毎月やってくる憂鬱な5日間…。これからも長~い付き合いなんだし、不安は全部解消して快適に過ごしたいもの。次の生理が楽しみになる、目からウロコな情報を集めてきました!
「生理ムーブメント」の火付け役ハヤカワ五味さんに聞いてきました!
illuminate代表ハヤカワ五味さん
2015年に株式会社ウツワを興し、代表取締役に就任。現在は生理と性を考えるブランド「illuminate」の代表。著書には『私だけの選択をする22のルールあふれる情報におぼれる前に今すべきこと』(KADOKAWA)がある。
「生理=恥ずかしいもの」という日本のカルチャーを変えたい
たとえば熱が出たときは、病院で薬をもらって治しますよね。でもそれが生理の場合だと、我慢する人も多いと思うんです。生理の重さ・軽さも基準がないので、毎月一人で辛い思いをしている人もいるはず。私が生理関連の事業を始めたのは、そうやって辛い思いをしている人が生理期間を少しでもラクに過ごせたらいいなと思ったのがきっかけです。
女性の中にも、生理がそれぞれ違うことを知らない人はまだ多いです。私の周りにも生理で会社を休んだコがいて、「一度病院に行ってみたら?」と提案すると、彼女の中では生理が重いのが普通だと思っているから「えっ、これで病院に?」と驚いたり。
それには〝生理=恥ずかしいもの〟というカルチャーが背景にあって、生理に関しては友達の間でもオープンに話せる内容ではないんですよね。だからもっと生理について当たり前に話せるように、カルチャーから変えていきたいんです。
日本の性教育や初潮教育について考えてみると、他国に比べて曖昧にされている部分が多いと思います。だから生理用品についてもどんな種類があって、プールに行くときはどうしたらいいのかも最初はわからないと思います。ナプキンしか選択肢がなかった人が、急にタンポンを使おうとしても怖いだろうし、月経カップなんてもっとレベルが高いですよね(笑)。
生理用品の選択肢が広がれば今よりずっと快適で、楽しめる!
生理はずっと付き合っていくものだから、生理用品の選択肢があればもっと快適に過ごせるようになると思うんです。もし温泉旅行と生理が被っても、タンポンや月経カップを使えば「最悪、もうおしまいだ…」なんてことにはなりません。
ピルの服用についても同じで、もし興味があるなら一度産婦人科に行ってみるのもおすすめです。ピルが体質的にすごく合う人なら、今後何年も快適に過ごせるかもしれません。そうやって選択肢を知っているだけでも、ずっと気持ちがラクになりますよね!
最近は生理用品も機能がどんどん改良されて、見た目もおしゃれなものが増えてきました。あと生理関連のアプリも進化していて、彼氏と生理日をシェアできるものがあったり!自分に合うスキンケアを探すような感覚で、自分にとってぴったりの生理用品やツールを探して、ぜひ活用してもらいたいです。
今さら聞けない生理のお悩み全部答えます!
教えてくれたのはこの先生!
東邦大学医療センター 大橋病院 婦人科 高橋怜奈先生
2016年にボクシングのプロテストに合格し、世界初の女医ボクサーとして活躍中。ダイエットや食事療法、運動療法のアドバイスも行う。Instagram@renatkhsh
Q1. 生理痛のたびに痛み止めを飲み続けても大丈夫?
痛み止めを飲むことは問題ありません。ただ飲まないといけないくらいの生理痛があることが〝異常〞だと考えてください。
生理痛が強い人は子宮内膜症を発症している、もしくは 後発症する可能性があるので、産婦人科に一度行ってもらいたいです。ピルを飲んで生理をコントロールすれば、生理痛や子宮内膜症の悪化の予防になりますよ。
Q2.ピルを飲んでもPMSの症状が改善しません...。
ピルの種類も増えたので、自分に合うものを試してみるのもいいかもしれません。最近は、飲み続けることでうまくいけば120日間生理を止めるタイプのピルもあります。生理がこないということは、PMSもありません。
ピル以外だと、頭痛があるなら頭痛薬を飲む、イライラするなら漢方薬を飲むなどして、まずは対症療法が大事です。もちろんピルと併用しても問題ありません。
PMSは約7~8割の人が感じていると言われているので、自分だけではないし、ホルモンの影響で起こってしまうことを理解しておくだけでも不安は解消されますよね。
Q3.体内に入れる生理用品は、ナプキンに比べて体の負担にならない?
生理用品の素材によります。まずタンポンは繊維でできているので、長時間入れておくと膣内が細かく傷ついたり、菌が増殖しやすくてニオイの原因になってしまうことも。
ただナプキンだと着たい洋服に制限があったりもするので、タンポンはそうい ったここぞのタイミングで使うのが正解です。
また最近だと月経カップが断然おすすめ。私自身も使っていますが、とにかくラクちんで感動しますよ! シリコン製で清潔だし、自分の経血の量がわかるのもメリット。ナプキンで蒸れて肌が荒れたり、皮膚が弱い人は月経カップをぜひ試してみてください。
Q4.ピルを飲み続けると妊娠しにくくなるって噂は本当?
安心してください、それはまずありません! 逆にピルを長期間飲んでいる人のほうが、妊娠しやすいという結果も出ているくらいです。ピルのメリットはたくさんあります。まず生理痛が軽くなるし、量も少なくなります。
そしてピルをちゃんと飲んでいれば99.9%避妊できます。またピルは排卵(卵巣の壁を突き破って卵子が出ていくこと)を抑制するので、卵巣が傷つくのを防いで卵巣ガンのリスクを減らしたり、卵巣機能を温存することにもつながります。
晩婚で高齢出産も増えている今の時代、子宮と卵巣を守るためには生理痛がない人でもピルは飲んだほうがいいと思います。
Q5.どのくらい生理がこなかったら妊娠を疑うべき?
毎月生理がきている人であれば、生理予定日付近に生理がこなければ妊娠反応検査をしていいと思います。もしくは避妊のないセックスをしてから3週間後に検査をするなど。
でも実は生理の出血だと思っていても、着床出血だったり、排卵のときの出血であるケースもあります。全部同じ血なので、それらを素人が見分けることはできません。だからこそ出血があったからといって、それを生理だと自己判断するのは危険です。
Q6.生理のとき、ゼリー状の血の塊が出ることがあって不安...。
血の塊が多少は出ることは誰しもありますが、毎回出たり、その塊が大きい場合は過多月経で生理の量が多いと判断してください。
昼でも夜用ナプキンが必要だったり、何回もナプキンを替えないといけない人も同様の疑いがあります。一度産婦人科で診断を受けましょう。ピルを飲む と量も少なくなりますよ!
撮影/白倉利恵(人物)、新井修一(静物)イラスト/itabamoe取材/広田香奈/編集/髙田彩葉
*掲載の内容はJJ2月号を再構成したものです。