コラム

「ぶっちゃけ」は敬語で何て言う?知らないとマズイ「言い換え表現」5つ

ビジネスシーンでは、丁寧な言葉遣いが求められます。

日常会話の癖で、くだけた表現が交ざってしまうと、失礼にあたることも……。

そこで今回は、5つの口語表現をピックアップ! 目上の方との会話ではどう言い換えたらいいか、考えながら読んでみてください。

 

(1)「ぶっちゃけ」

(1)「ぶっちゃけ」

×「ぶっちゃけ今月の売上は厳しいかと」

〇 「率直に申しまして、今月の売上は厳しいかと存じ(思い)ます」

言いにくいことをはっきり言う「ぶっちゃけ」は、くだけた言い方。

ここは、ありのままをストレートに伝える「率直に」に置き換えましょう。

「率直に言うと」でもいいですが、「申す」「申し上げる」といった、敬語の謙譲語と組み合わせて使うと効果的です。

さらに奥ゆかしい言いまわしには、「ありていに申しますと」があります。上品な雰囲気の求められる接客業の人はぜひ使ってみてください。

なお、相手に本音を「ぶっちゃけ」てほしいときは、「ご遠慮なくおっしゃってください」「忌憚のないご意見をお願いいたします」と呼びかけましょう。

(2)「とりあえず」

(2)「とりあえず」

× 「とりあえず日程だけ。詳細は後で」

〇 「取り急ぎ日程だけお知らせいたします。詳細は追ってご連絡いたします」

「とりあえず」は、軽薄な印象を与える言い方です。

あらたまった印象の「取り急ぎ」「差し当たり」「仮に」などに置き換えましょう。

また、「取り急ぎ〇〇で」のように、途中で文を切ってしまう言い方も無礼だと受け取られかねません。「取り急ぎ〇〇でお願いいたします」のように文末まできちんと言う(書く)ようにしましょう。

(3)「そんなそんな」

(3)「そんなそんな」

× 「いや、そんなそんな。大したことではないですって」

〇「過分なお言葉を頂戴して恐縮です」

あまりに褒められたり、何度もお礼を言われたりして、「いや、そんなそんな」「そこまででは……」と遠慮し、照れてしまうこともあるでしょう。

謙遜する際に覚えておきたいのが、「過分な」「身に余る」「もったいない」といった表現です。

その褒め言葉やお礼が、自分の能力や働きに見合わないほどだ、と恐縮する言い方です。

(4)「買う」

(4)「買う」

× 「今回は買ってくれて、ありがとうございます」

〇「このたびはお求めいただき、ありがとうございます」

「買う」はくだけた表現というわけではないのですが、お金に直結する表現は、時に下品に感じられることがあります。少し遠回しな言い方を選ぶと、上品な印象に変わります。

「買う」を原則通り敬語の尊敬語にすれば「お買いになる」、これでも間違いではないのですが、「お求めになる」というと、お金のにおいが軽減されます。

格式を重んじる店では、「お買い得!」「安い!」といった表現も避け、「お求めになりやすい」などと表現します。

(5)「久しぶり」

(5)「久しぶり」

× 「ずいぶんお久しぶりです」

〇 「長らくご無沙汰しております」

ビジネスや気を遣う親戚・恩師に対する挨拶などのあらたまった場面では「ご無沙汰しております」を取り入れましょう。

実はこの挨拶、再会を単純に喜ぶ言葉ではなく、「本来は訪問や連絡などをしなくてはいけなかったのに、それを怠ってしまった」という反省を込めた挨拶なのです。

間が空いてしまってすみませんが、私はこの関係を決して軽んじているわけではありませんよ、という気持ちを伝えるものです。

 

さりげない一言が丁寧な表現だと、知性や品性ある大人として信頼されやすくなります。

幼稚な言葉遣い、不誠実で無礼な言葉遣いにならないよう、日頃から自分の語彙を増やしていきましょう!

 

文/吉田裕子 
国語講師。塾やカルチャースクールなどで講師を務める他、『テストの花道 ニューベンゼミ』(NHK Eテレ)に国語の専門家として出演するなど、メディアでも活躍中。東京大学教養学部卒。

参考書籍/『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書) 画像/PIXTA(ピクスタ)(shimi、しげぱぱ、miya227、motion.imaging)

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