距離を置いて付き合いたい仕事仲間でも、話が盛り上がるとついつい友達のような感覚に。意識の高さを求めれば求めるほど、距離が縮まった相手のちょっとした行動や発言にがっかりしたことはありませんか?そんなときは肩の力を抜いて、自分から一歩下がって。等身大だからこそ分かる、たかみなさんのアドバイスをぜひ参考にしてみてくださいね。
※この記事はJJ2017年6月号を再掲載したものです。年齢などはすべて当時のものとなります。
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今月のお悩み
出会ってすぐ意気投合し、公私にわたって仲良しになった同い年の取引相手がいます。でも、仲良くなるほど彼女の残念なところが目につくようになって……。仕事の待ち合わせには必ず遅刻、締切りを守らないなど、とにかくルーズ。私もうっかり不満が態度に表れてしまうのですが、大人気ないのですぐに諦めて仕事を続けています。本当は、一緒に頑張りたいと思っている仕事仲間。だけど、彼女は私が求めるほどのことはしてくれず……たかみなさん、アドバイスをお願いします!
(メーカー勤務・26歳 K.Tさん)
モチベーションは人それぞれ。相手への余計な期待は禁物!
仕事でもプライベートでも、自分がやる気を出しているときって、相手に期待しすぎてしまうと思うんです。私も経験しました。こちらが一生懸命になっていることに対して、同じラインに乗ってほしいという気持ちもよく分かります。相手に求めすぎてしまうんです。
でも、本当に自分の期待に応えてくれる人って、ごくわずかだと思うんです。自分のモチベーションは自分だけのものであって、相手も全く同じものだとは限らないから。ひとつのことにイライラしていると、本気で腹が立って爆発したり、自分自身が壊れてしまうかもしれません。だからこそ、相談者の方のように「諦める」のは大切な選択肢のひとつだと思います。一歩引いて「仕方ない」という諦めのスイッチをオン。それって、悲しいことでもあるけど、求めすぎて自分に害が出るようなら、割り切ったほうがラクなんです。
AKB48のリーダーとして水準を高く求めていたときは、「こうあってほしい」というものを強く持っていました。後輩や年下の仲間なら、上からアドバイスという形でいいのですが、同期や年上などには伝え方に気をつけました。お知らせのベルを鳴らすように、優しく最初の一言をかけるんです。そこから思いを伝える。そこまでしたら、変われるかどうか、あとは本人次第だと思っていました。
さて、相手が同世代の場合、やっぱり一番比べる対象になりやすい。何かライバル視してしまったり、羨んだりしてしまいますよね?でも、こちらにプライドがあるように、相手にも尊重すべきプライドがあります。近すぎず、遠すぎずのバランスを上手に保つことが大事だと思います。同世代は同世代だけど、それぞれ頑張りましょう、と。うまくいけば、一番仲の良い友達にだってなれると思います。仕事もプライベートも一緒にいる仲間って、馴れ合いが生まれてしまうもの。距離が近いからこそ、感謝の気持ちや気遣いを見せることは大切だと思います。その空間がラクになればなるほど、緩くなればなるほど、ふとしたことで相手のプライドを傷つけてしまう恐れがあるんです。だから、普段から感謝と尊敬を持って接することを心がけてみてください。
相手に求めてしまうことは悪いことではありません。だって、それだけあなたが正面から向き合っているという証拠だと思うんです。でも、その人間関係を持ち込んで、仕事に支障をきたすのなら、あなたから一歩引く姿勢を持ってみるのもいいかもしれません。
イラスト/よこみねさやか 撮影/玉井俊行 ヘア・メーク/福岡玲衣〈Addictcase〉 スタイリスト/黒田菜菜子 取材/角田枝里香