「病院に行って良かった」と思えたきっかけ–起立性調節障害と向き合う当事者・家族126人の受診ストーリー

一般社団法人 起立性調節障害改善協会
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受診のきっかけ1位は「朝起きられない日々の連続」32.5%。受診後、約半数がポジティブな変化を実感

起立性調節障害(OD)の症状に悩みつつも、「ただの怠けかもしれない」「大げさだと思われるのでは」と受診をためらってしまうご家庭は少なくありません。一般社団法人 起立性調節障害改善協会は、起立性調節障害で医療機関を受診した経験がある当事者(10代後半~20代)および保護者126名を対象に、「受診のきっかけとその後」に関する調査を実施しました。その結果、勇気を出して受診のハードルを乗り越えたことで、多くのご家庭が「医学的な説明による安心感」を得て、生活リズムや登校スタイルの改善など、前向きな一歩を踏み出している実態が明らかになりました。「病院に行ってよかった」というリアルな声を通じて、今まさに受診を迷っている方々の背中を押すヒントをお届けします。

調査背景

起立性調節障害(OD)は、朝起きられない、立ちくらみ、頭痛などの症状が現れる身体の病気です。しかし、午後になると体調が回復することなどから、「怠け」や「気持ちの問題」と誤解されやすい側面があります。そのため、当事者や保護者は「何科に行けばいいかわからない」「病院に行くほどのことか」と悩み、受診までに時間がかかってしまうケースが多発しています。そこで当協会は、「何がきっかけで受診に至ったのか」「受診したことで生活はどのように好転したのか」を可視化し、未受診の当事者・保護者に対して「一歩踏み出す後押し」となることを目指して、本調査を実施しました。

調査サマリー

– 受診のきっかけは「朝起きられない日が続き心配になった」が32.5%で最多
– 受診前の不安は「何科に行けばいいかわからない」31.3%、「怠けと思われる不安」22.9%
– 受診して良かったことのトップは「『怠けではない』と医学的に説明してもらえた」25.6%
– 受診後の大きな変化として「生活リズムの改善に家族で取り組めるようになった」が26.2%

詳細データ

Q1:起立性調節障害の症状が出始めてから、医療機関を受診するまでにどのくらいかかりましたか?

– 1~3か月程度:31.7%
– 1年以上かかった:19.8%
– 2週間~1か月程度:17.5%
– 3~6か月程度:13.5%
– 6か月~1年程度:12.7%
– 1週間以内:4.8%

「1~3か月程度」が約3割と最多ですが、「1年以上かかった」という回答も約2割にのぼります。身体の不調に悩みながらも、実際に医療機関を受診するという行動に移すまでに、長期間の葛藤を抱えているご家庭が少なくないことがうかがえます。
Q2:医療機関を受診するきっかけは何でしたか?

– 朝起きられない日が続き心配になったこと:32.5%
– 頭痛・めまいなど身体症状が強くなったこと:22.6%
– 学校の遅刻・欠席が増えてきたこと:16.5%
– ネットやSNSで情報を知ったこと:12.3%
– 家族や知人に受診をすすめられたこと:6.1%
– その他:10.0%

「朝起きられない」「身体症状の悪化」など、日常生活に明確な支障が出たタイミングが受診の大きなターニングポイントとなっています。また、ネットやSNSでの情報収集が受診のきっかけになるケースも1割以上あり、正しい情報にアクセスできる環境の重要性が見て取れます。
Q3:受診前に不安だったこと・ためらっていたことはありますか?

– 何科に行けばいいかわからなかった:31.3%
– 怠けているだけと思われるないか不安だった:22.9%
– 朝起きられないから受診するのは大げさだと思った:20.9%
– 診断されたらどうしていいかわからない不安があった:10.4%
– 費用がどのくらいかかるか心配だった:6.0%
– その他:8.5%

→ 受診先の不明確さに加え、「怠けと思われないか」「受診は大げさではないか」といった心理的ハードルが受診をためらわせる大きな要因です。見えづらい症状に対する周囲の理解不足からくるプレッシャーが、当事者やご家族を悩ませている現状が浮き彫りになりました。
Q4:受診して「良かった」と感じたことはありますか?

– 「怠けではない」と医学的に説明してもらえた:25.6%
– 身体の病気だとわかり本人も家族もホッとした:21.8%
– 具体的な改善策を教えてもらえた:16.8%
– 同じ症状の人が多いと知り孤独感が和らいだ:7.6%
– 学校への説明に使える診断書をもらえた:7.1%
– その他:21.1%(子ども本人の自己肯定感が回復した:6.3%、症状が改善に向かった:5.9%、親として「叱りすぎていた」ことに気づけた:4.6% など)

受診の最大のメリットは、「病気である」という事実が医学的に証明されることによる心理的な安心感です。「怠けではない」とお墨付きをもらうことで当事者の自己肯定感が守られ、ご家族も「身体の病気なのだから仕方ない」と自信を持ってサポートに向き合えるようになります。
Q5:受診後、日常生活や学校生活でもっとも大きく変わったことは何ですか?

– 生活リズムの改善に家族で取り組めるようになった:26.2%
– 登校スタイルを柔軟に見直せた(午後登校など):19.0%
– あまり変わらなかった:11.9%
– 親が叱らなくなり家庭が穏やかになった:11.1%
– 症状自体が改善・軽減した:10.3%
– その他:21.4%(子ども本人が自分の体調を説明できるようになった:8.7%、学校の先生の対応が変わった(理解が得られた):6.3%、通信制・フリースクールなど新しい選択肢を検討できた:4.0% など)

受診を通して正しい理解が進み、「家族が一丸となって生活改善に取り組めるようになった」「学校との連携で登校の選択肢が広がった」など、具体的な環境調整へとつながっています。受診は単なる「治療の始まり」ではなく、「生活を立て直し、心を軽くするための大きな転換点」になっていることがわかります。

調査結果のまとめ

今回の調査から、起立性調節障害の疑いがあっても、「何科に行けばいいかわからない」「怠けだと思われるのが怖い」という不安から、受診までに時間を要するご家庭が多いことがわかりました。しかし、勇気を出して医療機関を受診したことで、半数近くが「怠けではないとわかった」「病気だとわかりホッとした」と回答しており、診断がもたらす心理的救済は計り知れません。また、受診を機に生活リズムや登校スタイルの見直しが進み、家庭が穏やかになるなど、受診は現状を打破しポジティブな変化を生み出す強力なきっかけとなります。もし今、受診を迷っている方がいれば、まずは「安心を得るため」に一歩を踏み出してみることが大切です。

一般社団法人 起立性調節障害改善協会のコメント

起立性調節障害(OD)の症状は「見えないつらさ」であり、誰にも相談できずご家庭だけで抱え込んでしまうケースが非常に多いです。今回の調査でも、「怠けと思われないか」と不安を抱きながら、それでも限界を迎えて受診し、結果的に「ホッとした」「対応の仕方が分かった」と救われるご家族の姿が浮き彫りになりました。
病院への受診は、決して「大げさ」なことではありません。医学的な視点が入ることで、子ども自身が「自分のせいじゃなかったんだ」と安心でき、親御さんも「どうサポートすべきか」の方向性が明確になります。受診は、ご家族が笑顔を取り戻すための大切な第一歩です。迷っている方は、ぜひお近くの小児科や内科、専門外来にご相談してみてください。

調査概要

– 調査主体:一般社団法人 起立性調節障害改善協会
– 調査期間:2026年5月11日~2026年5月21日
– 調査対象:起立性調節障害で医療機関を受診した経験がある当事者(10代後半~20代)および当事者の保護者
– 調査方法:インターネットによるアンケート調査
– 有効回答数:126名

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