お呼ばれ

ドレスはNG?神前式に呼ばれたときのお作法マナー

神前式といえば、三々九度の杯を交わし、夫婦の契りを結び、玉串奉奠(たまぐしほうてん)で神に感謝の気持ちを捧げる、日本の伝統的な挙式スタイルですよね。

“ウェディングドレスを着て、教会で挙式”という「教会式」がメジャーですが、最近では白無垢も人気で「神前式」を選ぶカップルも増えてきているそう。

でも、神前式のマナーとはどういったものなのでしょうか?

どのような儀式が行われるのかを知り、あらかじめお作法を身につけておくと、自信をもって出席することができます。

今回は、元ブライダルプランナーでマナー講師でもある筆者が、神前式にお呼ばれしたときのお作法マナーについてお伝えします。

 

■神前式でドレスはNG?

「神前式だからと言って洋装(ドレス)は、ダメなのでは?」と思っている方も多いようですが、実は洋装でもかまいません。

ドレスを着用する場合には、フォーマルなものを。露出を控え、必ずボレロやストールなどの羽織るものを用意しましょう。

神前式では、神殿に靴を脱いであがります。

その際は素足は厳禁ですので、ストッキングを履いておくことをお忘れなく。

和装で出席する場合には、ゲストは新郎新婦より格下の服装をするのがマナー。

振袖には大振袖・中振袖・小振袖があり、袖が長いほど格が高くなります。

一般的に新婦は、大振袖を着用することが多いので、振袖を着て出席するときには、中振袖がおすすめです。

既婚者は、訪問着や色無地を選ぶようにしましょう。

■神前式の流れ

以下に一般的な例をご紹介いたします。

詳細な流れは、各式場などによって多少異なることがあります。

1.手水(ちょうず)の儀

挙式に先立ち、巫女の案内で手を洗い、口をすすぎます。身を清めるための儀式で、ホテルや式場では省略することが多いです。

2.入場・参殿

巫女の先導で新郎新婦→両親→兄弟姉妹→親族の順に入場します。神殿に一礼し、向かって右に新郎が、左に新婦が着席します。

3.斎主入場

斎主(式を司る役)の入場後、典儀(式の進行役)が挙式開始の口上を述べます。一同起立、神前に深く一礼。

4.修祓(しゅうばつ)の儀

参列者の身を清める儀式。典儀の合図で一同起立。頭を軽く下げて斎主のお祓いを受け、神前に一礼して着席します。

5.献饌(けんせん)の儀

斎主が神前に供え物をする儀式。新郎新婦は典儀の指示で神前に進み「二礼、二拍手、一礼」の拝礼を捧げます。

6.祝詞奏上(のりとそうじょう)

一同起立。斎主は、神にふたりの結婚を報告し、神のご加護を願う祝詞を読み上げます。斎主が着席したら一同着席。

7.三献(さんこん)の儀(三々九度の杯)

大中小の三つ組みの盃で、新郎新婦が順番にお神酒を飲み交わして夫婦の契りを結びます。一の杯(小)を新郎が受け、次に新婦がその杯をいただきます。二の杯(中)は新婦から新郎へ、三の杯(大)は再び新郎から新婦に渡されます。どの杯も一口め、二口めは盃に口をつけるだけで、三口めで飲み干します。

8.誓詞奉上(せいしそうじょう)

神前に、新郎新婦が進み前に出て一礼し、新郎又はふたりで誓詞(誓いの言葉)を読み上げ、「幾久しく」力を合わせていくことを誓います。

9.玉串奉奠(たまぐしほうてん)

玉串を神前に供えます。まず新郎新婦がふたりで捧げ、その後「二礼、二拍手、一礼」をし、内回りで向きを変えて席に戻ります。続いて、両親代表の順に。参列者は、両家代表のときに起立して拝礼します。

10.指輪交換

もともと神前式にない儀式ですが、最近では行われるのが一般的です。

11.親族杯の儀

両家が新たに親族関係を結ぶための儀式。全員にお神酒が注がれたら起立し、三々九度と同様に三口で飲み干しましょう。

12.退場

斎主が神に式の無事終了を報告し、ふたりに祝辞を述べる。一同起立し拝聴し、最後に斎主とともに一礼。斎主退場後、入場のときと同じ順番で退場します。

■すてきな出席者に…♡

神前式は、さまざまな儀式があり厳粛に執り行われます。

挙式当日にもスタッフから説明があるので心配はいりませんが、お作法を知っておくとあなたの印象もよくなりますよ。

晴れ舞台で友人に恥ずかしい思いをさせないためにも、基本的なお作法は今から覚えておき、当日はスマートな立ち振る舞いができるようにようにしておきましょうね。

 

文/桜 美月 画像/PIXTA(ピクスタ)(hanack、Aちゃん、Mat’s) 出典/『The Business of Japanese Weddings』 (全米ブライダルコンサルタント協会発行)

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