インタビュー

【imase】楽曲制作秘話「日本語すぎない、母音を崩した歌い方を意識しています」

「逃避行」や「NIGHT DANCER」などの大ヒット曲を筆頭に、全世界から注目を集めているアーティスト・imase。そんな彼の1st Album『凡才』のリリースを記念して、アルバムの制作秘話から、楽曲制作でのインスピレーションはどこから得ているのか?など、今をときめくアーティストの深部に迫った質問をたくさんお聞きしました。

imase(イマセ)

2000年11月9日生まれの23歳。岐阜県出身。20歳の時に音楽を始め、2021年にメジャーデビュー。デビュー曲「Have a nice day」は5億回再生、大ヒット曲「NIGHT DANCER」はSNS全世界総再生数80億回を突破し、韓国最大級のK-POPアワード『MMA』では“J-POP Favorite Artist”を獲得。日本だけでなく、海外からも注目を集めている。

公式X
公式Instagram
公式TikTok

Q1.1st Album『凡才』で注目してほしいポイントを教えてください

既発曲も含め全19曲が収録されているので、すごくボリュームのあるアルバムになっています。初期にリリースした楽曲から最新曲まで、余すことなく収録していますので、imaseについて知っていただける作品になったんじゃないかなと思います。ぜひ手に取っていただけたら嬉しいです!

 

Q2.「Shine Out」の制作秘話を教えてください

「Shine Out」は、ANESSA Global Campaignのために書き下ろした楽曲です。アネッサのCM映像を見たり、資生堂さんの過去のCMを遡ってヒントを得ました。夏を感じさせる、燦々としている様子を表現したいなと思い、2010年代のEDM的なアプローチにしようと考えました。2010年代の楽曲と夏らしさをミックスし、ノリも重視した楽曲になりました。

――作詞で1番最初に思い浮かんだ歌詞はありましたか?

そうですね……「Dance Dance Dance」という部分は最初に思い浮かびましたね。曲にノリを出すという面で、フレーズ的にも強いのかなと思っています。

 

Q3.幼少期から現在までの音楽遍歴を教えてください

幼少期は両親の影響で歌謡曲を聴くことが多かったです。松任谷由実さんや松田聖子さんなど。中高生の時は、当時流行っていた楽曲をよく聴いていました。例えば中学生の頃はGReeeeNさんや湘南乃風さん。高校生の頃は星野源さんや米津玄師さん、SEKAI NO OWARIさん。また、当時はEDMがすごく流行っていたので、EDMもよく聴いていました。

――EDMの楽曲で印象に残っているものはありますか?

Zedd(ゼッド)さんがすごく好きで、定番曲の「Stay」はよく聴いていましたね。あとはThe Chainsmokers(ザ・チェインスモーカーズ)さんや、Galantis(ギャランティス)さんもすごく好きです。Galantisさんだったら「No Money」が好きですね。

 

Q4.楽曲作りのインスピレーションはどこから生まれますか?

曲をたくさん聴くことでインスピレーションを得ることが多いです。例えば「Nagisa」は80年代のシティポップをモチーフにしているので、楽曲制作の際に80年代のシティポップをたくさん聴きました。曲を作るときに、表現したい系統やジャンルがあれば、それに近しい楽曲をたくさん聴くというのが僕のやり方です。

――楽曲を聴いているなかで、どういう風にアイデアが思い浮かんでくるのですか?

僕が作りたいなと思っている楽曲のイメージと聴いている楽曲に共通している部分があれば、まずはそこを真似てみます。メロディーに関しても、年代の雰囲気を出すために、まずは真似してみてから、自分がやりたいように色々崩してみて。そういうことを意識していますね。

――歌詞はどうやって考えていますか?

僕の場合は、1つ思いついたフレーズからどんどん広げていく“マジカルバナナ”的な発想をすることが多いです。連想ゲームみたいな感じですね。「Nagisa」で言うと、最初に「今では私に 見惚れちゃって」というフレーズが思い浮かんで、そこから小悪魔的な強い女性の話を描こうと思いました。どの楽曲も、1つのフレーズやテーマから広げていくことが多いです。

 

Q5.日本のみならず全世界から注目を集めていますが、注目され始めたことによって、楽曲作りの過程で変化はありましたか?

海外の方にも聴いていただきやすいような曲を意識しています。日本語っぽすぎない発音で、母音を固くしすぎない。「あいうえお」すぎない、みたいな(笑)。英語っぽい日本語というか。そうした方が日本語としても聴き心地が良くなったりしますね。僕の楽曲は洋楽的なサウンドが多いので、少し母音を崩す歌い方の方が雰囲気に合っているなと思います。あとは韻をたくさん踏むようにしています。

――世界に注目され始めてから、意識的に変わっていったんですね。

そうですね。自分が2曲目にリリースした「逃避行」という楽曲から考え方が変わりました。リリース当時、その楽曲が中国の音楽チャートに入っているのを見てから、海外も意識してみたいなと思い始めました。その時からずっと母音の発音を柔らかくすることやビート感を強めにするということを意識していますね。

 

Q6.今後行っていきたい活動はありますか?

国内外問わず、もっとたくさんの方に聴いていただける曲を作りたいです。あとは、ライブのステージも大きくしていきたいですし、まだやったことのないジャンルの楽曲にもチャレンジしていきたいと思います!

1st Album『凡才』が5月15日(水)にリリース

代表曲「NIGHT DANCER」をはじめ、CMソングの「でもね、たまには」や、映画『SAND LAND』主題歌「ユートピア」を含む全19曲が収録された超豪華アルバム。『凡才』というタイトルには、“凡人”のimaseが試行錯誤して制作したアルバムという意味と、海外から人気の高い「盆栽」のように、国内外問わず愛されるアルバムにしたいという思いが込められている。

ヘアメーク/向井大輔 撮影/飯岡拓也 取材・編集/齋藤菜月

この記事が気に入ったら

Pick up