学生と社会人の当たり前は違います。
学生感覚のままでは、本人としてはマジメにやっているつもりでも「甘えている」「失礼だ」とあきれられているかもしれません。
社会人の先輩が「こいつ、学生気分が抜けていないな〜」と感じるポイントを5点まとめました。
本記事で挙げているのは、新社会人の人はもちろん、インターンや事務系のアルバイトをする学生さんにもぜひ気を付けて欲しいポイントです。
(1)面倒臭がって仕事を積極的にやろうとしない
例えば、職場の電話が鳴ったとき。
誰よりも先に電話を取るクセは付いていますか?
「あ〜、他の誰かが取ってくれたらいいな〜」と願いながら、わざとノロノロ動いたりしていませんか?
他の人が取った後、「いや〜、自分も取ろうと思っていたのにな〜」という表情をしたとしても、周りの人はお見通しです。
甘えている、やる気がない、と見なされてしまいます。 若いうちは何事も経験。どんな仕事にも進んで立候補し、経験を積みましょう。
自分の担当する仕事が終わったとしても、「何かお手伝いできることはありませんか?」と周りに尋ねる積極的姿勢が必要です。
(2)メールが適切に書けない
LINEなどの感覚で、崩してメールを書いてしまう人がいます。
そんな人には、顧客や取引先との連絡を任せられません。
ビジネスメールには一定の様式があります。
1.宛名・署名を毎回きちんと書く
2.「いつもお世話になっております」(社外)、「お疲れ様です」(社内)などの挨拶と名乗りから始める 3.敬語を適切に用いるなど、あらたまった言葉遣いで書く
少なくともこの3点だけは守りましょう。
業務連絡にLINEを使う職場であっても、プライベートのくだけた言葉遣いやスタンプ使いとは区別しましょう。
(3)迷惑をかけたことをヘラヘラ謝る
学生の友人同士だと、「やっちゃった〜、ごめーん」と笑いながら謝るような場面もあるかもしれません。
しかし、仕事には責任が伴うものです。約束を守れなかったり、失敗して相手を巻き込んだりしたときには、自分の過ちを重く受け止め、真摯に反省する姿勢を示さなくてはなりません。
・申し訳ございません
・大変失礼いたしました
・二度とこのようなことがないよう注意してまいります
と誠実に謝りましょう。謝罪の場面では普段よりも丁重な言葉使いを心がけて。
(4)守秘義務をわきまえていない
取引先や同僚の情報、会社の新事業や裏事情、そうしたものをSNSに書いたり、社外の友人に話したりするのは守秘義務違反。ご法度です。
そうした意識が甘い人には、大事な仕事は任せられませんし、場合によっては、解雇されてもおかしくありません。
実名や特定できるようなニックネームでSNSを使用する場合は、あらぬ誤解を招かないように。
匿名で使うにしても、会社や業務内容に関する情報は書かないのが原則です。
(5)指摘をするとスネてしまう
新人を注意する先輩は、別に、人格を否定しようとしているわけではありません(なかには意地悪な先輩もいるかもしれませんが、パワハラが問題視されている昨今、そういう先輩は減っていると思います)。
ただ、間違っているところを直して欲しくて注意しています。
それなのに、指摘をするたびに、過剰にスネたり落ち込んだりする反応が続くと、周囲も言うのが面倒になって、もう注意しなくなります。
いつしか、間違っていても誰も正してくれない状況に……。
これでは成長するチャンスを失って、仕事のできない人になってしまいます。
先輩が間違いを注意してくれた際には「ありがとうございます、以後気を付けます」と気持ちよく受け止めましょう。
かつては、数カ月〜1年間の新入社員研修があって現場に配属される会社が多かったのですが、今は、短い研修期間ですぐに現場に配属されるケースが増えています。
だからこそ、自分で「学生モード」と「社会人モード」を切り替えることが必要です。
仕事をしていて、最初のうちは、分からないことやできないことが多くて落ち込むかもしれません。
それは当たり前のことです。まずは最低限、ひとりの社会人として信頼されるラインをクリアするように心がけましょう。
文/吉田裕子
国語講師。塾やカルチャースクールなどで講師を務める他、『テストの花道 ニューベンゼミ』(NHK Eテレ)に国語の専門家として出演するなど、メディアでも活躍中。東京大学教養学部卒。
画像/PIXTA(ピクスタ)(hanack、プラナ、jhphoto、ふじよ、xiangtao) 参考書籍/吉田裕子『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)
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