6人組ダンス&ボーカルグループ「WATWING」が初登場! 昨年、メンバー・八村倫太郎さんがドラマ『君の花になる』に出演したことをきっかけに、グループの知名度は一気に全国区に。1月に行なわれた、東京、大阪のZeppツアーでは、どちらもチケットソールドアウトを記録。8月には、パシフィコ横浜でのワンマンライブ開催が決定するなど、さらなる飛躍が期待されるメンズユニットだ。ただ、グループの活動が波に乗るまでは、苦難の連続だったという。2019年の結成から、これまでの道のりをメンバーたちに振り返ってもらった。
WATWINGとは
大手芸能プロダクション・ホリプロが主催した「Star Boys Audition」の最終オーディション合格者で結成されたダンス&ボーカルグループ。八村倫太郎、桑山隆太、髙橋颯、鈴木曉、福澤希空、古幡亮の6人のメンバーで2019年に結成され、2020年1月にリリースされた「Only One Life」で配信デビュー。翌年9月に「Take off,」を発表し、メジャーデビューを果たした。WATWINGという名前は、「WAT」はスラングで「何?」。「WING」の「翼」という意味と合わせて、「誰に何を言われようと、自分達の想いを貫いて羽ばたいて行きたい」という想いが込められている。
八村倫太郎
結成から1年が経って叶った涙のデビューライブ
「WATWING」が結成されたのは、2019年6月のこと。今でさえ、メンズグループが群雄割拠する時代となったが、当時はまだ手本にできるグループは少なかった。
鈴木曉(あさひ)「メンバーも初めてだし、会社もメンズグループを手がけるのは初めてだったので、みんなで探り探り始めた感じでしたね」
福澤希空(のあ)「とは言え、不安はなかったです。結成当初から僕らの夢は『東京ドームに立つ』ことと決めていましたから。その夢を信じて練習していくだけだとメンバー全員で共有できていたので、迷いはありませんでした」
髙橋颯(ふう)「国内の活動だけではなく、このメンバーなら海外にも挑戦できるんじゃないかという期待もありましたね」
期待に胸を膨らませて船出を迎えたWATWINGだが、デビュー早々に試練が訪れる。
古幡亮「僕らが配信デビューしたのが2020年1月15日。そのすぐ後に、日本で初めて新型コロナの陽性者が出たとニュースになったんですよ」
曉「デビューしたのに、いきなり2ヶ月くらい家にいなくちゃいけなくなってね」
亮「そして、初めての緊急事態宣言が発令されたのが、『forWard』という曲でインディーズデビューすることが決定したころ。当然、対面でお披露目なんてできません。できることは、こちらからの一方的な配信ライブだけでした」
桑山隆太
ファンの前にようやく立てることになったのは、2020年7月のこと。会場はSHIBUYA109の屋上イベントスペースだった。
希空「初ライブまで、文化祭みたいに毎日集まって練習してたのが懐かしいな〜。当時は、倫太郎の髪が白で、曉がオレンジで…」
颯「僕が茶色で、亮は緑。希空と隆太は黒髪で、スタイルがバラバラだったよね(笑)」
八村倫太郎「初ステージまでの道のりはとにかく長かったな〜。いちばん心配だったのは、お客さんが来てくれるのかということ。でも、出番直前にテントの隙間から覗くとお客さんの姿が見えて…。メンバー全員で円陣を組みながら涙を流したというのを覚えています」
桑山隆太「自分たちのCDを、Windy(WATWINGのファンネーム)に手渡せるという喜びはすごく大きかったよね。それまでは誰に向けて歌やダンスをしているのかが曖昧だったけど、お客さんを前にして、届けるべき相手が明確になりました」
歓喜の中で終えた初めてのライブだったが、動員数は残念ながら盛況とは言えない状況だった。
曉「最初のステージのお客さんは10人くらいでしたよ。それでも、まだ何者でもない僕たちに会いにきてくれたのがめちゃくちゃ嬉しかった。できるなら、その方々を今ここに呼んで、感謝を伝えたいくらいの気分です(笑)」
亮「嬉しいのは、今でも初ライブにきてくれた人たちが応援し続けてくれていること。すごく支えられているなと思います」
髙橋颯
「『君の花になる』に倫太郎が出演してくれたことが本当に嬉しかった」
コロナ禍というアーティストには厳しい環境の中で、着実にWindyの数を増やしてきたWATWING。その名前を一躍広げることになったのは、ドラマ『君の花になる』に八村倫太郎さんが出演したことがきっかけだった。
颯「初回放送は全員で観ましたよ。特に熱心だったのは隆太。毎回リアルタイムでドラマを観て、配信もガッツリ観る。完全な一之瀬栄治(八村の役名)担当でした(笑)。ドラマのユニットである8LOOM(ブルーム)の歌やダンスも完コピしてて、誰よりも8LOOMY(8LOOMのファンネーム)だったと思います」
隆太「ドラマの出演が決まった時に、メンバーと『倫太郎でよかったな』と話していたんですよ。僕たちとしては、自信を持って倫太郎を送り出したという気持ちです」
亮「感動したのは、8LOOMのライブ。『行け〜! 倫太郎!!』って叫んじゃいましたから(笑)」
メンバーの後押しを受けてドラマに出演した八村さんは、その想いをどのように受け止めていたのか。
倫太郎「改めて言われると照れますね(笑)。ドラマに出演した時に、自分のミッションは『WATWINGを積極的にアピールすること』と決めていました。8LOOMメンバーになるということは、グループを掛け持ちでやるということ。その分、グループに還元しないといけないというプレッシャーもあったし、僕自身、WATWINGというグループから出て活動したことがなかったから、不安もありました。それでも、『頑張れよ』と送り出してくれるメンバーがいたからやり遂げることができた。メンバーには『支えてくれて、見守ってくれてありがとう』という気持ちです」
鈴木曉
『君の花になる』の効果は絶大ではあったが、WATWINGを急成長させた理由はそれだけではない。
倫太郎「WATWINGが成長できたのは、ドラマに出て僕がスーパーマンになったからじゃないんですよ。このグループが、お客さんの心を掴む準備ができていたからなんです。それを実感したのは、昨年12月に行なったフリーライブでしたね」
希空「名古屋、大阪、福岡、東京と4大都市でフリーライブをやらせていただいたんですけど、12月中旬にやった名古屋のライブで一気に動員が増えましたね。ふだんの10倍くらい入ったんじゃないかな」
隆太「福岡でやった時なんて、雪が降っていたのに、1000人以上のお客さんが来てくれて、嬉しかったな〜」
亮「大阪でも通行スペースが埋まる勢いで、ファンの方々が1200人くらい集まってくれましたね」
曉「倫太郎が外で頑張っている分、僕らは個人個人でそれに負けないくらい努力しようとか、成長して帰ってくる倫太郎をしっかり受け止められるようにグループを強くしようとか、そういう気持ちでフリーライブに向けて準備していました」
颯「今年1月のZeppツアーで客席が満杯にできたのは、メンバーみんなで続けてきたことがようやく実ったということなんじゃないかなと思っています」
古幡亮
デビュー当時から変わらない夢「東京ドーム公演」
急成長を遂げているWATWINGの毎日は、発見と感動の連続なのだという。
亮「僕らは、新型コロナが流行した時期に誕生したグループだということもあり、これまで”声出し可能”なライブっていうのを知らなかったんですよ。初めて体験した時は、声援の大きさに鳥肌が立ちっぱなしでしたね」
曉「声援が嬉しすぎて、ステージ上で顔作らなきゃいけないのに、全然表情筋が締まらない。にやけっぱなしでしたよ(笑)」
倫太郎「4月にスタートしたファンクラブツアーも初めての経験。ファンクラブ会員のみなさんだけに向けてライブができるというのは、それだけ応援してくれる人たちが増えたということだと思っています。僕らのことを好きだと言ってくれる人たちに歌を届けられる幸せを感じながら、4月29日のファイナルまで駆け抜けたいです」
福澤希空
最後に、WATWINGの今後の目標について聞いた。
隆太「希空が言っていた通り、結成当時から僕たちの目標は『東京ドームでライブをすること』。今もその夢は変わっていません」
希空「先日、下見ではありませんが、東京ドームで野球の試合を見に行ったんですよ。会場の広さや人の多さを体感すると、『こんなところでパフォーマンスできたら最高じゃん!』と、身震いしました。目標に向けて、これからもより多くの人たちにWATWINGの音楽を届けていきたいです」
颯「東京ドームでできたら、絶対感動するんだろうな〜。その日が来るまで、ひとつひとつのことに全力で取り組む気持ちは大事にしたいですね」
曉「30歳になるまでには、叶えたいですね(笑)。そのためにも僕らは進化を続けないといけない。ライブに来るたびに、いつも一歩先に進んだWATWINGが見せたいと思っています。これからもWindyを飽きさせません」
倫太郎「ファンのみなさんに期待値以上のものを届けて、『WATWINGはいつも想像以上のものを見せてくれるな』と思ってもらえるようにしたいですね」
亮「倫太郎がドラマに出演して以降は、街中で見ず知らずの人に声をかけてもらうことが増えました。注目してもらえることは、嬉しいことですし、励みにもなります。僕らができることは一回一回のライブに感謝の気持ちを込めて、ファンのみなさんを元気づけられるパフォーマンスをすることなんじゃないかなと思っています」
撮影/望月宏樹 取材/小石原悠介、崔允瑛 構成/齋藤菜月、菅原南美
WATWING First Full Album One Man LIVE
2023年8月22日(火)@パシフィコ横浜
開場18:30/開演19:30