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大・大注目株の目黒蓮がモテ男に !? スタートまで全てが謎に包まれた『VIVANT』! ドラマ好きのコラムニスト&元JJ編集長による夏ドラマ予想【後編】
夏ドラマ、スタートのファンファーレが高らかに鳴りました。数多く放送されるドラマの中で「トレンドに乗り遅れないためにも、これだけは…観て…お願い…!」という厳選作品を紹介していく『JJドラマ部 2023年夏ドラマで一番面白いのコレだ!勝手に予想』。
案内役は、1クールに放送する地上波ドラマを全てチェックするコラムニスト小林久乃と元JJ編集長イマイズミ。二人とも現役編集者で、多くの取材を経験しているだけに、他では読めないここだけエンタメ裏話が期待できそう。さあ、あなたはどのドラマがお好みでしょうか?
テレ東の祖父江里奈プロデューサーの生み出す世界観に毎回刺激されています
小林久乃(以下、小林):今クールも漫画原作モノが多いなと思いました。赤楚衛二くん主演『こっち向いてよ向井くん』(日本テレビ系列)、杉野遥亮くん主演の『ばらかもん』(フジテレビ系列)とか。全部で15作品くらいあるんじゃないかな。イマイズミさん、色々としゃべっていて感じたんですが、わりと原作マンガをチェックしていません?
元JJ編集長イマイズミ(以下、イマ):一応、出版社の人間なので(笑)。でもネタバレしない程度にしか読まないですけどね。今回私が一票を入れた『トリリオンゲーム』(7月14日(金)/TBS系列)はドラマになる前から読んでました。天性のコミュ力を持ったハル(目黒蓮)と就職面接に落ちたガク(佐野勇斗)が、プログラミングの技術を生かして一攫千金を目指す内容。これは何を置いても、主演の目黒蓮(Snow Man)くん推しで、観なくちゃですよ。弊社『女性自身』でも彼を表紙&ポスターにした号はネット販売分が完売しましたからね。
小林:キャストもいいんですねえ。目黒くんと朝ドラ以来の再共演の吉川晃司が社長・投資家の役って、もう舞い上がっちゃう(笑)。
イマ:ですよね! で、金曜日の『警部補ダイマジン』(テレビ朝日系列)は、三池崇史監督で原作漫画は『週刊漫画ゴラク』連載中というだけで、こうアンダーグラウンドな感じがします。主演の生田斗真くんは映画『土竜の唄』(三池崇史監督)でもぶっ飛んでたし、わりと男性がそそられる作品ですね。第一話を観ましたが、原作の雰囲気を生かしつつ、テレビドラマならではのスピード感も出てました。
小林:逆に、原作漫画とは違うイメージで映像化されるドラマというのも、実はいいものが多いんですよね。以前『100万円の女たち』(2017年/テレビ東京系列)というドラマがあったんですけど、原作のタッチと映像が全然違うんだけど面白かったな〜。
イマ:『逃げるは恥だが役に立つ』『凪のお暇』とかもそう。すんごい淡々とした漫画なのに、映像化するとまた違った味わいがあるというか。『きのう何食べた?』みたいな、原作に忠実で期待を裏切らないパターンもありますよね。
小林:『きのう何食べた?』は、原作のよしながふみさんが西島秀俊さんと内野聖陽さんだから映像化にOKを出したという話を聞いたことがあるんですけど、納得です。ところで、金曜の深夜帯はテレ東さんがまた良さそうなドラマを放出してきましたね。
イマ:『初恋、ざらり』(テレビ東京系列)は、祖父江里奈プロデューサーだから観たいと思ったんです。これまで『シジュウカラ』(2022年)、『シガテラ』(2023年)と、彼女が関わった作品は妙に心に残るものばかり。『初恋、ざらり』は軽度知的障害で自閉症の子が主人公なんですけど、このご時世ですから、相当な覚悟がないと制作ができない。でも、あえて攻める勇気がすごいなあって。
小林:特にテレ東さんに限った話かもしれないですけど、プロデューサーさんでドラマを選ぶことはあります。私は仕事でご一緒した、本間かなみさんの作品は好きですねえ。見た目は本当に普通の女の子という感じだけど、作品を作り出すと急に変わるのかも。時流を読む力があるんでしょうね。例えば、『今夜すきやきだよ』(2023年)も、たった一巻しか漫画原作がないのに、原作のイメージを損なわずに12話まで放送したんですよ。脚本にも関わっているらしいし、また一緒に仕事がしたいと思わせてくれる熱量を感じました。
イマ:出版業界もそうですけど、どこも潤沢に予算があるわけではないから知恵を絞るしかない。業界といってもいわゆるサラリーマンですし、そんなに自由が効くわけじゃない。だからそこに必要なのは、他の人が思いつかないアイデアと…おっしゃる通り、熱量です。
内容が明かされない『VIVANT』は、逆に知りたくなるという新プロモーション
小林:土曜のドラマは二人とも意見が「観るぞ〜!」と合致した『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(7月15日(土)/日本テレビ系列)。これは教師役に松岡茉優、生徒役に芦田愛菜というだけで、観ない理由がない気がします。『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』(2019年)を手がけたスタッフが集合ということは…もう、もう!
イマ:考察勢がTwitterで大騒ぎしそうじゃないですか? あとは学園モノに欠かせない、生徒役たちのチェックですね。スター候補生がいないかと、青田買いする楽しみ。窪塚洋介の息子・窪塚愛流くんとか、最近よくドラマや映画で見かけるスターダストプロモーションの奥平大兼くんとか。加藤清史郎くんはそろそろ最後の高校生役かなとか、相関図を見ていろいろ妄想します(笑)。
小林:この作品、夏休みの放送を狙ったのか『最高の生徒 〜余命1年のラストダンス〜』(7月15日(土)/日本テレビ系列)っていう、昼ドラも放送するんです。夜の放送に向けての布石としては、新しいプロモーションだなって。
イマ:ですね。でもプロモーションといえば、二人ともチェックしている『VIVANT』(7月16日(日)/TBS系列)はすごくないですか? 現時点で堺雅人、阿部寛、松坂桃李、役所広司という豪華キャストがいて、モンゴルロケを敢行したっていう以外、全然情報がない。ええと、これは私の勝手な予想ですけど、企業買収や国際政治が絡んできそうなんですよね、モンゴルがロケ地だし地下資源の奪い合いとか。
小林:なんか適当なこと言ってますね(笑)。でも、それほど情報がないっていうところが新しいプロモーションですよね。逆に興味を持つということでしょう? このまま放送日まで絶対に内容を漏らさずにいてほしいです。
イマ:こうなると番宣もないのかな。
小林:ええ!『バナナマンのせっかくグルメ』(ともにTBS系列)で、堺雅人と役所広司がオーバーオール姿でグルメロケに行くのが見たいんだけど…。あとTBSの情報番組ジャックはどうなるんですかね。出演者に内容のことを聞いても、一言もしゃべらないとか(笑)。
イマ:ちなみに土曜ドラマでは『ノッキンオン・ロックドドア』(7月29日(土)/テレビ朝日系列)に、一票入れたんですよ。探偵ドラマで、堤幸彦監督ならと。小林さんは?
小林:観ます、観ます。ただ一票入れなかったのは、松村北斗くん(SixTONES)がどんなふうに出てくるのか分からなかったからですね。個人的には朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(2021年/NHK総合)の雉真稔役の印象がすごかったんですよ。ハードな役とかコメディは、役者さんならなんとか乗り切れるけど、誠実な役っていうのはなかなか難しい。松村くんにはまたそういう役を演じてほしいなという、期待が強いのかも。ちょっと取材をしてみたい願望がわく人だなあ。
イマ:やっぱり、朝ドラの影響は絶大なんですね…。『CLASSY.』で彼を取材したスタッフから「見た目がカッコいいのはもちろんだけど、不思議で独特なコメントをする」って聞いたことがありますよ。さ、長くなりましたけど、じっくり腰を据えて放送を待ちますか!
前編の【JJドラマ部】2023夏ドラマで本当に面白いのはコレだ!勝手に予想①はこちら
小林久乃(こばやし・ひさの)コラムニスト、編集者。正々堂々の独身。中学生から地上波ドラマを愛して30年以上、筋金入りのオタク。好きが高じてついには『ベスト・オブ・平成ドラマ!』(青春出版社刊)を上梓した。ラブストーリーが好きで、特に禁断の恋がテーマとなると視聴熱が俄然、盛り上がる。公式HPはhttps://hisano-kobayashi.themedia.jp
元JJ編集長イマイズミ 女性誌『CLASSY.』『JJ』の編集長を歴任。1クールの地上波ドラマを全録画するようになったのは、編集長になった13年ほど前から。「仕事で新しい俳優、タレントさんを覚えるため」というのが理由だったけど、見事に大ハマり。ホームドラマとラブコメ好き。韓国ドラマもやや中毒。
構成/小林久乃 イラスト/lala nitta