デビュー以来着実に地位を築いてきた、人気モデル・Niki。いつも自然体で人と会うのが好きな彼女の趣味は、旅行とドライブだ。ステイホームを強いられた2020年は、やはりストレスを感じることも多かった。

「元からすごくアウトドアな性格で、人と一緒にいるのが好き。休みが3日続けば、パッと海外に行ってた。家にいる時間が長かった2020年はちょっと辛かったですね。テレビはあんまり見ないから、音楽を聞いて、家事をして、ご飯を食べて、ふと気が付くと数日間誰ともしゃべってないな〜、なんて生活。家での時間の使い方が分からなくて苦労しました。もしかしたら、性格が落ち着いたかもしれない(笑)」

生活スタイルが変わる中で、新しく試してみたのがインスタライブ。自分を知っている人たちに、これまでよりも親近感を持ってもらいたいと思って始めた。

「直接会った人には、『イメージと全然違う!』とか『もっとクールだと思ってた』って言われがち。SNSでだけ私を見ていると、中身に対してのイメージはちょっとズレちゃうのかも」

もちろん、そのイメージは、Niki自身が作り上げてきた部分もあるだろう。顔立ちとルックスを最大限に生かした写真や動画を日々投稿し、現在は82万人のフォロワーを抱えている。

「私個人は、SNSどっぷりの人間ではないんです。Instagramもモデルとしてのお仕事の一環。フォロワー数がお仕事につながることも多い時代なので、もちろん大切なものですけど」

最もフォロワーが増加したのは2018年。『TERRACE HOUSE ALOHA STATE』、『今日、好きになりました。』などへ出演が続いて知名度が増し、フォロワーの変動幅が一気に大きくなった。

「あの頃は、1日でフォロワーが1万人増える時もありました。でも新しいフォロワーさんって、次の写真がつまらないものだと、すぐに去っちゃうんですよ。だから1万人増加の翌日に2000人下がる、みたいなことも珍しくなかった。写真をアップする時間や内容を結構細かく考えてないと、フォローし続けてもらえない」

仕事に関するインタビューでも、周囲から求められるものに全力で応えるときに喜びを感じると語っていたNiki。Instagramのひとつひとつの投稿をする際も、「自己満足の写真は上げない」と言い切る。「ファンから見たNiki」「クライアントから見たNiki」「全く知らない人から見たNiki」…いろいろな視点でその写真がどう見えるかを考えながら運用している。広く反響があるのは、やはり顔が大きく写っている写真で、その次はリラックスしたプライベート感のある写真だ。

「『この写真はこの時間がいいな』、『この風景を上げるなら、笑顔がいいだろうな』、『テキストを添えるときに、これは絵文字つけないでおこう』とか、自然と試行錯誤しています。仕事の幅を広げていくために、『こんな表現もできます』という挑戦もInstagramを通じて見せるようにしてます」

誰もがSNSアカウントを持ち、自分らしい発信にいそしむ昨今。「セルフブランディング」がもてはやされる一方で、「SNS疲れ」の声も聞こえてきた。数十万人以上に発信するNikiは、疲れることはないのだろうか? 尋ねると「めちゃくちゃあります(笑)」と冗談っぽく笑う。

「アカウント消しちゃおうかな、と思うこともたまにあります。必ずしもポジティブなコメントが来るわけじゃないし、自分が発信したことへのリアクションが何千倍にもなって返ってくるのは、それだけでプレッシャー。だから、しんどいなって時はログアウトしてます。しんどいのを周りに知ってもらいたいわけじゃなく、あくまで自分の中でバランスを取るためですね。疲れる時はあるけれど、それだけの人に注目してもらっていて、時間をかけて見てもらっているのは、ありがたいこと。捉え方次第だな、って思う」

フォロワーが増える中で悩ましいのが、Niki自身の実際の言動に対する反応だけでなく、言ったりやったりしていないことを憶測した上での意見が増えてきたこと。事実への批判であれば受け止めることができるが、想像であれこれ言われてしまうと、じれったい時もある。

「私、インタビューで聞かれればなんでも話しちゃうけれど、自分の胸の内をあえてアピールしたい方ではない。でも、自分のことを自分からちゃんと話しておかないと、何にも考えてないと言われたり、憶測が広がったりしちゃうんだなというのは、年齢を重ねて学びました。かと言ってなんでも説明するわけにもいかず。とても難しい」

インフルエンサーとしての重圧を、ぽつりと話してくれた。人気の上昇とともに、丹羽仁希としての生活も含めた彼女が「商品」になっている。プライベートが仕事に侵食されるようになって、葛藤はないだろうか。

「無理してる感覚はないですね。『大人になったってことかな』と捉えています」

仕事のために生きているのではなく、人生にいろいろな要素がある中で、一つのラインが「仕事」なのだと、Nikiは考えている。

「このラインで、お金を稼いで、自分を成長させて、いろんな経験もできるんだけど、それが全てじゃない。今は、どうしてもプライベートに仕事が食い込んだり、周りのことを考えたりしないとならないことは増えてはいるけど、疲れたらプライベートを完全にONにしてもいいと思ってる。人間だからね」

まだまだ知られていない人間・Nikiの魅力が、垣間見える横顔だった。

カーディガン¥60,000デニムパンツ¥53,000(ともに3.1 Phillip Lim/3.1 Phillip Lim Japan)ピアス¥24,000リング[人差し指]¥200,000[中指]¥86,000[薬指]¥240,000(すべてGIGI/white office)その他はスタイリスト私物

Photography_Hana Yoshino
Hair&Make-up_KATO<TRON>
Stylist_Erika Abe
Text_Hirarisa
cooperation_Rena Kani
Design_Yoshitatsu Yamaya(Ma-hgra)
Composition_Dai Iwaya

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