月経以上に付き合いのある「おりもの」だけど、詳しく教えてもらったこともないし、何のためにあるのかわからないというのがJJ世代のリアルかも。そこで今回JJ突撃記者のしもにゃんが、産婦人科の高橋先生に改めてインタビュー。健康に関わるありがたい存在でもありました。
JJ突撃記者 しもにゃん
都内私大の3年生。新しいこと好きが高じて、忙しくて猫の手も借りたいJJ編集部にスカウトされ突撃記者に。カラダの知識は、保健の授業か、友達の噂話がもっぱらの情報入手先(が、関心はMAX!)。大学2年生から付き合っている彼もいる。目標は、同級生にさをつける大人のイケてる女性!
今回の専門家
東邦大学医療センター 大橋病院 産婦人科
高橋怜奈先生
世界初の女医プロボクサーとしても活躍中。ダイエットや食事療法、運動療法のアドバイスも行う。最近はYouTubeでの発信も力を入れて活動。水曜日は四ツ谷レディスクリニックでも診療にあたる。
真実01. 鼻水と同じ生理現象の1つ!女性ホルモンが出ている証拠でもある
しもにゃん
今まで女性のカラダにまつわる色々なことを取材してきて、そういえば「おりもの」って何だろうにゃって友達と話題になったにゃー。月経の日以外は、ずっと「おりもの」が出ているのに改めて考えるとよくわからない子が多いんじゃないかと思って今日は高橋先生に取材にやってきましたにゃ!そもそも、「おりもの」ってなんなんですかにゃ?
高橋先生
「おりもの」とはその名前の通り、女性のカラダの中からおりてくるもの。性器の分泌物の集合体で、子宮や膣壁の分泌液や古い細胞などが混じり合った粘性のある液体のことを指すんです。女性ホルモンの働きによるものなので初経の1年くらい前から、「おりもの」が出てくるのが通例ですよ。
しもにゃん
ただ、ベタベタして臭いも気になるし、下着も傷むにゃ。マイナスなイメージのある「おりもの」には、どんな役割があるのかにゃ?
高橋先生
「おりもの」は女性のカラダにとって必要な2つの役割を担ってくれています。先ずは「自浄作用」といって、雑菌が膣を通して体の中に入ってくるのは防いでくれているというのが1つ目の役割。2つ目は排卵期に、精子の侵入を助けてくれる効果もあるんです。特に子宮の出口から出る「おりもの」は精子がスムーズに膣内に到達する役割も担っていますよ。
しもにゃん
にゃるほど!「おりもの」が女性のカラダを守ってくれているものというのは分かったにゃ。「おりもの」はその時々によって、サラサラしていたり、どろっとした状態や量の増減があるけれど、これは正常な働きによるものなのかにゃ?
高橋先生
女性のカラダは女性ホルモンの影響を受けて、一定の周期で変化を繰り返しているから、生理と同じように「おりもの」にも周期があって、その周期に合わせて量や状態が変化しているんですよ。「おりもの」があって心配とクリニックに受診に来る人も多いけれど、いつもよりも量が多いとか強い臭いがするとかではない限り、基本的には心配する必要はないです。
しもにゃん
それを聞けて、安心したにゃん。ピルを飲むことで「おりもの」の量を減らすことはできるのかにゃ?
高橋先生
ピルは女性ホルモンの波を穏やかにしてくれる作用を持っているから、ピルを飲むことで「おりもの」の量が一定になるという患者さんもいますね。ただ「おりもの」の周期や変化を知っておけば、カラダの周期を知る目安にもなるので、「おりもの」の量を減らそうとしなくても大丈夫ですよ!
しもにゃん
逆にこんな「おりもの」が出てきたら危険!なんてサインはあるのかにゃ?
高橋先生
透明〜白っぽい「おりもの」が通常の状態で、乳酸菌が多く含まれているので多少酸っぱい臭いもします。時間が経つと、酸化して黄色くなることも。なんらかの炎症が起きている時は、黄緑色をしているので要注意です。1日に何ミリ出るとかはないけれど、おりものシートを1日に何回も変えなきゃいけないというのは危険なサインかも。
真実02. おりものの増加=性病ではない!無症状の性病もあるから注意して
しもにゃん
「おりもの」の量が多いと、「もしかして性病かも⁈」とドキドキする読者も多いみたいだけれど、そこらへんはどうなのかにゃ?
高橋先生
「おりもの」の量の増加でクリニックに駆け込んでくる患者さんも少なくないけれど、そもそも性病は無症状のものが多いから、おりものの量や状態だけで判断するのはNG!
しもにゃん
そうなんだにゃ!
高橋先生
例えばカンジタだと、「おりもの」がカッテージチーズのようにぽろぽろした状態で、痒みが出たりすると明確な治療の対象になりますね。性病=かゆみや「おりもの」の量が多いと思われがちだけど、実は性病は症状がないものも多いの。
しもにゃん
カンジタ以外にも「おりもの」の状態や量で判る、性病の兆候はあるのかにゃ?
高橋先生
トリコモナスは、緑色で泡っぽい「おりもの」とかゆみが出ることが多いですね。プールで感染するリスクもある性感染症の一種。クラジミアや淋菌は自覚症状がないことがほとんどで、よっぽど悪化しない限りは「おりもの」として症状が出ることがないんですよ。
しもにゃん
「おりもの」では判断のつかない性病が大半なんだにゃ。性病を放置すると、子宮の病気にかかってしまうリスクも上がると聞いたことあるけれど、定期的に性病検査を受けるべきかにゃ?
高橋先生
性病か性病じゃないかは自分じゃ判断がつかないからこそ、少しでも異常を感じたり、パートナーが変わったタイミングやコンドームのない性交渉をした時は、性病検査を受けるに越したことはないですね。
しもにゃん
性病検査ってどこで受けられるのかにゃ?
高橋先生
コロナウイルスの影響で保健所での性病検査がストップしていることも多いけれど、産婦人科でも検査を受けることは可能なのでぜひ受けてほしい!クラジミアや淋菌は自然治癒することもないので、知らぬ間に不妊の原因になってしまっていて、自然妊娠ができなくなってしまうことも…。性病検査を受けることで自分はもちろん、パートナーを守ることにも繋がるんです。
しもにゃん
性病以外にも、「おりもの」の量や状態が予兆となり得る気をつけるべき病気はあるのかにゃ?
高橋先生
子宮頸がんは年配の女性の病気と思われていることも多いけど、10代〜20代の罹患率も多いのが現実。ただ、子宮頸がんの症状が「おりもの」に現れる時は、かなり病状が進行してしまっている状態なので、若い女性こそ2年に1回は必ず子宮頸がんの検診を受けてほしいですね。
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