子役時代から活躍し、俳優だけでなく、声優や音楽ユニット活動など多彩な活躍を見せる美山加恋さんと、確かな演技力と独特の存在感で、若手ながらも実力派女優として注目を浴びる富田望生さん。フレッシュな魅力を放つ2人の注目女優が、12月3日に公開されるオリジナルアニメーション映画『フラ・フラダンス』で声の共演! “新人フラガール”の挫折と成長を描く作品の魅力と、おふたりの考える“仕事への想い”を聞いてきました!
富田さん「声の仕事、実は苦手意識がありました…」
–アニメーション映画『フラ・フラダンス』、いよいよ公開間近となりました。奮闘する新米フラダンサーたちを演じてみての感想を教えてください。
美山加恋さん(以下、美山):私自身が小さい頃からフラダンスをやっていて、フラダンスが大好きという気持ちがあったので、そういう意味ではすごくやりやすかったです。でも、私が演じた鎌倉環奈ちゃんは、私の性格とは真逆で…。リーダーシップを取っていくタイプで、自分に対して完璧主義で、割とサバサバしていて。私はあまりリーダーシップを取れないほうなので、その点ではアフレコで苦戦した思い出がいっぱいありますね。セリフの言い方にしても、悪くとられれば“キツイ子”になってしまいかねない。でも、鎌倉環奈ちゃんの良さは、そのキツさの中にプロとして頑張りたいっていう精いっぱいな思いがたくさん詰まっているところなので、そこは間違って捉えられないように繊細に演じました。
富田望生さん(以下、富田):私は長編のアニメーション作品に出演するのが初めてで! 以前短編アニメで声の出演をさせてもらったときに、声だけで表現するのってすごく難しいなと感じて、苦手意識があったんです。でも、今回の『フラ・フラダンス』が地元・福島が舞台の話だということもあって、苦手とかそういうことは考えずに「お受けします!」とすぐにお返事しました。でも、声だけで演じることの難しさを知っていたからこそ、アフレコが近づくにつれて「本当にできるかな…」「どうやってやるんだろう…」と未知の世界への不安が高まってしまって。そんな私を見て監督が「あなたにあわせた蘭子ちゃんを作っていくから、富田望生という一人の俳優として参加してくれたら大丈夫だよ」と言ってくださったんです。それで自分の声のお仕事との向き合い方がパーっと道が開けた気がして。監督の言葉にすごく救われましたね。すごく楽しかったですし、結果的には録れば録るほど楽しくなっちゃう感じでした。
美山さん「仕事の喜びは、現場で作品を“作っていく“こと」
–それぞれ長いキャリアを持ち、演技の仕事に向き合ってきた美山さんと富田さん。お二人が、仕事をしていて喜びを感じるのは、どんなときですか?
富田:難しい!(笑)なんだろう、やっててよかったこと…。
美山:私は現場にいるときが一番楽しいです。そもそも“作る”作業がすごく好きで、完成したものを見て「やった!」と思うよりも、現場の空気感に喜びを感じるタイプなんです。台本をもとにみんながいろんなアイディアを持ち寄って作って行く作業が楽しくて。昔は(そういう場面で)自分を発信できなかったけど、大人になっていろんな経験をして、今はアイディアを出せるようになったんです。自分の意見が監督に採用されたときなんかは、すごく喜びを感じますね。
富田:私は“届いた”時ですかね。作品を作って完成してそれが届くって、奇跡に近いことなんだなって。受け取ってくれる方がいて初めて作品って成立するじゃないですか。作品が誰かに渡っていく瞬間は、もうちょっと手元にいて欲しかった名残惜しさや寂しさも感じるんですけど。でも、受け止めてくれる方々に作品が渡って、どんどん遠くに羽ばたいて広がっていく瞬間というのが一番幸せかもしれないです。
20代にして最前線。2人が大切にする「信念」とは---?
–お二人は、仕事をする上で信念はありますか?
美山・富田:信念、信念…(しばらく考え込む)。
美山:どんな仕事でもそうだと思うんですけど、自分のやっていることをどこまで楽しめるか、興味を持っていられるかは大事にしています。興味がなくなってしまったら、しんどいと思うんですよ。幸いにも今まで仕事を嫌いって思ったことはないんですが、これから先、興味を維持していくには努力も必要だと思うんです。それこそ本を読んだりとか自分の中の知識を広める作業とか、こんな人がいるんだって知ることとか。結局この仕事って全てが繋がっていくので、そこが楽しいなって思います。
富田:私は人との関わりを大切にすることですかね。作品に入る上で一番大事にしているのがコミュニケーションをしっかりとること。自分一人じゃ役は完成しないので、作品のなかの他の登場人物だったり、はたまたその登場人物を演じる役者さんだったり、それを信じて演出する監督だったり、スタッフの皆さんだったり、なんかその人たちのパーソナルな部分とまではいかないですけど、コミュニケーションをとらないと戦うことも対立することもできないので、まずはそこからっていうのを意識しながらやっています。
映画『フラ・フラダンス』の”個人的”推しポイントは?
–『フラ・フラダンス』の中で特にここを見てほしい!という注目ポイントを教えてください。
美山:私はすごくフラダンスが好きで、この作品に深い縁を感じてオーディションを受けさせていただいたので、ダンスシーンですね。すごく気合いを入れてアフレコにも臨みました。主人公たち5人は新人フラガールなので、いろんな曲のフラダンスを練習するんです。フラダンスといえば、な有名曲がいっぱいでてくるので、この作品をきっかけにフラダンスへの興味も持っていただけたらうれしいですね。
富田:私が個人的に感動したのは、作品の中で描かれる福島の景色なんです。出てくるもの全てが「わかるわかる! 懐かしい!」って感じでした。私にとっては当たり前だった風景や当たり前だった場所、ハワイアンズやアクアマリンふくしまという水族館、海辺の景色などが、こんなにも美しくアニメーションで表現されるんだ!って感激しました。いわきにしかないものが、あったかく映し出されていたのが嬉しかったんです。『フラ・フラダンス』を観て、ハワイアンズ含め福島に興味を持っていただけたらなと思います。
映画を通してJJ世代に伝えたいメッセージとは?
–映画を見てくださった方に届けたいメッセージをご自身の言葉で教えてください。
美山:この映画は5人の女の子が成長していく姿がたっぷり描かれている作品です。本当に個性がバラバラな5人で、チームになるってなんて大変な作業なんだって思うんですけど(笑)、特に同世代の方には共感してもらえることがあるんじゃないかなって思います。同時に、頑張る姿ってなんて眩しいんだとも思ったんです。がむしゃらに頑張れるってかっこいいことだと思うので、恥ずかしがってドライになるんじゃなく、がむしゃらに頑張るのもかっこいいんじゃない?っていうのが伝わればいいと思っています。
富田:純粋に、すごくいい作品です。笑える部分もありますし、ちょっとホロリとしちゃう部分もあって。並大抵な言葉になってしまうんですけど、勇気をもらえる作品なんです。5人の女の子たちが奮闘する姿が見てくださった方に勇気を届けてくれることを確信しているので、ぜひ観に来てください!と自信を持ってお勧めして、インタビューを締めたいと思います(笑)。
–ありがとうございました!
(C)BNP, FUJITV/おしゃれサロンなつなぎ
映画『フラ・フラダンス』12月3日(金)全国ロードショー
福島県いわき市に暮らす高校生・夏凪日羽(声・福原 遥)。卒業後の進路に悩む日羽は、かつて姉・真理が勤めていた「東北のハワイ」こと「スパリゾートハワイアンズ」のポスターを見て衝動的に、新人ダンサー=フラガールの採用試験に応募する。未経験ながらも採用された日羽は、鎌倉環奈(声・美山加恋)、滝川蘭子(声・富田望生)、オハナ・カアイフエ(声・前田佳織里)、白沢しおん(声・陶山恵実里)たち同期と共にフラガールへの道を歩み始めるが、個性豊かすぎる5人の足並みはそろわず、初ステージで大失敗をしてしまい—–。笑いあり、涙ありで新人フラガールの成長を描く青春物語。
撮影/山根悠太郎 ヘアメーク/池戸 朝都(美山加恋)・池田ユリ(富田望生)〈eclat〉スタイリング/藤井希恵(美山加恋)・阪上秀平(富田望生) 取材・構成/宮島彰子(JJ編集室)