FASHION
先史・古代から現代まで 日本の歴史と民俗に関する膨大な資料を展示する国立歴史民俗博物館 「近代」展示が約30年ぶりに全面リニューアル
このたび、国立歴史民俗博物館(以下、歴博:千葉県佐倉市)では、総合展示第5室「近代」の展示を大きく見直し、2026年3月17日(火)にリニューアルオープンする運びとなりました。

国立歴史民俗博物館(外観)
「総合展示第5室リニューアルオープン」ポスター
常設の総合展示は第1~6室まであり、日本の歴史や文化をいくつかの時代やテーマに分けて、生活や民衆の視点から展示しています。リニューアル後の第5室「近代」では、世界のなかの近代日本社会の歴史を、「〈国民〉の誕生」「近代化する人びとのくらしと仕事」「〈帝国〉日本の社会と人びと」という3つのテーマでとらえた展示となります。また総合展示第6室「現代」の冒頭「戦争と平和」を充実させ、人びとのくらしと戦争の問題を深めています。
人びとは近代という社会をどのように生きていったのでしょうか。
19世紀末から20世紀初頭、新しい経済のしくみが生まれ、くらしも大きく変わりました。戦争や人びとの交流をとおして、世界やアジア諸地域との関わりも深くかつ複雑になっていきます。こうした多様で複雑な人びとの経験に目を向けながら、近代日本のすがたを来館者の皆様とともに考えていく展示をめざしています。

【展示テーマ】
〈国民〉の誕生
近代化する人びとのくらしと仕事
〈帝国〉日本の社会と人びと
【3つの視点】
アイヌにとっての近代
琉球・沖縄からみた近代
「水平」をめざして
近代という時代を人びとはどのように経験していったのでしょうか?
新しい資料と視点で問いかけます。
●地図は近代という経験の場所を静かに語りかけてくれます。それは、近代日本の姿を、世界の、そしてアジアの視点から問いかけるものとなるでしょう。今回のリニューアルでは、たくさんの地図を展示します。日本全体を描いたもの、商家が櫛比(しっぴ)する街並み、ハワイや朝鮮半島でのくらしの場所……。地図を手がかりに、そこにくらす人びとの多様性もあわせて読み取ってほしいと思います。
●民衆生活史、なかでも家族や夫婦のパートナーシップの近代を、経験という新しい視点で描きだしました。展示では、それぞれに近代という時代を背負った一人ひとりの経験に出会うことになるでしょう。
●戦争をへて近代日本社会はどのように変貌していったのでしょうか。戦争・戦場も民衆の視点から考えます。さらに「帝国」という空間の広がりのなかで生きる人びとの多様性(民族や性差、都市と農村などの地域差)を見つめつつ、近代を複合的に描き出すことも今回の新しい試みです。
●文字・こえ・イメージ(写真や絵画)、生産のための道具、消費されるモノたち……。近代という時代を多様に表現する資料を、これまで以上に展示しながら、近代を生きる人びとの経験を読み解いていきます。
19世紀なかば過ぎ、日本は世界的な通商条約網に組み込まれました。明治維新はこうしたなかで行われ、新政府は近代国家をつくりはじめます。資本主義のしくみを整え、学校や軍隊を軸にして人びとを〈国民〉とする政策が行われました。「文明開化」は人びとの意識や生活様式を変えていきます。やがて日本は対外戦争を経て植民地を持つ国になります。こうした経験のなかで人びとは自らを〈国民〉と意識するようになっていきました。
資本主義経済の発展、貿易の拡大、植民地の獲得などによって、日本の産業構成や労働のあり方は大きく変化し、家族やくらし、地域社会にも影響をおよぼしました。近代の日本は農家や商家などの自営業が多数を占める社会でした。しかし、しだいに工場や鉱山で雇われて働く人びとが増加すると、農村からの移動が促され、新たなくらしの場がかたちづくられていきます。ここではくらしと仕事に焦点をあてて、近代社会とは何かを考えてみましょう。
20世紀初頭、日本は植民地や勢力圏を持つ帝国となっていました。帝国の社会関係は、植民地と本国、都市と農村、生産と消費といった領域で、支配と被支配、排除と包摂、中心と周辺などの要素が複雑に重なりあっていました。帝国にくらす人びとの関係も対等ではなく、それは性差といった人びとのありようにも及んでいました。帝国日本の姿はどのようなものだったのか、人びとの生活と社会という観点から、みつめてみましょう。
第5室では「アイヌにとっての近代」「琉球・沖縄からみた近代」「「水平」をめざして」という3つの視点も設けています。これらは、それぞれ独自の歴史や文化を育んだ人びとが経験した近代社会のありようを深めるための展示となっています。また違った角度から近代社会を考える手がかりともなるでしょう。
アイヌにとっての近代
明治政府は「北海道」を置き、植民・開拓政策を推進していきました。アイヌ民族は圧倒的な少数者となり、くらしの場を奪われていきました。また千島列島や樺太(サハリン)のアイヌは、近代の国境の変化のなかで移住を強いられました。こうしたなかでも、新しい学びの場の創造や言語・文化の継承、土地の権利の主張といったアイヌ自らが近代社会に主体的に切り結んだ動きを見つめていきます。
琉球・沖縄からみた近代
琉球王国は「琉球処分」を通じて日本に編入されました。こうした転換(「世替わり」)のなかでこの地の人びとはどのような経験をしたのでしょうか。出稼ぎや移民の経験、さらに宮古諸島、八重山諸島のくらしも視野に入れます。固有のアイデンティティを求めつつ、日本への同化も進展していった琉球・沖縄から、近代の社会や世界はどのように見えてくるのでしょうか。
「水平」をめざして
近世被差別身分であった人びとや、その居住地域への差別と排除は、近代社会においてもかたちをかえながら被差別部落の問題として続いていきました。ここでは部落差別の諸相と、それに抗する運動や活動を、戦後も視野にいれつつ描いていきます。被差別部落の人びとがつちかってきた文化や生業について紹介します。
第6室「現代」の冒頭の「戦争と平和」の一部もリニューアルします。
20世紀なかばまで日本は数々の戦争を繰り返しました。1930年代にはじまる中国との長い戦いは、第二次世界大戦、アジア・太平洋戦争へとつらなっていきます。日本は、これらの戦争によって自国民はもとより他国・他民族の人びとにも犠牲を強いていきました。同時代、世界には平和への模索もありましたが、この頃の日本では、多くの人びとは平和に絶対的な価値をおくことはなかったのです。敗戦と占領の経験は人びとの意識に大きな変容を迫っていくのです。
【入館料】
2026年3月17日(火)より入館・入苑料が変わります。
[博物館]
一 般 個人:900円 団体:800円
大学生 個人:500円 団体:400円
高校生以下 無料
[くらしの植物苑]
一 般・大学生 個人:200円 団体:100円
高校生以下 無料
【施設概要】

FASHION
FASHION
FASHION
FASHION
BEAUTY
BEAUTY
LIFE STYLE
LIFE STYLE
LIFE STYLE
LIFE STYLE
LIFE STYLE