モデル、学生、インフルエンサー。たくさんの軸を持って生きてきた彼女。一度は就職活動をして企業から内定も得ていた彼女が、この4月から選んだ道はインフルエンサーという不安定な職業。今では14万人を誇る彼女のフォロワーがまだ3万人だったころから、大きな反響を呼んでいる「#旅まゆか」ができるまでの物語とは…。
私の投稿で他人のお金が動くのを実感したときに、これは重要な仕事だなって
編集部(以下 編):大学卒業と同時にインフルエンサーを本業にするってすごく勇気のいることだと思うけど、その決意をするに至った経緯が知りたくて。インスタは前からフォロワーが多かったの?
黒田さん:もともとインスタグラムは自己満の投稿をして、それをピチレモン時代のファンのコたちが見てくれているって感じでした。当時はフォロワーも3万人くらいで、ちょっとフォロワーの多い大学生。いわゆる〝インスタ案件〞も全然なかったんです。
編:それが今では14万人もフォロワーがいるけど、10万人以上フォロワーが増えるってすごいですよね。
黒田さん:あるとき、何気なくアップした浴衣を着た投稿がバズって、フォロワーが一気に1000人くらい増えたことがあって。インスタってこういう風にフォロワーが増えるんだ…って気がついてからは同じような投稿を続けるようにしたんです。たしか最初にバズった投稿は8月くらいにアップしていて、それから年末までに10万人に増えていました。
編:同じような投稿って、どんな写真だったんですか?
黒田さん:投稿のエンゲージの数字がいいのは圧倒的にアップの写真です! だから1枚目には顔がちゃんと写っている写真にして、それ以降に引きのものを持ってくるようにしています。フォロワーさんでいうと、25歳〜35歳の女性が一番多くって、女性7割、男性3割の比率。だからその人たちが見たいって思える投稿にしようっていうのはいつも考えていますね。
編:フォロワーが増えるにつれてインスタでの仕事も入ってくるように?
黒田さん:そうですね。5万人を超えたくらいから増えてきました。
編:フォロワーも増えて、仕事も増えてきたときはどんな感覚だったんですか?
黒田さん:正直最初はプロ意識なんてなくて、お金ももらえるし商品ももらえるし「ラッキー!」くらいの感覚でした。安易に考えていましたね(笑)。
編:今はすごくフォロワーさんのことを考えていて、商品の説明でも動画を使ったり分かりやすい投稿が多いと思うけど、どこで考えが変わったんですか?
黒田さん:それはフォロワーさんの一言です。「真友香ちゃんの投稿をみて商品を買いました!」というコメントを目にして、自分の投稿で他人のお金が動くっていうことを実感したんです。そのときに「これってめちゃくちゃ重要な仕事だな」っていうことを思いました。もし私が紹介した商品自体に欠陥があったとしても、私の投稿を見て購入した人はネガティブな感情を持つだろうし…。だからPR投稿でも自分が受ける商品はすごく選ぶようになったし、PR投稿は「PRです!」って言いきることにしています。
中学2年生の頃、反抗期になったんです。結構長くて4年間くらい
編:反響をもらって意識が変わっていったんですね。ところでこの4月からは就職の予定があったと思うのだけど、どうしてあえてインフルエンサー一本に?
黒田さん:私も3月までは就職しながらインフルエンサーをするつもりでいたんです。サイバーエージェントに内定をいただいていたものの、気がつけばフォロワーが10万人を超えていて、そのときいただいているインスタ案件の数や規模を考えたときに、副業というレベルではできないなって思い始めて。ちょうど3月に会社側と話し合うタイミングがあって、人事担当の方と相談したうえで内定を辞退することにしました。それでインフルエンサーを本業にしよう! と決意しましたね。
編:フォロワーが10万人を超えていたとはいえ、思い切った決断ですよね。
黒田さん:インスタグラマーって誰もができるわけではないし、今この10万人のフォロワーさんと離れるってビジネス的にはどれくらいの損失があるかを考えました。それに今インスタの更新を止めて、数年後に復活させたとしてこの10万人は戻ってこないだろうなって…。今お仕事をいただけていて生活をするだけの収入もあるのであれば、今しかできないこの仕事でやっていこう!と思ったのが決意をするまでの経緯かなぁ。できるだけ〝後悔を減らして生きる〞ってことが私のモットーなので、たしかに安定か不安定かで言えば不安定だけど決断することができました。一応自分の中では、収入が初任給でいただけるはずだった金額を切ったら辞めようって思ってます(笑)。
編:ということは、ここまでは順調にきているんですね(笑)。〝後悔を減らして生きる〞っていうのは、いつからそういう意識を持ち始めたんですか?
黒田さん:実は中学2年生の頃、反抗期になったんです。結構長くて4年間くらい。その当時、ピチレモンで専属モデルをやっていて、学生だけど仕事をしていて、自由な時間も少なく、自分の中で「縛られている」っていう意識が強かったので…。その反動ですごいギャルになってみたり(笑)。
編:今の真友香ちゃんからは全然想像できない!
黒田さん:更生したときにすごく後悔したんです。なんでお母さんをもっと大切にしなかったんだろうとか。
編:反抗期4年目で更生したきっかけが気になります!
黒田さん:きっかけは当時好きになった彼です。とても真面目な人のことを好きになって、彼にある一言を言われて傷ついたというか、ハッとして。
編:なんて言われたの?
黒田さん:「真友香は親に紹介できない」って。そのときにヤバいって気づいて。そこから彼に良いコだと思われたい一心で、まずは見た目から変えてすぐにギャルを卒業(笑)。そうしたらみるみるうちに中身も変わってきて!
編:彼との出会い、大きいですね。
黒田さん:そうですね! 私を変えてくれた一人です(笑)。大学受験をしたのも彼の影響。そのうちモデルを辞めて就職したいと思うようになりました。
編:中学校から続けていたモデルで生きていこうとは思わなかったんですね。
黒田さん:そうですね、昔から前に出ることは好きで、モデルというお仕事はもちろん好きでした。でもモデルをしながらも、「ココもっとこうしたほうがいいのに」とか、裏方目線で考えることが私は多くて。自然と代理店とかそういう職にも興味を持つようになって、いつかは辞めて就職しようと思うようになったんです。
編:だからサイバーエージェントを選んだんですね!
黒田さん:そう。自分のやってきたことを活かせそうだなと思えたこともあって。
編:だけど紆余曲折を経てインフルエンサーを本業にすることにした。これからインフルエンサーとしてやりたいことはありますか?
黒田さん:あります。「#旅まゆか」にもっと力を入れていきたいなって思いますね。
編:「#旅まゆか」って覚えやすくていいですよね!
黒田さん:本当ですか? 旅をするようになって、フォロワーさんがもっとわかりやすいように情報をまとめようと思ったのが始まりだったんです。ここまで知ってもらえるようになるんだったら、もう少しちゃんと名前を考えればよかったって今は思います(笑)。実はフォロワーさんにCAさんとかパイロットさんが増えていて、その人たちが私の旅の投稿をすごく楽しみにしてくれているんです。だからもっと増やしていきたいなって思いますね。「#旅まゆか」=リアルタイムの旅行本だと思ってもらえればうれしいです。
次回予告
次回は、黒田真友香ちゃんに「旅」について語ってもらいます。旅の必需品や、お気に入りの旅の写真も公開予定♡お楽しみに!
撮影/芹澤信次 取材/石津愛子 編集/岩谷 大
※この掲載の情報はJJ12月号を再構成したものです。