コラム

「分かりあえない おじさんと私たち」 瀬戸晴加コラム#1

ちょっとおじさん、黙っててもらってもいいですか?

逆に私が一番大事にしていることは、女のコの悩みを、女のコ目線で、女のコの気持ちが満たされるようにサービス化、商品化するってこと。むしろそうじゃないと意味がないと思うんですよね。
 
 だって、私はおじさんの気持ちや行動パターンは分からない。だから逆もそうだって思うんです。わがままで飽きっぽい私たち世代が、どんな言葉にキュンときて、どんなことに悩み、お財布事情や生活リズム、この特殊で不安定で数値化できない私たちを、「今の女のコってこんな感じでしょ? インスタ流行ってるんでしょ?」みたいな感じで資料の円グラフだけ見て決めつけてくるから、モノ作りに関しても広告に関しても全然ハ
マらない、みたいな事態になっていると思うんですよね。現場ベースでは女性がアイデアを出していても、決裁権を握っているのはやっぱりおじさん、とか。

 「この商品だったら、こういう見せ方をしたほうが女のコのライフスタイルに合って自然と興味を持ってもらえますよ」みたいな提案をしても、ロゴをもっと大きく、商品ももっと大きく、配合されている成分全部表記して、パッケージ持ってもっと笑顔の写真に……、

 ちょっと黙っててもらってもいいですか?
 (と何度心の中で叫んだか!)
 
 そんなんじゃ私たちの目には留まらないし、自分事と捉えられないし、絶対に買わない。もっとかゆいところに手が届くような、私たちの気持ちに沿ったサービスや商品が増えることを願って、「せとはる」は今日もおじさん世代と戦っています。

 以上、制作の現場からお伝えしました(笑) 。

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