コラム

「こっち」って使ってない?印象がさらによくなる言葉遣い3つ

みなさんは「いい?」と、相手に確認する際、どのような言葉を使っていますか?

「いい?」のほかにも「いいですか?」「よろしいですか?」「よろしいでしょうか?」「よろしゅうございますか?」……など、さまざまな表現があります。

家族や親しい友人に対して「よろしゅうございますか?」は使わないですし、社会人としてお客様に対し「いい?」と友達口調を使うことはないですよね。

誰しもが状況や相手に合わせて言葉の表現を変えているもの。言葉をどのように表現し、伝えるかによって、相手に与える印象もグッと変わるのです。

そこで今回は、ほんの少し意識するだけで印象がUPする言葉遣いのコツをご紹介します。

 

(1)お願いするときは、命令形を依頼形に変える

「少々お待ちください」というように「~ください」という命令形は、指示されたように感じたり、“上から目線”のようなトゲのある印象を与えてしまうことがあります。

このような些細なことから、相手とのコミュニケーションに影響がでたり、トラブルに発展したりすることも少なくありません。できれば、余計なトラブルは避けたいですよね。

そこで……相手にお願いしたいときには、命令形ではなく“依頼形”にしてみましょう。

例えば「~ください」を「~よろしいでしょうか」という表現に変えてみる。「少々お待ちください」→「少々お待ちいただいてもよろしいでしょうか」だと、“あなたに許可をいただきたい”というニュアンスがより伝わり、相手にも謙虚な印象を与えることができます。

お客様に対してはもちろん、職場の同僚や上司との会話でも意識してみましょう。

(2)断りを入れるときは、クッション言葉を活用する

日々の業務の中で、何かを断らなければいけない場面があるかと思います。そのようなときに、クッション言葉は必要不可欠です。

「今回は遠慮させていただきます」といきなり言われるよりも、「お気持ちはありがたいのですが、今回は遠慮させていただきます」と言われたほうが“断ることを本当に申し訳なく思っている”という気持ちが感じられますね。

この「お気持ちはありがたいのですが~」という部分がクッション言葉です。一言付け加えるだけで、文章全体がやわらかく、丁寧な印象になります。下記のように、状況に合わせたクッション言葉を使っていきましょう。

せっかくではございますが、今回は欠席させていただきます」

せっかくのお誘いではございますが、〇日はあいにく出張で不在にしておりまして今回は遠慮させていただきます」

など、いつもの会話の中にクッション言葉をプラスすることで、より丁寧で、気持ちが伝わる対応になります。

(3)小さな「っ」が入った言葉は控える

「ちょっと待っててもらってもいいっすか?」というような言葉遣いを聞いて、あなたはどのような印象を受けるでしょうか。たくさんの“っ”が入った文章は、丁寧で品のある印象とは遠ざかり、どことなく幼く、緊張感のない印象を与えてしまいます。

 例えば、「あっち」「こっち」「そっち」「どっち」などの言葉は、「あちら」「こちら」「そちら」「どちら」と表現したほうがグッと上品に聞こえますね。

 「お手洗いはどっちですか」→「お手洗いはどちらですか」、「こっちに来てください」→「こちらに来てください」など、言い方を変えるだけで相手に与える印象が変わりますよ。

 

いかがでしたか? 言葉は、自分の気持ちを伝えるための便利なコミュニケーションツールのひとつです。

ですが、言葉足らずで誤解を招いたり、言葉遣いによって受け手の印象がガラリと変わってきます。すてきなレディになるためには、言葉の美しさも大切。

まずはどんどん試してみて、自分の言葉の引き出しを増やしていきましょう。お互いに気持ちよく会話ができると仕事も一段と楽しくなるはずですよ。

 

文/西谷依里子 画像/PIXTA(ピクスタ)(プラナ、kikuo、kou、pearlinheart) 参考文献/トキオ・ナレッジ『イラストでわかる大人のマナー&敬語常識』(宝島社)、西出ひろ子『究極の「お客様満足」を実現する プロフェッショナル接客・接遇マナー』(日本実業出版社)、関根健夫『[臨機応変!!]接客サービス完璧マニュアル』(大和出版)

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