将来子どもを産む、産まないに関わらず、大人の女性として知っておきたい自分のカラダのこと。後悔のない人生を送って欲しいから、JJ世代にこそ知って欲しい!女性のカラダのお悩みを解決する連載。
第4回目はPMS(月経前症候群)をテーマに、現役女子大生で性教育プロデューサーの中島梨乃さんと婦人科医の高橋怜奈先生が対談。具体的な症状や、PMSとの上手な向き合い方について、詳しく話していただきました!
対談したのは、この2人
慶應義塾大学総合政策学部2年
中島梨乃さん
高校生で性教育に興味を持ち、Youtubeチャンネル「JKで性教育?!」やTwitterなどで性に関する情報を発信し始める。また、中高生による性教育団体「peer(ピア)」も立ち上げ。大学生になった現在は性教育プロデューサーとして、TwitterなどのSNSでの発信や、性教育に関するイベントやシンポジウムを開催している。
中島梨乃さん
PMSって具体的にどんな症状があるんでしょうか?
高橋怜奈先生
頭痛やイライラ、色々な症状がありますが、生理の数日前から始まり、生理になると終わる症状はPMSと言っていいと思います。
中島梨乃さん
緩和する方法はありますか?
高橋怜奈先生
ピルで排卵を止めることがひとつの改善法です。PMSの症状は様々ですが、特に精神的な落ち込みやイライラが重い症状はPMDDと呼ばれます。その場合、ピルでよくなることもありますが、精神科の受診が必要なことも。
PMSだと思っていたら鬱症状だったり、甲状腺の病気が関わっていることもあるので、「生理前だから仕方ない」って思わずに、婦人科で相談して欲しいです。
中島梨乃さん
PMSって思い込んでしまうと、病気を見逃してしまう可能性もあるんですね。
高橋怜奈先生
そうですね。PMSに隠れた他の疾患を見逃さないことが大事です。だから症状日記をつけるのもいいですよね。
これは認知行動療法のひとつなので、効果があります。自分は生理の何日前くらいから胸が張るとか、具合が悪くなるとか、PMSと思われる症状が生理周期に沿って現れるものだと分かれば、恐怖もなくなるし、予防にも繋がります。
中島梨乃さん
PMSだったり、生理痛だったり、生理ってなかなかポジティブに捉えられない人が多いですが、私自身はそもそもポジティブに受け入れなくてもいいんじゃないかな、って思っていて。先生はどのように捉えていますか?
高橋怜奈先生
「生理はなくてもいい」という考え方がもっと浸透して欲しいなと思っています。生理がある=女であることの証拠、妊娠していない安心感をくれるもの。だから辛くてもあって当たり前、と考えないで欲しい。
生理があることで日常生活を制限されたり、煩わしさを感じているなら、薬に頼ってコントロールしてもいいんだよ、ということを広く伝えたいです。
中島梨乃さん
前回の生理があることで病気のリスクが高まるというお話も印象的でした。
高橋怜奈先生
毎月定期的に生理があるのは、健康のバロメーターのひとつにもなるけれど、生理があることで子宮内膜症や卵巣癌のリスクも高まるので、生理自体が健康にいいかというと、それは別の話。現代女性は晩婚化し、妊娠出産の年齢も高くなっていますよね。
ピルで生理を止めたり回数を減らして、病気のリスクを低減させておくことで、年齢に捉われずにライフステージを選択していけるのではないかと思います。
中島梨乃さん
この取材前に子宮頸癌検診に行ってきたのですが、かかりつけの婦人科を見つけて、こういう相談ができる場所を持っておくことも大事だなと実感しました。
高橋怜奈先生
婦人科って「症状があるから受診する」と思いがちですが、「検診をする場」でもあるので、検診をきっかけにかかりつけ医を見つけるのもいいですよね。
二十歳を超えたら2年に1度は婦人科検診を受けて欲しいです。海外では生理が始まったらお母さんと婦人科へ行く、という習慣があるくらい、婦人科は身近にあるもの。日本でも相談窓口のような感覚で使ってもらえたらいいなと思っています。
具体的な症状がなくても「検診してみたいです」とか「ちょっと生理が心配で」っていう気軽なスタンスで来て欲しいです。
イラスト/腹肉ツヤ子 取材・文/坂本結香 編集/倉石園子