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[Alexandros]川上洋平さんに、本日発売のベストアルバムの中から、オススメの曲を聞いてみた

JJ世代にも大人気のバンド[Alexandros]。昨年迎えた10周年を締めくくる、ベストアルバム『Where’s My History?』を本日3月17日に発売! ボーカルの川上さんにJJ読者へオススメの曲から、10年を経て変わった曲への気持ちを語っていただきました。

—改めまして10周年おめでとうございます! 早速ですが、JJ世代の女の子に川上さんからオススメをしたい曲を教えてください。

そうですね…。まず新曲の「風になって」はぜひ聴いてほしいですね。あとは、ラブソングがいいかなぁと思うのですが、[Alexandros]は恋愛の曲がほとんどないんですよ。数少ないラブソングの中から選ぶなら「Leaving Grapefruits」という“ど”がつくほどの失恋ソングかな。切ない心理を描いた歌詞にも注目をして聴いてもらいたいです。

—恋愛ソングが少ないことには、理由があるのでしょうか?

不得意だなぁと自分で感じますね。パーソナルすぎて、曲が思いつくような描写が浮かんでこないんですよ。とくに幸せな「この子のこと好きだな。デートしたいな」という時は、幸せな気持ちで完結してしまって、曲にはならないんですよね。別れたり振られたりした時のほうが、メロディーも出てきやすいし、描写しやすい。それはなぜかというと、一人だからなんですよね。恋人と2人でいる時は2人の気持ちで完結してしまうから、失恋の時の、ひとりでその人のことを恋い焦がれて思っている時のほうが曲ができるんだと思います。

—普段の曲づくりは経験のなかから生まれるものなのでしょうか?

たとえば、悔しい思いをしたときとか、何かを追い求めているときに自分の中でインストとして流れてきて、そこに思いとか歌詞を乗せることはあります。歌詞はあまり明確な目的があって書いていません。基本的にふわっとした表現にしていますね。そのほうが、音楽のあるべき美しい姿なのかなと思っていて。絵画でも作者が「この絵はこういう意図があって描きました」といわれると、その視点だけでしかみられなくなってしまうじゃないですか。なので僕らの曲も応援ソングと捉えてもらってももちろんいいのですが、僕自身は「そんな大それた曲じゃないよ! 俺を応援してよ!」と思っています(笑)。もちろん、力になったと言われるとうれしいですけどね。自分も去年歌っていた曲で、当時の思いを込めて歌わないといけない、となるよりかはその時々の違う思いで歌いたいなと思うので、それぞれの捉え方で自由に聴いてほしいです。

—制作をした当時と気持ちの変化が大きかった曲を上げるとしたら、どれでしょう?

今回のベストアルバムにも収録されている「city」という曲は、当時は自分の中ではあまり好きな曲ではなかったんですよ。でもせっかくつくったし、取り合えず曲にしようと思って。そうやって仕上げていたら、スタッフさんが気に入ってくれて、ファーストシングルとして出すことになったんですよね。でもその時もずっと「本当にいい曲なの?」って半信半疑でしたね。
 ライブで初めて披露をしたら、すごい盛り上がったんですよ。初めてライブでダイブも起こって。あの時はうれしかったですけど、それでもまだピンと来てなかったんです。

—そこまでファンに受け入れられてもご自身はしっくりこないんですか!

そうなんですよね。でも最近になって、僕自身もこの曲を好きになれました。今でもライブでやると「待ってました!」という感じに、お客さんが毎回盛り上がってくれるんです。それをステージから感じ取っていくうちに、自分でも好きになっていき、特別な曲になりました。ファンの方たちから愛されたおかげで、感化されていった思い入れのある曲ですね。

−11年目を迎えた今、なかなか活動も難しいですがファンの方へメッセージをお願いします。

コロナ禍でライブにいけない、音楽を普段のように楽しめないという状況ですが、それでもできることはあると思うし、いつかまた体験をプレゼントするよ。という気持ちが強くなっています。その時まで待っていて下さい。

information

デビュー10周年を締めくくる記念すべきベストアルバムが、3月17日に発売! メンバー自身が選んだ[A]盤と[C]盤の豪華2枚組で33曲を収録。
『Where’s My History?』【通常盤】(2CD)¥3,000+税【初回限定盤】(2CD+DVD)¥4,300+税【初回限定盤】(2CD+Blu-ray)¥4,700+税

■Profile
川上洋平(かわかみようへい)。[Alexandros]のギターボーカル。2010年にデビューを果たし、昨年10周年を迎えた。現在放送中の「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」(日本テレビ系・毎週水曜よる10時放送)では、主人公の担当編集者役として俳優デビュー。より幅広い層からの注目を集めている。

写真/永峰拓也 取材・文/川端宏実

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