ビジネスシーンで用いる言葉に迷った際、何にでも「よろしくお願いします」をつけて乗り切ってしまう……。そんなことはありませんか?
筆者が経営するスクールでも、「ビジネスワードのボキャブラリーを増やしたい!」という悩みをもつ方が多くいます。
そこで今回は、国際基準マナー講師の筆者が、印象がグッとアップするビジネスワードをご紹介します。
(1)「お納めください」
取引先の方へ贈り物などをお渡した際、ただ「どうぞ」だけでは少し寂しいもの。
こんなときには、ぜひ「お納めください」「お受け取りください」「(食べ物なら)お召し上がりください」などもあわせて使ってみましょう。
より丁寧な印象を与えることができますよ。
(2)「心ばかりの」
ちょっとしたものをお渡しするとき、深い意味もなく、口ぐせのように「つまらないものですが……」と言っていませんか?
もちろん間違いではありませんが、シーンに合わせて他にもいくつかバリエーションをもちたいものですね。
たまには「心ばかりのものですが」などを使ってみてはいかがでしょうか。
(3)「ご査収ください」
郵送する書類やメールに添付したデータファイルを確認してほしいとき。
「ご確認ください」でも問題はありませんが、「ご査収ください」にすると、より丁寧な印象になります。
たまに間違えて使ってしまっている人がいますが、「ご査収ください」は贈り物などをお渡しする際には使用しません。
また、話し言葉ではないので、面と向かってではなく、主に書類やビジネスメールなどで用いるので注意しましょう。
(4)「お力添えいただきありがとうございます」
上司や先輩など目上の方に助けてもらったとき、あなたは何と言っていますか?
「助かりました!ありがとうございます」でも悪くはありませんが、「お力添えいただきありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えられたら、もっとすてきですよ。
相手も、「謙虚なコだな」と思ってくれることでしょう。
(5)「お呼びたてしまして」
オフィスまでわざわざいらして下さった取引先やお客様に、「今日はありがとうございます」以外に、どのような御礼の伝え方があるのでしょうか?
「ご足労いただきまして」「お呼びたてしまして」、遠方からいらしてくださった方には、「今日は遠いところ」「遠路はるばる」など、相手を労うひとことをかけられたらすてきです。
また、「今日は遠いところ、わざわざすみません」と、つい謝っていませんか? 別れ際の言葉は心に残りやすいもの。
帰り際のひとことは、謝罪ではなくぜひ「お会いできて嬉しかったです」「またお話しできたら嬉しいです」という前向きな言葉で結ぶようにしましょう。
いかがでしたか?
毎日頻繁に使うビジネスワードだからこそ、ほんの少しボキャブラリーを増やすだけで、より相手に気持ちを伝えることができるでしょう。
今回ご紹介したワードを、ぜひ明日から使ってみてくださいね。
文/大網 理紗(おおあみ りさ)
リサ・コミュニケーションズ代表。一般社団法人100年先のこどもたちへ代表理事。
世界の王室・皇室・政府要人といったVIP接遇とアナウンス業務に従事。その経験を活かし、話し方、マナーの指導にあたる。主な著書に『世界で通じる至高の作法』『大人らしさって何だろう。』など。
画像/PIXTA(ピクスタ)(kikuo、hilite、EKAKI、zon、xiangtao、saki、Mills) 参考文献/大網理紗『人生を変えるエレガントな話し方』(講談社)