インタビュー

日曜劇場『VIVANT』に出演中! 堺雅人の部下役・古屋呂敏「1億ドルの誤送金なんて想像したら…」

現在放送中の日曜劇場『VIVANT』に、俳優でカメラマンの古屋呂敏が出演している。彼の役は、第1話冒頭から1億ドル(約140億円)の誤送金に関わってしまう若手商社マン・水上了。ジョットコースターのように激しく動き出す物語の引き金を引いてしまった人物のひとりになっている。彼の甘いマスクに「古屋呂敏ってどんな俳優なんだろう」と気になった視聴者も多いのではないだろうか。

日曜劇場『VIVANT』あらすじ

太陽エネルギープラント事業を推進する丸菱商事は、中央アジアのバルカ共和国のインフラ会社・GFL社と契約し契約金1000万ドルの支払いをおこなう。だが、実際に支払われたのは、契約金の10倍となる1億ドル。会社の存続が左右される誤送金が発覚したのだ。エネルギー開発事業部の乃木憂助(堺雅人)はその関与を疑われ、1か月以内にその差額9千万ドルを回収するために、ひとりでバルカ共和国へと向かうことになる。日本と海外を股にかけた大スペクタクルドラマには、堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、松坂桃李、役所広司など豪華俳優陣が出演している。

古屋呂敏

ふるやろびん 1990年6月2日生まれ 33歳 京都府出身 T183 ファッションモデル、俳優、映像クリエーターなどマルチに活躍する。日本人の母、ハワイ出身の日系アメリカ人の父の間に生まれ、幼いころから日本とハワイを行き来していた。現在、日曜劇場『VIVANT』(TBS系)などのドラマに出演するほか、恋愛リアリティーショー『オオカミちゃんには騙されない』(Netflix)などに出演している。

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アメリカ留学中は各国の友人とシェアハウス生活を満喫!

古屋呂敏は、現在33歳のモデルであり俳優として活躍している。今年、Netflix で独占配信中の『オオカミちゃんには騙されない』に出演したことで彼に注目した人も多いことだろう。彼のルーツは日本とハワイにある。

「生まれは日本なのですが、父親が日系アメリカ人でハワイ出身。そのため、夏休みと冬休み、年2回はハワイと日本を行き来していました。高校までは、日本の学校に通い、大学からは一人でアメリカの大学に。ボストンのマサチューセッツ州立大学に通っていたのですが、大学に通う友達とシェアハウス生活でした。ギリシア人と中国系アメリカ人、プエルトリコ、マレーシアと僕というメンバーです。バックグランドが違う人たちが集まって生活するのはおもしろかったですよ。

モデルを始めたのは日本に帰国した際に生活費を稼ぐためだったという。

「日本で就職をしようと思っていたので、夏休みに2〜3ヶ月友達の家に転がり込んで就活をしていたんです。家賃や生活費を納めないといけないということもあり、始めたのがモデルの仕事でした」

軽い気持ちでモデルの仕事を始めたことが人生のターニングポイントになった。

「日本語と英語が両方話すことができるということで、本当はコンサルタントの仕事などをしたいと思っていたんですよ。スーツ着て、スターバックスでパソコンを開いて仕事するみたいな社会人になりたいなって(笑)。だけど、始めてみたらモデルの仕事がおもしろくて。『もうちょっとやってみようかな』という気持ちでつづけていたら、気がつけば俳優業までやらせていただくことになっていました」

堺雅人に「インターナショナルスクールってどうなの?」と聞かれ…

そして、夏の大作ドラマ日曜劇場『VIVANT』への出演が決まった。

「コンサルではありませんが、ドラマで大企業に就職することがかなってしまいました(笑)。僕の役は水上了という人物で、エネルギー開発事業部の一員。主演の堺雅人さんの部下にあたります。1億ドルの誤送金に関わってしまい、堺さんをとんでもない砂漠で歩かせてしまうきっかけを作ってしまった一人です。水上は自分から物語に関わっていくというよりも大きな波に巻き込まれていく一人。目の前に起きたできごとにとても素直に反応する人間味のある役なので、どちらかというと視聴者の感覚に寄り添った人物だと思います。もし、『自分が1億ドルの誤送金を起こしてしまったとしたら』なんて想像したら、顔面蒼白を通り越してしまいますよね」

これまで『半沢直樹』などの大ヒットドラマの主演を飾ってきた堺雅人との共演はどのような時間だったのか。

「ふだんはとても柔らかくて素敵な空気をお持ちの方なのですが、現場に入ると空気がガラッと変わって、空気がピンとする。メリハリのある現場で、その緊張感のなかご一緒できるのが幸せです。堺さんは背中だけでもカッコいい。1シーン1シーン刺激をいただきながら撮影をしています」

そして、現場を離れればまた気さくな雰囲気に。留学の経験がある古屋はこんなことを聞かれたそうだ。

「『呂敏、インターナショナルスクールってどうなの?』なんて会話もしましたね。撮影現場ではもちろん尊敬の的なのですが、現場外での気さくに同じ目線で話してくださるところも、リスペクトできる方だなと思いました」

今作に参加したことで、古屋は俳優業のおもしろさにより深く触れることができた。

「お芝居って難しいし、なかなか届かないからおもしろいなと思いました。『これをやってみよう』と『違うな〜』の繰り返しで、ときどき『これだ!』というものが見つかる。…だけど、次の日にはそれが正解ではなくなっていて(笑)。その感覚ってゴルフに近いのかもしれません。昨日は上手く飛んでいたのに、今日はなぜかまっすぐ飛ばないみたいなところが。そういう掴めないところ、深くまで追い求めたくしまってしまうところが役者業の醍醐味なのかなと思います」

写真・木村哲夫 取材・小石原悠介 

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