伝えなければいけないときには「大変申し上げにくいのですが」などのクッション言葉を入れて伝えましょう。
それでも納得いただけないようであれば、無理をするのではなく、「念のため、上の者に確認させていただきますので、少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか」と、臨機応変に行動に移すことも大切です。
結果は同じであっても、“本来できないことでも、私のためにわざわざ上の方へかけあってくれた”と、その姿勢がお客様にも伝わるはずです。
■何分も保留にする
時間をかけて、お客様が電話をしてくださっていることを忘れてはいけません。
長らく保留にしてしまうと、お客様は受話器を持ったまま何もできず、ずっと待っているしかありません。その時間はお客様を拘束してしまっているということを覚えておきましょう。
確認に時間を要する場合は、その旨をきちんとお伝えし、こちらから折り返すのがベター。保留のまま何分も待たせられることほど辛いものはありません。
■納得いただけない場合は…「3つの変化」を
納得いただけない場合には、以下の3つの変化を起こすことも効果的です。お客様の高ぶっている感情をクールダウンさせるきっかけになるかもしれません。
(1)人をかえる(例:上司、責任者に対応をかわってもらう)
“上司の方が出てきて、丁寧に対応してくれた”と、大切なお客様として扱ってくれたことに満足されるケースも少なくありません。
(2)時を変える(例:折り返し電話をする)
一度受話器を置いて時間をあけることで、相手の高ぶっていた感情が少し落ち着くきっかけになることも。電話をかける側にとっても、内容と改善案をまとめてから電話をしたほうが自信をもって落ち着いて対応することができます。
(3)場所を変える(例:受付から応接室へご案内する)
電話だけではなく、直接ご意見をいただく場合もあるかと思います。そのような場合には、場所を変えるのも効果的です。“ゆっくり話を聞いてくれる場所を用意してくれた” “大切なお客様として扱ってくれている”と、誠意を感じ、クールダウンのきっかけに。
いかがでしたか。意見をくださるお客様は大変貴重な存在です。今回ご紹介した点に気を付けるとともに、“自分の会社がよりよい会社になるきっかけをくださった!”という感謝の気持ちを込めて、対応するようにしましょう。きっとその気持ちはお客様に届くはずですよ。
文/西谷依里子 画像/PIXTA(ピクスタ)(miya227、Ushico、kikuo、Deja-vu、xiangta)
参考文献/関根健夫『[臨機応変!!]接客サービス完璧マニュアル』(大和出版) 、疋田幸子『公務員のためのコミュニケーションお役立ち手帖』(ぎょうせい)