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就活終了がゴールじゃない!? 学生のうちから考える【キャリアデザイン】って?

大学4年生のみなさんは、そろそろ今年の就活に一旦の区切りをつけるタイミングかと思います。希望通りの内定先に決まった人、思い通りにはいかなかった人、もう1年就活を頑張るという結論を出した人…。逆に、大学3年生は、これから始まる就活に向けて準備を始めたものの、なにから手を付けて良いかわかならい人も多いかもしれません。ここでお話しするのは、キャリアデザインについてのお話。就活終了がゴールじゃない! 今のうちから「キャリアデザイン」について考えてみましょう!

教えてくれるのは…

佐藤 祐さん

パーソルキャリア(株)にて若年層向けキャリア教育支援プロジェクト「CAMP」を立ち上げ。はたらクリエイティブディレクターとして、これまで多くの学生と 接点を持ち、年間 200 本の講演・講義を実施

将来どんな生活を送って
キャリアを積んでいきたいのか
イメージの具体化が大切。

社会情勢と理想のライフスタイル。この2軸を考えることがキャリアデザインと密接にかかわりますが、大学生の価値観からの先読みは不安があることも事実。社会情勢に詳しい大人に、自分の考えを聞いてもらうことも大切!

人生のビジョンや夢がしっかりしている人のキャリアデザインは簡単!?

新型コロナの影響もあり、ますます終身雇用制度に限界を感じる企業が増えています。ひとつの企業に勤め続けることが難しくなると、今までよりさらに個人の力が問われることに。

あなたにはどのような市場価値がある のか、それを見つけて育てていくことが、キ ャリアを築くうえで大切なポイントとなっていきます。どのような生活スタイルが好きで、どのようなタイミングで結婚・出産をしたいのか。そういったビジョンを持ちながら、理想のライフスタイルと、そのために自分に必要なスキルを考えること。この2つのかけ算 から、キャリアデザインはスター トします。

ただし、少し気をつけてください。大学3年生がそれまで生きてきた経験と価値観でキャリアデザインを組み立ててしまうのは危険です。新型コロナの影響で、経済は大きく変化しています。それまで安定していた企業でも、業績が悪化して新卒の採用を控えているケースも多いのです。

キャリアデザインは、世の中の流れを読むことも重要です。新型コロナの影響に各業界 や企業が順応し始め、今後の動きが少しずつ見えてきているはずです。「やりたいこと」にとらわれすぎてはいけません。「やるべきこと」に目を向けて自分自身の将来をデザインしていくことが、思い描く理想の人生への近道になりますよ。

POINT1:海外では「小学生からキャリアデザイン」

フィンランドでは、小学校から「学ぶ」と「働く」をつなぐ教育が行われています。幼いころからビジネスに触れることで、社会における自分の役割を考えるきっかけになるのです。

POINT2:総合職採用からジョブ型採用

まだまだ総合職での大卒一括採用がメインの日本。しかし最近、大学やインターンで培った専門性を評価し、配属やポジションを明確にした採用を行う企業も増えています。

POINT3:いつまで働くかは自分で決める時代に

早期退職制度を取り入 れる企業も増え、リタイアのタイミングは人それぞれに。最近では役職定年といって、同じ企業に勤め続けるけれど役職からは外れる人事制度もあります。

キャリアデザインについて考える前に…

前提 1: 今の自分の性格や価値観にとらわれすぎない

例えば今のコロナ禍で、昔からの夢だからと特定の業界へこだわるのは危険。幼いころからの夢も大切ですが、世の中の流れを見据えて。

前提 2 :世間の動きについての情報収集をしっかりと

大学生が自分だけの知識で社会を把握しようとしてもなかなか難しいもの。周りの大人に自分の考えをぶつけ、意見をもらうことも大切です。

パターン1:ラフティング型

・チーム一丸でプロジェクトに取り組む

・偶然の出会いや縁を大切にしてスキルを磨く

・協調性や社内外との連携力が求められ

【メリット】激流の中で困難に対応することで力が身についていく。失敗を重ねながら自分の道を探ることができる。

【デメリット】さまざまな角度から押し寄せる荒波に デメリットよって、ゴムボートがひっくり返ってしまうことも。チームワークも大切!

【ラフティング型のポイント】

大学生の時点で自分のものさしや進路 が決まっていればボルダリング型から スタートしてもOK。そこまで先が見越 せていない場合は、ラフティング型からスタートしましょう

ラフティング型で経験を積んだら、 徐々にボルダリング型を目指すと◎。

パターン2:ボルダリング型

・キャリアの道筋を自分で自由に選択できる

・決めた目標に向かってひたすら突き進む

・めげずに取り組み続ける忍耐力が必

【メリット】自分のものさしで行動を決められるので、達成感や納得感を得やすい。目標を達成した時の満足度もひとしお。

【デメリット】自分の選択次第で落ちる危険度も高い のがボルダリング型。リスクがあるからこそ手にできるものがあると心得て。

【ボルダリング型ポイント】

キャリアデザインに終わりはない!と 心得て、ライフステージやキャリアに応じて見直すようにしましょう。

取材/川端宏実 画像/いらすとや 編集/宮島彰子
※掲載の情報はJJ12月号を再構成したものです。

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