雑談が苦手だと、気まずい沈黙に陥りがち。
せっかくのパーティ・会食の席でも、黙々とご飯を食べ続けるはめになることも……。
そんな経験のある人は、万能フレーズを覚えて雑談力をアップしましょう。
どんな相手に対しても使え、無難に、和やかに乗り切ることができるフレーズを4つ取り上げます。
(1)「絶対それ大変だったでしょ」
【ビジネス仕様】それ、大変ではありませんでした?
雑談で大切なのは相手に話させること、それも、できるだけ気持ちよく話してもらうことです。
人が自分からどんどん話したくなる話題は何だろうと考えてみると、だいたい、
(1)グチ
(2)自慢話
(3)好きなモノの話
の3種類ではないでしょうか。
その3種類ともを引き出し得るのが、「絶対それ大変だったでしょ」なのです。
「絶対それ大変だったでしょ」と言われた側は、「そうなんだよー、本当に大変だったんだよ」とグチを言いはじめます。
厄介な経験をした時には、せめてネタにしたいと思うのが人情。
ぜひ、(1)共感 (2)驚き (3)ねぎらい の3種のあいづちで受け止めましょう。
そのうちに、相手は気分も良くなり、自慢話モードに入りますよ。
グチや自慢を聞いて終わりにしてもいいのですが、そこで、「そこまで熱心に取り組むことができたのは、どうしてでしょうか」と尋ねてみると、「好きでやっていることだから、やっぱり妥協はできなくて……」などと、その人の熱い思いが聞けることも。
(2)「この前○○したんだって?」
【ビジネス仕様】先日〇〇されたとうかがいました。
雑談で大事なのは、こちらが上手く話すことではありません。
相手に気持ち良く話してもらうことが重要なのです。相手の話を引き出すためにも、できれば下調べを。
・どういう分野に興味がある?
・何が得意?
・最近どんなことがあった?
これらを、SNSをチェックしたり周囲に評判を聞いたりして情報を集めておけば、「この前、〇〇に行った写真、投稿していましたよね?」「最近も〇〇は、やっていらっしゃるんですか?」と話を振ることができます。
ただし、あまりに詳しいと不気味なので、あくまで会話の糸口になる程度に。
(3)「この件、○○さんはどう思う?」
【ビジネス仕様】〇〇さんならどうお考えになるのか、ぜひうかがってみたいです。
まず時事ネタや自分の近況の話をしてから、相手に話を振る方法です。
口の重い人でも、「どうしてもあなたの意見を聞きたい!」という熱心な姿勢でこられたら、内心はまんざらでもないはず。
「私は~~だと思ったのですが、ベテランの〇〇さんだと、どう思われるのかなって……」という感じで、自分の意見を呼び水にすれば、同調にせよ反対にせよ、相手も話しやすくなるはずです。
(4)「と言うと?」
【ビジネス仕様】と言いますと?/もう少し詳しくうかがえますか?
質問したはいいものの、その後の会話が広がらないと、かえって気まずい沈黙が発生してしまいます。
しかも、“質問する→答える”という単純な一往復で終わるのは、会話ではなく取材、むしろ尋問です。
相手の答えを受けて、なめらかに、話が広がっていくようにしなくてはなりません。
そこで手っ取り早いのが、相手の答えた内容に関連し、より具体的な情報を引き出すような質問を続けることです。
「へ~、と言いますと?」とあいづちを打つのもいいでしょうし、ストレートに、「え、どういうこと。もっと詳しく」「この話、具体的にお聞きしてもよろしいですか?」などとお願いするのもアリでしょう。
今回ご紹介した4つのフレーズを会話に取り入れ、さりげなく相手の発言を引き出し、雑談が盛り上がるようにしましょう!
文/吉田裕子
国語講師。塾やカルチャースクールなどで講師を務める他、『テストの花道 ニューベンゼミ』(NHK Eテレ)に国語の専門家として出演するなど、メディアでも活躍中。東京大学教養学部卒。
画像/PIXTA(ピクスタ)(perfecta、Greyscale、xiangtao、nonpii) 参考書籍/吉田裕子『大人らしく和やかに話す 知的雑談術』(日本実業出版社)
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