『おいハンサム‼2』(東海テレビ)公式ホームページより
4月から新しく始まる地上波のドラマはなんと40本以上! 全部観てたら時間がいくらあっても足りません。というわけで、コラムニスト小林久乃と元JJ編集長イマイズミのドラマオタク2人が、これは絶対面白いはず!というドラマをピックアップしました。
事前情報がほとんどない木村拓哉主演ドラマが木曜日に!
イマ:木曜日の目玉は『Believe-君にかける橋-』(4月25日 木曜21時/テレビ朝日系)ですかね。橋づくりに情熱を燃やす大手ゼネコン所属の設計者・狩山陸(木村拓哉)が、刑務所に収容されるという思わぬ困難に見舞われながらも、決して諦めることなく希望と再生の道を模索するというストーリー。
小林:あー、だから予告動画で刑務所の面会室にいるんですね。『VIVANT』(2023年/TBS系)ほどではないですが、このドラマも情報がほとんどないですね。共演者もわからない。
イマ:スタッフは『BG~身辺警護人~』(2018年/テレビ朝日系)と同じ、脚本・井上由美子、監督・常廣丈太という布陣なので、間違いはなさそうですが。
小林:私は『Re:リベンジ-欲望の果てに-』(4月11日 木曜22時/フジテレビ系)の方が気になりますね。非モテ、社畜、童貞をやらせたら日本一の俳優・赤楚衛二くん(天堂海斗役)が欲望渦巻く巨大病院と戦う記者というカッコいい役どころ!
イマ:非モテ脱皮ですかね(笑)。そして敵役(?)は錦戸亮(大友郁弥役)、共演は光石研、笹野高史、余貴美子、梶原善と曲者揃いです。
小林:錦戸くんは、『不適切にもほどがある!』に出演したり、リリー・フランキー主演の映画『コットンテール』で一人息子役を演じたりと、今年に入ってからも引っ張りだこ。
イマ:スピード感のある展開を意識したドラマらしいので、二人の掛け合いが楽しみです。
イマ:もうひとつ、木曜日で注目してるのは『スナック女子にハイボールを』(4月4日 25時04分/中京テレビ)です。山口紗弥加と北香那のW主演、Aマッソ・加納愛子の脚本によるシチュエーションコメディ。スナック好きとしては観ないわけにはいかない!
小林:でも、このドラマ、東京だとTVerで観るしかないですね。
イマ:そこが若干残念なのですが、予告動画を見る限りはテンポのいい会話が心地よくて、1日の終わりに見ると癒されそう。
小林:外でもスナック、家でもスナックですね(笑)。
金曜日はサスペンス、ラブストーリー、コメディとバラエティー豊か
小林:金曜日は『君が獣になる前に』(4月5日 金曜24時12分/テレビ東京系)に期待しています。主人公・神崎一(北山宏光)は、史上最悪のテロを起こした幼馴染・希堂琴音(玉城ティナ)のことを調べている途中、何者かに殺され、過去にタイムリープしてしまう。人の持つ闇や「獣性」を描いた戦慄のノワール・サスペンスだそう。北山くんは事務所を移って最初の主演作品です。
イマ:スタッフは『ただ離婚してないだけ』(2021年/テレビ東京系)と同じチームですね。
小林:結構気持ち悪いシーンも多かったのですが、北山くんの攻めたクズ男演技が印象に残ったドラマでした。
イマ:原作漫画を読んだんですけど、ほっこりした話かと思いきや、一転、大量虐殺するシーンで終わる衝撃のスタート。タイムリープも絡んできて、かなり複雑なストーリーになりそうです。
小林:タイムリープものは1クールに必ず1本はありますね。
イマ:タイムリープドラマ50選って記事を書けそう(笑)。
イマ:私が面白そうだなと思ったのは『9ボーダー』(4月19日 金曜22時/TBS系)。19歳、29歳、39歳と10歳ずつ離れた三姉妹が主人公のヒューマンラブストーリー。
小林:昔はよくありましたが、三姉妹ものって久しぶりですね。長女が木南晴夏(成澤六月役)、次女が川口春奈(大庭七苗役)、三女が畑芽育(大庭八海役)と旬の3人ですね。
イマ:そして、相手役は松下洸平(コウタロウ役)、井之脇海(松嶋朔役)、木戸大聖(高木陽太役)と、こちらも旬の3人。
小林:木戸大聖くん、いいですよねー!
イマ:女性の「大台」前は、恋愛、結婚、出産にまつわるいろんな悩みが噴出する時期。私が女性誌やってる時もよく特集のテーマに上がっていました。
小林:最近は「大台」とか年のことをいうと“不適切”って言われそうですけど、でも現実には意識せざるをえない。
イマ:このドラマではどういう答えを出すのか楽しみです。
小林:そして、私もイマイズミさんも注目してるのは『イップス』(4月12日 金曜21時/フジテレビ系)。“書けなくなった”ミステリー作家・黒羽ミコ(篠原涼子)と“解けなくなった”エリート刑事・森野徹(バカリズム)の“絶不調バディ”が絶妙会話術と掛け合いで事件を解決するミステリーコメディだそう。
イマ:予告動画を見たら、たしかに二人の会話が絶妙だったので期待大です。
小林:“書けなくなった”作家か…、身につまされます。
イマ:そもそもイップスって不安やプレッシャーからくる運動障害のことなんですが、そういう一般的な使われ方がされてるんですね。
小林:主演ドラマが始まるからでしょうが、TVerで篠原涼子のドラマがたくさん配信されていて、ついつい観ちゃうんですよ。『アンフェア』(2006年/カンテレ)、『ハケンの品格』(2007年/日本テレビ系)、『ラスト・シンデレラ』(2013年/フジテレビ系)、とやっぱり面白いんですよねー。
イマ:ここ最近の主演作品は「ん?」ってなるのが多かったから、『イップス』に期待ですね。
土日の本命は名作ホームコメディの続編と日曜劇場
小林:土曜日の本命はやっぱり『おいハンサム‼2』(4月6日 土曜23時40分/東海テレビ)ですよね。伊藤理佐の漫画が原作で、クスッと笑えて、お腹もすく、「恋」と「家族」と「ゴハン」をめぐる新感覚コメディドラマの続編。
イマ:またあの家族が見られると思うと、今からワクワクが止まりません! 吉田鋼太郎は『おっさんずラブ』(2016年/テレビ朝日系)の黒沢部長のように、伊藤源太郎役は当たり役ですよね。
小林:お母さん(伊藤千鶴役)のMEGUMIさんもいいんですよ。夫婦のとぼけたやりとりも楽しみ。映画『おいハンサム‼』(6月21日全国ロードショー)も控えてるということで、これからどんどん盛り上がっていきそう。
イマ:そして、『Believe-君にかける橋-』級に情報がないといえば『街並み照らすヤツら』(4月27日 土曜22時/日本テレビ系)ですね。これは『セクシー田中さん』問題でいろいろあって急遽決まったドラマ。
小林:さびれた商店街の潰れかけのケーキ屋の店主・竹野正義(森本慎太郎)が仲間や街のために巻き起こす怒涛のヒューマンエンターテインメントだそう。
イマ:いやー、この時期から急ピッチで脚本書いて撮影するのは相当大変そうですね。
小林:森本くんは『だが、情熱はある』の山里亮太役が素晴らしかっただけに、ここは正念場ですね。
イマ:明るくてパワフルな性格だし、この困難も軽々と乗り越えていきそう。そういう意味でも注目したいドラマです。
イマ:そして、ラスト日曜日!
小林:いやー、しかし今クールは多いですね。一応、初回は全部観るにしても、40本以上あるから正直しんどいです…。
イマ:寝る時間を削れば大丈夫!(笑)。日曜日の注目ドラマは、おじさん大好き日曜劇場の『アンチヒーロー』(4月14日 日曜21時/TBS系)ですね。主演は長谷川博己。証拠が100%揃っているような殺人犯でも無罪にしてしまうダークな弁護士という役どころです。
小林:日曜劇場の主演は7年ぶりだそう。前クールの日曜劇場(『さよならマエストロ』)はイマイチだったので、この作品で盛り返せるかどうかですね。
イマ:長谷川博己の滑舌の良さは天下一品なので、法廷シーンでの台詞回しはドラマの見せ場になりそう。まだ木村佳乃や野村萬斎、北村匠海など主要キャストしか発表されてないから、毎回どんなゲストが出るのかも楽しみです。
小林:これだけ注目作が多いと日曜になるころにはクタクタになりそう。
イマ:お互い倒れないように一週間頑張りましょうね!
小林:ドラマ観ながら倒れるなら本望か(笑)。
小林久乃(こばやし・ひさの)コラムニスト、編集者。正々堂々の独身。中学生から地上波ドラマを愛して30年以上、筋金入りのオタク。好きが高じてついには『ベスト・オブ・平成ドラマ!』(青春出版社刊)を上梓した。ラブストーリーが好きで、特に禁断の恋がテーマとなると視聴熱が俄然、盛り上がる。公式HPはhttps://hisano-kobayashi.themedia.jp
元JJ編集長イマイズミ 女性誌『CLASSY.』『JJ』の編集長を歴任。1クールの地上波ドラマを全録画するようになったのは、編集長になった13年ほど前から。「仕事で新しい俳優、タレントさんを覚えるため」というのが理由だったけど、見事に大ハマり。ホームドラマとラブコメ好き。韓国ドラマもやや中毒。