年末年始は、友人や上司宅でのホームパーティに招かれたり、彼のご実家に挨拶に伺ったりと、個人宅に招かれる機会がありますよね。
もてなしてくれるホスト側と訪問するゲスト側が互いに楽しく過ごせるよう、お呼ばれ上手になるための訪問マナーをご紹介いたします。
(1)訪問のタイミング
ビジネスでは、少しはやめから定刻に訪問するのがマナーですが、個人宅への訪問の場合は、はやめに到着してしまうと迷惑になります。
招く側は、直前までおもてなしの準備で忙しいはず。
個人宅への訪問の際は、約束時間より数分遅れて行くのがマナーと言われています。
(2)上着を脱ぐタイミング
上着は、インターホンを押す前に脱いでおきましょう。
また、上着についたホコリやチリ、雨のしずくなどで家具や床を汚さないよう、脱いだ上着は中表にして(裏地を表にして)畳みます。
帰る際にも、基本は玄関を出てから上着を着るようにしましょう。
(3)靴を脱ぐときには
みなさんは、玄関でどのように靴を脱ぎますか。
後ろを向いて靴を脱ぐ人も多いかと思いますが、迎えてくれたホストにわざわざお尻を向けてしまうことになるのでNG!
入ってきたまま靴を脱いでOKです。スリッパを履いてから、カラダをやや斜めにして膝をつき、脱いだ靴の先が玄関に向かうようにくるっと回しそろえ、邪魔にならないよう端に移動させます。
焦らずゆっくりと行うと、品よく丁寧な印象になりますよ。また、素足で家にあがることもマナー違反になりますので、必ずストッキングや靴下を履いていきましょう。
帰る(失礼する)際には、玄関の端に寄せてある靴を中央に置きなおしてから履くようにしましょうね。
(4)手土産を渡すタイミングと挨拶
ご自宅に訪問をする際は、お招きいただいたことへの感謝の気持ちを込めて、手土産を持っていきましょう。事前に相手の好みをリサーチしておくとよいですね。
お渡しするタイミングは、お部屋に通されてあらためて挨拶をするタイミングがベスト。手土産は必ず紙袋から取り出し、言葉を添えて渡すようにしましょう。
「つまらないものですが」は、自分の手土産をへりくだった言い方です。
もちろんNGという訳ではありませんが、パーティなどの楽しい雰囲気の場では、へりくだるよりも「〇〇がお好きと伺いまして、お口に合えばうれしいです」「私の地元で大人気の△△です。ぜひご家族で召し上がってください」と伝えたほうが、手土産がきっかけに会話が広がっていきますよ。
(5)和室で踏んではいけない3つのもの
彼のご実家や、友人宅が和室の場合もあるかと思いますが、和室には踏んではいけないと言われている“3つのもの”があるんです。
それが、畳のへり・ふすまの敷居・座布団。
畳のへり、ふすまの敷居を踏むことは、その家の方の頭を踏むことと同じと言われており、家の歪みにもつながるのでNG!
また、座布団に座るときや立ち上がる際に、足の裏で座布団を踏むこともマナー違反なんです。
座る際には、座布団の下座側で一度正座をし、そこでご挨拶をします。
挨拶が終わり、ホストに勧められてから片膝ずつ座布団の上に乗せ、中央まで移動。中央まで進んだら、正面を向いて足をそろえるようにしましょう。
個人宅はプライベートな空間だからこそ、行儀よく過ごすことが鉄則。
帰る際の印象もとても大切です。どんなに親しい間柄でも、片付けを手伝ったり、使ったスリッパを整えたりしましょう。そして、何よりも迎えてくださったことへの感謝の気持ちを言葉で伝えることは、最低限のマナーですよ。
今回ご紹介したことを参考にして、招く側も招かれる側も互いに気持ちよく楽しい時間を過ごしましょうね。
文/西谷依里子 画像/PIXTA(Graphs、zon、tomos、IYO) 参考文献/トキオ・ナレッジ『イラストでわかる大人のマナー&敬語常識』(宝島社)、西松眞子『上品なしぐさとふるまいのルールとマナー』(日本実業出版社)